このダッシュボードでは、DaaS のネットワーク部分の全体的なパフォーマンスを把握できます。Horizon データセンターのパフォーマンス ダッシュボードと併用することで、Horizon の全体的なパフォーマンスが全面的に可視化されます。

データセンター部分にコンシューマ レイヤー(仮想マシン)とプロバイダ レイヤー (ESXi) があるのと同様に、ネットワーク部分にはコンシューマ(プロトコル)とプロバイダ(ネットワーク インフラストラクチャ)があります。2 つのレイヤーには異なるメトリックがあり、相関関係がある場合とない場合について理解することが重要です。たとえば、コンシューマ レイヤーでパケット ロス メトリックが使用されていても、プロバイダ レイヤーでパケット ロスが発生しているとは限りません。プロトコル パケット ロスは、デスクトップ エージェントによって測定されます。パケットが古い、または順序が正しくないという単純な理由で、Horizon Agent はパケットをドロップすることがあります。物理スイッチまたは仮想スイッチによってパケット ドロップが発生し、コンシューマ レイヤーに影響を与える場合があります。これは、最適化されていないネットワーク ルーティング、プロトコル ヘア ピニング、ファイアウォールの構成ミス、ネットワーク QoS の設定などによって発生します。

設計上の考慮事項

このダッシュボードは、監視のエントリ ポイントとして機能します。RDS ファーム ダッシュボードと VDI プール ダッシュボードにドリルダウンが可能で、ドリルダウンによって機能を展開することができます。

ダッシュボードの使用方法

このダッシュボードの上部に表示されている見出しスコアボードを確認します。

  • スコアボードは色分けされています。クリックしてウィジェットを編集し、しきい値について理解してください。

[ポッドとワールド] 表を確認します

  • ここには、すべての Horizon ポッドが一覧表示されます。全体の数を確認する場合、Horizon ワールド オブジェクトにすべてのポッドが含まれています。

表からエントリの 1 つを選択します。

  • 選択したエントリのパフォーマンスが健全性チャートに表示されます。

  • 選択したポッド内の RDS ファーム、VDI プール、vSphere Distributed Switch が下の表に一覧表示されます。

RDS を使用している場合は、[RDS ファーム] 表を確認します。

  • パフォーマンスの高くないホストに注目します。

  • 現在のセッション数が 0 の場合、最近アクティブなセッションはありませんが、過去 7 日間にはセッションがありました。

VDI を使用している場合は、[VDI プール] 表を確認します。

  • パフォーマンスの高くない VDI プールに注目します。

  • 現在のセッション数が 0 の場合、最近アクティブなセッションはありませんが、過去 7 日間にはセッションがありました。

VDI を使用している場合は、[Distributed Switch] 表を確認します。

  • Distributed Switch は vSphere データセンターの一部ですが、RDS ファームと VDI プールは Horizon ポッドの一部です。両者は、直接的にはマッピングされていません。自動 RDS ファームと自動 VDI プールは、vSphere クラスタ内にあるため、複数の Distributed Switch にまたがることはありません。

表からエントリの 1 つを選択します。

  • KPI はスコアボードに表示されます。選択したオブジェクトのスコアボードの KPI は共有ウィジェットで、3 つすべての表に基づいて決定されます。そのため、KPI は選択したオブジェクトのタイプによって変化します。

  • 他のオブジェクトとの関係は関係ウィジェットに表示されます。

注意点

  • vSphere ネットワークは、本来の特性として分散的です。各 ESXi は物理 NIC に影響します。これが物理キャパシティを表します。Distributed Switch とそのポート グループは、これらの独立したネットワーク カードにまたがっています。そのため、パフォーマンスの定義や測定が困難です。ESXi または物理 NIC の中で不均衡が発生する可能性があります。これはある意味で、分散ストレージ(vSAN など)に似ています。キャパシティ管理はポート グループには適用されません。その上限(物理キャパシティとも呼ばれる)が 1 分単位で異なる場合もあるためです。

  • データセンター内の遅延は 1 ミリ秒未満に抑える必要があります。vRealize Network Insight を使用して、水平方向のトラフィックに移行することで発生した遅延または再転送の問題を調査します。

  • 物理ネットワークは、True Visibility Suite などの適切な管理パックを使用して追加します。

  • ほとんどのパケットは、送信側と受信側のペア間でユニキャストになります。すべての仮想マシンにブロードキャスト パケットを送信し、多数のターゲットにマルチキャスト パケットを送信している仮想マシンが環境内に多数ある場合は、上位 N ウィジェットを追加して、これらのパケットを送信している仮想マシンを特定します。