アラート定義プロセスには、アラートをトリガするシンプトムおよびアラートの解決に役立つ推奨事項の追加が含まれます。このプロセスで作成するアラート定義は VMware Aria Operations のアラート定義の概要リストに保存され、構成したポリシーに基づいて環境内でアクティブに評価されます。

アラートの定義では、シンプトムおよび推奨事項を作成することも、既存のシンプトムおよび推奨事項を再利用することもできます。新しいシンプトムおよび推奨事項を作成する場合は、これらを定義に追加します。これらは、将来使用するためにシンプトムおよび推奨事項のコンテンツ ライブラリに追加されます。また、ポリシーを有効にし、アラートの通知を選択します。
  1. アラート定義を作成または編集するには、左側のメニューで [操作] > [構成] の順にクリックし、[アラート定義] タイルをクリックします。
  2. [追加] をクリックして定義を追加するか、縦方向の省略記号をクリックし、[編集] を選択して、選択した定義を編集します。
  3. [アラート] タブで、アラートの詳細を入力します。
    オプション 説明

    名前

    アラートの生成時に表示されるアラートの名前。

    説明

    アラートの生成時に表示されるアラートの説明。ユーザーに対してわかりやすい説明を指定します。

    基本オブジェクト タイプ

    アラート定義の評価とアラート生成の対象となるオブジェクト タイプ。

    このドロップダウン メニューには、環境内のすべてのオブジェクト タイプが含まれます。アラート定義は、1 つのオブジェクト タイプに基づいて定義することができます。

    影響

    [詳細設定] で、アラートが生成された場合に影響を受けるバッジを選択します。

    アラートの緊急度に基づいてバッジを選択できます。
    • 健全性。アラートにはすぐに対処する必要があります。
    • リスク。アラートにはトリガ後すぐ、数日、または数週間以内に対応する必要があります。
    • 効率。環境を最適化するために、長期的な視点でアラートに対処する必要があります。

    重要度

    アラート通知の一部として伝達されるアラートの重大度。

    次のいずれかの値を選択します。

    • 情報。情報提供のみを目的としています。バッジの色には影響しません。
    • 警告。最低レベル。黄色で表示される。
    • 緊急。中レベル。オレンジ色で表示される。
    • 最重要。最高レベル。赤色で表示される。
    • シンプトムベース。アラートの重大度に加えて、各シンプトムには定義済みの重大度が含まれています。アラートの重大度は、トリガされたすべてのシンプトムのうち、最もクリティカルなものに基づいて決定されます。色は重大度に応じて動的に決まります。シンプトムを取り消した場合、無効にされたシンプトムは、シンプトムベースのアラートの重大度に関与しません。
    アラート タイプとアラート サブタイプ

    アラートのタイプとサブタイプを選択します。

    この値は、生成されたアラートの分類に使用されるメタデータです。この情報はアラート(アラート通知を含む)に伝達されます。

    タイプおよびサブタイプの情報を使用して、アラートを組織内の適切な人員または部門に経路指定することができます。

    待機サイクル

    アラート定義に含まれるシンプトムが、このコレクション サイクルの回数に達するまでトリガされ続けている場合、アラートが生成されます。

    1 以上の値を指定する必要があります。

    この設定により、お使いの環境の感度を調整できます。アラート定義の待機サイクルは、シンプトムの定義の待機サイクルに追加されます。多くの定義では、感度をシンプトムレベルと同じレベルに構成し、アラート定義の待機サイクルは 1 に構成します。この構成により、目的のシンプトムの感度レベルですべてのシンプトムがトリガされると、アラートがただちにトリガされるようになります。

    キャンセル サイクル

    この収集サイクル数分の期間のシンプトムがキャンセルされた後、アラートがキャンセルされます。

    1 以上の値を指定する必要があります。

    この設定により、お使いの環境の感度を調整できます。アラート定義のキャンセル サイクルは、シンプトムの定義のキャンセル サイクルに追加されます。多くの定義では、感度をシンプトムレベルと同じレベルに構成し、アラート定義の待機サイクルは 1 に構成します。この構成により、目的のシンプトムのキャンセル サイクルの後にすべてのシンプトムの条件が解消されると、アラートがただちにキャンセルされるようになります。

  4. [次へ] をクリックしてシンプトム定義を追加します。
  5. [シンプトム/条件] で、選択したシンプトム/条件を左側のペインにドラッグします。左側のワークスペースを使用して、アラートの生成の際に、シンプトム/条件のいずれかまたはすべて、またはシンプトム/条件のセットのどれが真である必要があるかを指定します。1 つ以上のシンプトムを追加するときには、シンプトム式を作成します。このシンプトム式が真であると評価さた場合は、アラートが生成されます。同様に、アラートに 1 つ以上の条件を定義して、条件が満たされた場合にアラートが生成されるようにできます。[すべてのアラート] 画面にアラートが表示されます。
    表 1. [シンプトム/条件の追加] の選択オプション
    オプション 説明
    定義対象

