IT 部門は、VMware Cloud on AWS (VMC) または VMware Cloud on Dell EMC (VMC-D) からインフラストラクチャを購入します。今後は、これらの費用(CPU、メモリ、ストレージ)を、VMC/VMC-D のコスト割り当てを使用してアプリケーション チームに転送できます。コスト割り当てメカニズムを使用すると、特定の仮想マシン (VM) の CPU、メモリ、およびストレージに関連する費用を確認できるため、クラウド インフラストラクチャに関連する全体的なコストを判断できます。

VMC/VMC-D コスト計算機能を使用するには、VMC/VMC-D アダプタの [詳細設定] セクションで [請求の有効化] オプションを true に設定する必要があります。false に設定すると、リファレンス コストに基づいてコストが計算されます。

VMC/VMC-D コスト計算 - 注意事項

  • 請求費用または参照ベースの費用は、CPU : メモリ : ストレージ比率に分割され、財務会計モデルのコスト設定 トピックから比率、リージョン、割引を編集できます。
  • 請求費用は、クラスタが属するリージョンに基づいてクラスタに割り当てられます。
    注: 請求費用の一部( VMware Aria Operations のコンポーネント リソース オブジェクトに関連付け)は、すべてのクラスタを対象にして分割されます。現時点では、 VMware Aria Operations が全種類の費用を把握していないためです。
  • VMC/VMC-D の請求通貨の形式が VMware Aria Operations の通貨形式と異なる場合、VMC/VMC-D 請求書は VMware Aria Operations の通貨形式に変換され、クラスタと仮想マシンで公開されます。変換係数は、VMC/VMC-D 組織のリソース オブジェクトの下にプロパティとして表示されます。
  • 選択されるリファレンス ベースのコストは、常にオンデマンドです。たとえば、VMC/VMC-D vCenter Server を VMware Aria Operations に直接追加します。VMC の場合、クラウド タイプを VMware on AWS と設定すると、デフォルトで米国東部(北バージニア)のリファレンス コストが選択されます。VMC-D の場合、クラウド タイプを VMware Cloud on Dell EMC と設定すると、デフォルトで EU リージョンのリファレンス コストが選択されます。
参照ベースのコスト計算と請求ベースのコスト計算を選択する場合は、次の重要な点を考慮する必要があります。
  • 参照ベースのコスト計算の場合は、ホストを本番ホスト、ホスト タイプをオンデマンドと見なして、コスト割り当て用の基準レートを取得します。ホスト タイプがサブスクリプション ベースの場合でも、引き続きホスト タイプをオンデマンドと見なしてコスト計算を行います。

  • 組織内に未構成の SDDC がある場合、VMware Aria Operations に組織内のホストの一部が表示されないことがあります。したがって、コストを計算するためにホストのリストを使用する請求ベースのコスト算出を使用する場合は、正しい基準レートを計算できないことがあります。
  • VMC/VMC-D 請求書の費用は、仮想マシン レベルで CPU、メモリ、およびストレージに対して公平な割り当てアルゴリズムを使用して配分されます。正確なコストの数値を得るには、すべての SDDC を指定した組織で構成する必要があります。
  • 請求書に基づき、新しく計算されたベース レートを使用して VMC/VMC-D をターゲット クラウドとしてワークロード プランニングを実行できます。

VMC/VMC-D のコスト割り当てのしくみ

VMC/VMC-D のコストの割り当ては、 VMware Aria Operations で定義されている次のイベント シーケンスのとおりに実行されます。
  • vCenter Server と VMC/VMC-D のアダプタを使用して VMC/VMC-D のインベントリを検出します。
  • VMC/VMC-D ネイティブ アダプタを使用して、VMware Cloud Services Platform (CSP) から VMC/VMC-D の請求書を取得します。
  • おおよその値を使用して、クラスタあたりの費用を特定します。
  • 総コスト値を使用して、CPU、メモリ、およびストレージ基準レートを決定します。
  • キャパシティ モデルに応じて、割り当てまたは使用率の基準レートを仮想マシンに適用します。