管理者は、複数のクラウド ゾーンが展開ターゲット ゾーンとして使用できるプロジェクトに対して、配置ポリシーを定義できます。たとえば、設定された優先順位に基づいてクラウド テンプレートを展開するプロジェクトを使用したり、ゾーンにおける仮想マシンとホストの最適な比率に基づいて複数のゾーン間で展開されたリソースのバランスを調整したりできます。また、ゾーン内の空いているリソースの量に基づいて仮想マシンのバランスを調整することもできます。
割り当てに関する考慮事項
デフォルトまたは Spread 配置ポリシーの場合。
- 展開するユーザーがメンテナンス モード中のクラウド アカウントを管理する権限を持っている場合、割り当てプロセスではメンテナンス モード中のクラウド アカウントを選択できます。これは、ユーザーがメンテナンス ウィンドウを閉じる前にテスト展開を実行する必要がある場合を考慮しています。
- ユーザーにクラウド アカウントを管理する権限がない場合、メンテナンス モード中のクラウド アカウントは割り当てプロセスから除外されます。
- メンテナンス モード中のホストは、スプレッド比率の一部としてカウントされます。メンテナンス中のホストを比率計算から除外するには、電源状態をオフに設定する必要があります。
Spread ポリシーの場合。
- 比率はホストに基づいて計算されます。ホストは、スタンドアローンとクラスタの一部のどちらでも構いません。
- スタンドアローン ホストがパワーオフ状態のときは、比率の一部としてカウントされません。
- クラスタの一部であるホストがパワーオフ状態のときは、パワーオフ状態がクラスタに反映されないため、比率を計算するときにそのホストは考慮されます。
spread by memory ポリシーの場合。
- 使用可能なメモリ量は、クラウド ゾーン内のすべてのホストのメモリ量を特定し、現在展開されているすべての仮想マシンに割り当てられたメモリ量を特定して計算されます。ただし、評価対象のプロジェクトに含まれているのがプライベート クラウド ゾーン、パブリック クラウド ゾーン、またはプライベートとパブリックの混合ゾーンのいずれであるかに基づいて計算方法は異なります。
- プライベート クラウド ゾーンのみのプロジェクト。
プライベート クラウド ゾーンの使用可能なメモリを判別するために、ゾーン内のホストの合計メモリが取得されます。すべての管理対象仮想マシンに割り当てられたメモリの量が取得されます。割り当てられたメモリを合計メモリで除算して比率が求められます。これは、ゾーンまたはクラスタのサイズに反比例します。比率が最も小さいゾーンまたはクラスタは、そのサイズに比例した空きメモリの量が最大であるため、使用可能なメモリが最も多いと見なされます。
- パブリック クラウド ゾーンのみのプロジェクト。
パブリック クラウド ゾーンの空きメモリを判別することはできません。したがって、すべての管理対象仮想マシンに割り当てられたメモリの量が取得されます。クラウド ゾーンは、割り当てられたメモリの量によって順序が決まるため、割り当てられたメモリの量が最も少ないゾーンが最も優先されます。
- プライベート クラウド ゾーンとパブリック クラウド ゾーンが混在するプロジェクト。
使用可能なメモリ量を判断するために、取得可能な情報である合計メモリ量が最大となるプライベート クラウド ゾーンが、すべてのパブリック クラウド ゾーンで使用されるベースラインに設定されます。
プライベート クラウド ゾーンの使用可能なメモリを判別するために、ゾーン内のホストの合計メモリが取得されます。すべての管理対象仮想マシンに割り当てられたメモリの量が取得されます。割り当てられたメモリを合計メモリで除算して比率が求められます。これは、ゾーンまたはクラスタのサイズに反比例します。比率が最も小さいゾーンまたはクラスタは、そのサイズに比例した空きメモリの量が最大であるため、使用可能なメモリが最も多いと見なされます。
- プライベート クラウド ゾーンのみのプロジェクト。
配置ポリシーの設定方法
展開のターゲットとして同等に使用できる複数のクラウド ゾーンがプロジェクト内にある場合、展開申請では、[配置ポリシー] をどのように構成したかに基づいて配置先が評価されます。
- の順に選択して、プロジェクトを作成または選択します。
- プロジェクトで、[プロビジョニング] タブをクリックします。
- ポリシーを選択します。
配置ポリシー 説明 デフォルト 要求されたリソースを、要件に一致する最初のクラウド ゾーンに展開します。
優先順位に基づいてワークロードを展開し、ホスト上のすべてのリソースが使用されないことを許容する場合は、[デフォルト] を選択します。
このオプションを選択すると、[仮想マシン] と [ホスト] の値は取得されません。
spread ホストあたりの仮想マシン数が最も少ないクラウド ゾーンに、要求されたリソースを展開します。
ホスト間でワークロードを分散して、リソースをホスト間で幅広く利用する場合は、[spread] を選択します。
このオプションを選択すると、仮想マシンとホストの数がクラウド ゾーンのリソースから取得され、評価されます。
spread by memory 要求されたリソースを、空きメモリ量が最大となるクラウド ゾーンに展開します。
未割り当てのメモリ量が最大となるホストにワークロードを配置する場合は、[spread by memory] を選択します。
このオプションが選択されている場合、空きメモリ量が最大となるゾーンの識別方法は、プロジェクトに含まれているゾーンがプライベート クラウド ゾーンのみ、パブリック クラウド ゾーンのみ、または混在するゾーンのいずれであるかによって異なります。上記の割り当てに関する考慮事項を参照してください。
- [保存] をクリックします。
ポリシーの適用方法の確認
プロジェクト レベルの配置ポリシーを構成した後、システムによるクラウド テンプレートの展開が予定される場所をプロビジョニング図で確認できます。
- の順に選択し、ポリシーの選択先のプロジェクトを使用するテンプレートを選択または構成します。
- [テスト] をクリックします。
- テストが正常に完了したら、テスト結果で [プロビジョニング図] をクリックします。
- 図は、2 つの例のいずれかと形式が類似しています。
ポリシー タイプ プロビジョニング図 デフォルト spread - 展開する準備ができたら、クラウド テンプレートに戻り、[展開] をクリックします。
割り当てプロセスでの配置ポリシーの評価
次の図を使用して、割り当てプロセスでポリシーが評価されるタイミングと、ターゲット ゾーンとホストが識別されるタイミングを把握してください。