    シンプトムが評価するオブジェクト。

    アラートの定義を作成する場合に、オブジェクトの関係階層に基づいて、ベース オブジェクト タイプおよび関連オブジェクト タイプのシンプトムを選択するか、定義することができます。以下の関係は、アラート定義の基本オブジェクト タイプと関連するオブジェクト タイプです。
    • 自己。アラート定義の基本オブジェクト タイプ。例:ホスト システム。
    • 子孫。基本オブジェクト タイプより任意の下位レベルにあるオブジェクト タイプ(直接または間接の子オブジェクト)。たとえば、仮想マシンはホスト システムの子孫です。
    • 先祖。基本オブジェクト タイプより 1 つ以上の上位レベルにあるオブジェクト タイプ(直接または間接の親)。たとえば、データセンターおよび vCenter Server はホスト システムの先祖です。
    • 親。階層内で、基本オブジェクト タイプのすぐ上のレベルにあるオブジェクト タイプ。例:データセンターはホスト システムの親です。
    • 子。基本オブジェクト タイプより 1 つ下のレベルにあるオブジェクト タイプ。例:仮想マシンはホスト システムの子です。
    [シンプトム] タブ
    シンプトムの選択

    現在の [定義対象] のオブジェクト タイプに追加するシンプトムの定義のタイプを選択します。

    • メトリック/プロパティ。メトリックおよびプロパティのシンプトムを使用するシンプトムを追加します。これらのメトリックは、VMware Aria Operations が環境内のターゲット オブジェクトから収集した運用またはパフォーマンスの値、および構成プロパティに基づいています。
    • メッセージ イベント。メッセージ イベントシンプトムを使用するシンプトムを追加します。これらのシンプトムは、VMware Aria Operations のコンポーネントからメッセージとして受信したイベント、または外部の監視対象システムからそのシステムの REST API を介してメッセージとして受信したイベントに基づいています。
    • 障害イベント。障害シンプトムを使用するシンプトムを追加します。これらのシンプトムは、監視対象のシステムが発行したイベントに基づいています。VMware Aria Operations は、これらのイベントのサブセットの相関関係を作成し、障害として配信します。障害(シンプトム)の目的は、環境内のオブジェクトの可用性を低下させるような監視対象システムのイベントを知らせることです。
    • メトリック イベント。メトリック イベントシンプトムを使用するシンプトムを追加します。これらのシンプトムは、選択したメトリックが指定された方法でしきい値に違反している監視対象システムから伝達されたイベントに基づいています。外部システムは、VMware Aria Operations ではなく、しきい値を管理します。これらのシンプトムは、選択したメトリックについて外部の監視対象システムにより報告された条件に基づいています。これは、VMware Aria Operations がアクティブに監視しているしきい値に基づいているメトリックシンプトムとは対照的です。
    • スマート早期警告。オブジェクトにおける異常の数がトレンディングしきい値を超えた場合にトリガされる、定義済みの条件を使用するシンプトムを追加します。このシンプトムは、該当オブジェクトの異常な動作を総合的に表します。VMware Aria Operations は、そのオブジェクトの通常稼動時の動作を判別する動的しきい値に違反するメトリックの許容可能な数に基づいて異常を分析します。このシンプトムは構成できません。ユーザーはこのシンプトムを使用するかどうかを決定します。
    オブジェクト タイプによるフィルタリング

    [自己] 以外の [定義対象] に値を選択した場合に使用可能です。

    選択された [定義対象] 関係に基づき、シンプトムを、選択したオブジェクト タイプを対象に構成されたものに制限します。

    新しいシンプトムの作成

    アラートに対して必要なシンプトムが存在しない場合は、シンプトムを作成できます。

    [シンプトムの定義] ダイアログ ボックスを開きます。

    スマート早期警告シンプトム(システムによって事前定義されている)には使用できません。

    すべてのフィルタ

    シンプトムの定義のリストをフィルタリングします。この選択項目を使用できるのは、[定義対象] に [自己] が設定されている場合、または [定義対象] に別の関係が設定されており、[オブジェクト タイプによるフィルタリング] ドロップダウン メニューからオブジェクトを選択した場合です。

    • シンプトム。シンプトムの定義の名前を検索するためのテキストを入力します。たとえば、名前に efficiency を含むシンプトムの定義をすべて表示するには、Efficiency と入力します。
    • 定義条件。シンプトム定義を定義するアダプタの名前を検索するためのテキストを入力します。たとえば、vCenter アダプタで提供されるシンプトムの定義をすべて表示するには、vCenter と入力します。ユーザーが定義したシンプトムの定義のみを表示するには、User という検索語を入力します。

