インプレース アップグレードは、前回のインストールで指定した情報を変更することなく Site Recovery Manager Serverのアップグレードを素早く行う方法です。

このタスクについて

インプレース アップグレードを使用して、既存の Site Recovery Manager Server インストールと同じホスト マシンに Site Recovery Manager Server をアップグレードします。Site Recovery Manager をアップグレードし、Site Recovery Manager Server を別のホスト マシンに移行するには、移行によるSite Recovery Manager Serverのアップグレードを参照してください。

注:

インプレース アップグレードまたはインプレース移行を使用して、Site Recovery Manager 6.5 を 6.5.x アップデート リリースまたは 6.5.x.x パッチ リリースに更新する前に、サポートされているアップグレード方法の詳細について、VMware Site Recovery Manager ドキュメントにあるそれぞれの『リリース ノート』を参照してください。

Site Recovery Manager Server をアップグレードするときは、アップグレードされた vCenter Server インスタンスが使用する Platform Services Controller のアドレスを指定します。Platform Services Controller のアドレスがアップグレード中に変更された場合は、Site Recovery Manager Server をアップグレードするときに新しいアドレスを指定してください。アップグレードのこの後の手順では、Site Recovery Manager インストーラは、前回の Site Recovery Manager インストールから vCenter Server の接続、証明書、およびデータベース構成に関する情報を再使用します。インストーラは、インストール ウィザードのテキスト ボックスに、以前のインストールからの値を入力します。

データベース接続、証明書の場所、管理者の認証情報など、インストールの情報を変更するには、既存の Site Recovery Manager Server をアップグレードした後に変更モードでインストーラを実行する必要があります。

既存の構成情報がアップグレードに対して無効である場合は、アップグレードが失敗します。たとえば、データベースが同じ DSN でアクセスできない場合や、vCenter Server が同じポートでアクセスできない場合は、アップグレードは失敗します。

アップグレード中に、Site Recovery Manager が接続している vCenter Server インスタンスを変更することはできません。別の vCenter Server インスタンスに接続するには、新しい Site Recovery Manager Server をインストールする必要があります。

既存の Site Recovery Manager 6.5 リリースをアップデート リリースまたはパッチ リリースに更新する場合は、すべての手順が適用されるわけではありません。

前提条件

  • タスクを完了し、Site Recovery Manager アップグレードの前提条件とベスト プラクティスで説明されている情報を取得しました。

  • Site Recovery Manager ホスト マシンにログインしてアップグレードを行います。十分な権限があるアカウントを使用してログインしてください。一般的に Active Directory ドメイン管理者になりますが、ローカル管理者の場合もあります。

  • SQL Server データベースと統合 Windows 認証を Site Recovery Manager データベースとして使用する場合、Site Recovery Manager Server をアップグレードするには、SQL Server の統合 Windows 認証データ ソース名 (DSN) を作成したときに使用したものと同じユーザー アカウントまたは同じ権限を持つアカウントを使用します。

手順

  1. Site Recovery Manager インストーラ アイコンをダブルクリックしてインストール言語を選択し、OK をクリックします。
  2. インストーラのプロンプトに従って使用許諾契約書に同意し、インストールの前提条件を満たしていることを確認します。
  3. Site Recovery Manager Server をアップグレードしているサイトで Platform Services Controller に関する情報を確認または変更し、vCenter Single Sign-On のパスワードを入力して 次へ をクリックします。

    オプション

    説明

    アドレス

    Site Recovery Manager の登録に使用した vCenter ServerPlatform Services Controller のホスト名または IP アドレス。Platform Services Controller のアドレスが vCenter Server のアップグレード中に変更された場合は、新しいアドレスを入力します。ホスト名を小文字で入力します。インストールが完了して保護サイトとリカバリ サイト間の接続を構成するとき、大文字と小文字が区別されて比較されるため、ここで入力したホスト名または IP アドレスとまったく同じホスト名または IP アドレスを入力する必要があります。

    重要:

    使用するインフラストラクチャで IP アドレスの変更を簡単にするには、可能な限り IP アドレスではなく、完全修飾ドメイン名 (FQDN) を指定します。

    重要:

    Platform Services Controller が IP アドレスではなく FQDN を使用している場合、Site Recovery Manager のインストール時に FQDN を指定する必要があります。

