DPM (Distributed Power Management) と DRS (Distributed Resource Scheduler) は必須ではありませんが、Site Recovery Manager は両方のサービスをサポートするため、Site Recovery Manager を使用する場合にこれらのサービスから一定の利点を得ることができます。

DPM は、ESX ホストの電力使用状況を管理する機能です。DRS は ESX ホストへの仮想マシンの割り当てを管理する機能です。

Site Recovery Manager はリカバリ サイトでクラスタの DPM を一時的に無効化し、リカバリやテスト リカバリを開始するときにクラスタのすべてのホストをパワーオンします。これにより、仮想マシンのリカバリ中に十分なホスト容量を確保できます。リカバリやテストが完了すると、Site Recovery Manager は、リカバリ サイトのクラスタの DPM 設定を元の値に戻します。

計画移行および再保護の操作では、Site Recovery Manager は保護サイトで影響のあるクラスタの DPM も無効にしてクラスタのすべてのホストをパワーオンします。これにより、Site Recovery Manager はホスト レベルの操作(たとえば、再保護操作後のデータストアのアンマウントやストレージのクリーンアップ)を完了できます。計画移行や再保護の操作が完了すると、Site Recovery Manager は保護サイトのクラスタの DPM 設定を元の値に戻します。

クラスタ内のホストは実行状態のままなので、DPM は必要に応じてホストをパワーダウンできます。Site Recovery Manager は、使用可能な ESX ホスト全体で仮想マシンをラウンドロビン順に登録して、潜在的な負荷をできるだけ均一に分散します。DRS がクラスタで無効になっている場合でも、Site Recovery Manager は常に DRS 配置を使用して、リカバリ サイトでリカバリした仮想マシンをパワーオンする前にホスト全体にわたってインテリジェントに負荷を分散します。

DRS が有効で完全自動モードの場合は、Site Recovery Manager がリカバリした仮想マシンをパワーオンしている間、DRS は他の仮想マシンを移行してクラスタ全体に負荷をさらに分散します。Site Recovery Manager がリカバリした仮想マシンのパワーオンを終了した後も、DRS はクラスタ全体のすべての仮想マシンの負荷分散を継続します。