VMware 管理者は、パフォーマンスを管理するために [クラスタ使用率] ダッシュボードを [クラスタの競合] ダッシュボードと併せて使用します。
設計上の考慮事項
このダッシュボードは [クラスタ競合] ダッシュボードをサポートするものです。これを使用して、選択したデータセンターで使用率が高い vSphere クラスタを特定します。使用率が 100% を超えると、特に仮想マシンで競合が発生した場合に、パフォーマンスに悪影響が及ぶことがあります。デフォルトでは、VMware Aria Operations の収集間隔は 5 分です。5 分間の場合、300 秒分のデータ ポイントが存在する可能性があります。数秒間急増が発生した場合は、300 秒の残りで使用率が低ければ、表示されない場合があります。
すべてのパフォーマンス管理ダッシュボードに共通の一般的な設計上の考慮事項を表示するには、パフォーマンス ダッシュボード を参照してください。
ダッシュボードの使用方法
- CPU (%) およびメモリ (%)。
- CPU およびメモリの分布チャートを確認して、クラスタの CPU およびメモリの使用率の概要を調べます。
- 過去 1 週間の最上位のメトリックが使用されます。平均または 95 パーセンタイルは使用されません。これは使用率であり、競合ではないためです。使用率が高いためにパフォーマンスが低下することはありません。
- 1 日ではなく 1 週間を使用すると、より長い時間範囲が得られ、週末が対象になります。運用に適切だと思われる形でタイムラインを調整します。
- メモリはキャッシュの一形態であるため、CPU よりも高くなることが予想されます。メモリ アクティブ カウンタよりも適切であるため、メモリ消費カウンタが使用されます。
- 低い使用率は、現実の作業があまり行われていないので、実際にはパフォーマンスの低下を示していることがあります。チャートでは、低使用率に濃い灰色が使用されます。
- クラスタ使用率。
- クラスタ使用率表には、すべてのクラスタが一覧表示され、過去 1 週間の使用率が高い順に並べられます。表に緑色が表示されている場合は、これ以上分析する必要はありません。
- 期間は、目的の期間に変更できます。それに応じて最大数が反映されます。
- 表からクラスタを選択します。
- すべての使用率チャートには、選択したクラスタの主な使用率メトリックが表示されます。
- メモリの場合、使用率の高いカウンタは、バルーン、圧縮、スワップで明示的に表示されます。これらは使用率が 90% に満たなくても存在していますが、過去に使用率がひっ迫していたことを示します。使用率だけを見ていると、安全だと勘違いします。
- 線グラフには、クラスタ内の ESXi ホストの平均値と最大値の両方が表示されます。その理由は不均衡にありますが、これは珍しくありません。この一因となりうる設定は多数あります (たとえば、DRS 設定、仮想マシン予約、仮想マシン – ホスト アフィニティ、リソース プール、ストレッチ クラスタ、大規模な仮想マシンなど)。
- ディスク IOPS は、この動作に関する洞察を得るために、読み取りと書き込みに分割されます。ワークロードの中には読み取り指向のものも、書き込み指向のものもあります。
- ディスク スループットは、すべてのトラフィックを合計するので表示されません。実際には、各 ESXi ホストに独自の制限があります。
- DRS 自動化レベルが最も感度の高い設定になっていない場合、高い数値の vMotion がクラスタの負荷が不安定であることを示す場合があるので、vMotion の線グラフが追加されます。
注意点
- オペレーション チームで、使用率が特定のしきい値を超えないようにする標準化形式が使用されている場合は、そのしきい値を線グラフに追加できます。技術チームは実際の値としきい値の比較を確認できるので、しきい値のラインは技術チームにはあまり役立ちません。
- 3 番目の分布チャートを追加することを検討してください。この 3 番目のチャートでは、消費カウンタを補完するため、バルーン カウンタが表示されます。バルーニングがない場合は、高い消費値が実際には低い値よりも適切です。
- ワークロード メトリックは、需要/使用可能なキャパシティ * 100 で計算されるため、100% を超えることがあります。これは、それぞれが 100% の需要で実行しているホストがクラスタ内に 4 台あり、アドミッション コントロールが 50% に設定されている場合に発生する可能性があります。
- [仮想マシン使用率] ダッシュボードは、[仮想マシン競合] ダッシュボードを補完します。詳細については、[クラスタの競合] ダッシュボード 内の注意事項を参照してください。