    HTTPS ポート

    デフォルト値である 443 を受け入れるか、Platform Services Controller が別のポートを使用している場合は新しい値を入力します。Platform Services Controller は HTTPS 経由の接続のみをサポートし、HTTP 接続はサポートしません。

    ユーザー名

    この Platform Services Controller インスタンスが属する vCenter Single Sign-On ドメインの vCenter Single Sign-On ユーザー名。このユーザー アカウントは、Platform Services Controller インスタンスの vCenter Single Sign-On 管理者グループのメンバーである必要があります。管理者グループのメンバーだけが Site Recovery Manager ソリューション ユーザーの作成または再作成を行うために必要な権限を持っています。

    パスワード

    指定された vCenter Single Sign-On ユーザー名に対するパスワード。パスワード テキスト ボックスは空欄にできます。

  4. プロンプトが表示されたら、Platform Services Controller 証明書を確認し、承認 をクリックして承認します。
  5. アップグレードする Site Recovery Manager Server インスタンスの登録に使用した vCenter Server インスタンスを確認し、次へ をクリックします。

    アップグレード中に Site Recovery Manager が拡張する vCenter Server インスタンスを変更することはできません。

  6. 管理者電子メール、ローカル ホスト、およびリスナー ポート値を確認し、次へ をクリックします。
  7. 証明書タイプを選択し、次へ をクリックします。

    オプション

    説明

    証明書を自動的に生成

    次の手順で自動生成証明書を使用します。

    1. 証明書を自動的に生成 を選択し、次へ をクリックします。

    2. 組織および組織単位のテキスト値を入力します。一般的には、会社名と会社内のグループの名前です。

    3. 次へ をクリックします。

    証明書ファイルのロード

    次の手順でカスタム証明書を使用します。

    1. PKCS#12 証明書ファイルを使用 を選択し、次へ をクリックします。

    2. 参照 をクリックして、証明書ファイルの場所に移動し、開く をクリックします。証明書ファイルには証明書が 1 つのみ含まれ、その証明書と一致するプライベート キーが 1 つのみ設定されている必要があります。

    3. 証明書のパスワードを入力します。

    4. 次へ をクリックします。

    既存の証明書を使用

    このオプションを選択し、現在の証明書を保持します。

  8. Site Recovery Manager データベースのパスワードを入力し、次へ をクリックします。
  9. Site Recovery Manager Server サービスを実行するユーザー アカウントを選択し、次へ をクリックします。
    • ローカル システム アカウントを使用 を選択して、ローカル システム アカウント下で Site Recovery Manager Server サービスを実行します。

    • 既存の LDAP ユーザー アカウントのユーザー名とパスワードを入力して、別のユーザー アカウント下で Site Recovery Manager Server サービスを実行します。このアカウントには、組み込みの管理者グループのメンバーである、ローカル ユーザーなど任意のユーザー アカウントを指定できます。

    SQL Server データベースと統合 Windows 認証を使用する場合、このオプションは使用できません。この場合、Site Recovery Manager Server サービスは、Site Recovery Manager のインストールに使用するアカウントで実行します。

  10. Intstall をクリックします。
  11. インストールが完了したら、終了 をクリックします。

次のタスク

  • vSphere Web Client にログインするか、または vSphere Web Client にすでに接続している場合は vSphere Web Client からログアウトしてから再度ログインします。アップグレードされた Site Recovery Manager エクステンションは vSphere Web Client に表示されます。アップグレードして vSphere Web Client に表示するには、ブラウザ キャッシュをクリアする必要がある場合があります。アップグレードが表示されない場合は、vSphere Web Client サービスを再起動します。

  • vSphere Web Client で、サイト リカバリ > サイト > サイト > サマリを選択し、Site Recovery Manager Server および Site Recovery Manager プラグインのビルド番号にアップグレードが反映されていることを確認します。

  • 手順を繰り返して、他の Site Recovery Manager Server サイト上の Site Recovery Manager をアップグレードします。

  • Platform Services Controller のアドレスを変更した場合、Site Recovery ManagerPlatform Services ControllervCenter Server のいずれかの証明書をアップグレード中に変更した場合、またはサイト ペアリングが解除されている場合は、サイト間のペアリングを再構成します。サイト ペアリングの詳細については、サイト間の接続の再構成を参照してください。

  • 両サイトをアップグレードしたら、アップグレードされた Site Recovery Manager インストールの構成と確認に記載されたアップグレード後のタスクを実行します。