    フィルタをクリアするには、フィルタ名の隣に表示される二重矢印アイコンをクリックします。

    クイック フィルタ(名前)

    シンプトム名に基づいてリストを検索します。

    [シンプトム] リスト

    選択されたオブジェクト タイプの既存のシンプトムのリストです。シンプトムを構成するには、そのシンプトムを左側のワークスペースにドラッグします。

    階層内の複数のレベルに基づくシンプトムを組み合わせるには、新しいシンプトムを選択してワークスペースにドラッグする前に、新しい [定義対象] レベルおよび [オブジェクト タイプによるフィルタリング] を選択します。

    [条件] タブ
    特定のオブジェクトの選択 オブジェクト タイプ、アダプタ タイプ、ポリシー、収集状態、およびステータスに基づいて、特定のオブジェクトを選択します。
    フィルタ オブジェクト タイプに基づいてメトリックを検索します。
    条件リスト 選択したオブジェクト タイプのメトリックのリスト。条件を構成するには、条件を左側のワークスペースにドラッグします。

    ワークスペースを使用して、シンプトム、シンプトム セット、および条件の相互作用を構成します。

    表 2. アラートの定義ワークスペースのシンプトムセット
    オプション 説明
    シンプトム セットの {operator} が true の場合にアラートをトリガします。

    追加したすべてのシンプトム/条件セットに対する演算子を選択します。複数のシンプトム/条件セットを追加する場合のみ使用可能です。

    • すべて。アラートが生成されるには、すべてのシンプトム/条件セットが真と評価される必要があります。ブール演算子 AND として機能します。
    • 任意。アラートが生成されるには、1 つ以上のシンプトム/条件セットが真と評価される必要があります。ブール演算子 OR として機能します。
    シンプトム

    シンプトム/条件セットには、アラートがトリガされる必要があるかどうかを決定するために評価される式が含まれます。

    シンプトムリストから既存のシンプトムのセットに 1 つ以上のシンプトムを追加するには、該当のシンプトムをリストからシンプトムセットにドラッグします。アラート定義に対する新しいシンプトムセットを作成するには、点線で囲まれたランディング領域にシンプトムをドラッグします。

    シンプトムセット

    ワークスペースに 1 つ以上のシンプトムを追加し、シンプトムセットが真に設定されるポイントを定義し、アラートが生成されるために真でなければならないのは、シンプトムセット内のすべてのシンプトムなのか、いずれかのシンプトムなのかを指定します。

    シンプトム セットには 1 つ以上のシンプトム/条件を含めることができ、アラートの定義には 1 つ以上のシンプトム/条件セットを含めることができます。

    [定義対象] のオブジェクトが [自己] であるシンプトムセットを作成する場合は、シンプトムセット内の複数のシンプトムに対して演算子を設定することができます。

    [定義対象] のオブジェクトが [自己] 以外の関係であるシンプトムセットを作成する場合は、演算子を設定し、トリガのしきい値を変更することができます。シンプトムセットの条件を構成するには、オプションを設定します。
    • 値演算子。シンプトム/条件セットを真と評価する際に、値テキスト ボックスで指定した値が複数の関連オブジェクトとどのように比較されるかを指定します。
    • 値テキスト ボックス。シンプトム/条件セットが真と評価されるために必要な、指定された関係のオブジェクトの数(値のタイプに基づく)。
    • 値タイプ。設定可能なタイプは次のとおりです。
      • 数。シンプトム/条件セットの条件を満たす関連オブジェクトの正確な数。
      • パーセント。シンプトム/条件セットの条件を満たす、すべての関連オブジェクトの割合。
      • 任意。1 つ以上の関連オブジェクトがシンプトム/条件セットの条件を満たす。
      • すべて。すべての関連オブジェクトがシンプトム/条件セットの条件を満たす。
    • シンプトムセット演算子。シンプトム セット内のシンプトムと条件の間に適用される演算子。
      • すべて。アラートが生成されるには、すべてのシンプトム/条件が真と評価される条件必要があります。ブール演算子 AND として機能します。
      • 任意。アラートが生成されるには、1 つ以上のシンプトム/条件が真と評価される必要があります。ブール演算子 OR として機能します。

    シンプトムセットに 1 つのシンプトムを含めた場合、シンプトムセットがトリガされるためにはこの条件が真になる必要があります。ただし、欠落しているシンプトムという条件がシンプトムをトリガするシンプトムセットを構成する場合もあります。シンプトムの非存在条件を使用するには、シンプトム名の左側にある縦方向の省略記号をクリックし、[シンプトムを反転] を選択します。

    シンプトムの重要度は構成可能ですが、シンプトムを反転した場合、生成されたアラートの重要度に影響を与える、関連付けられた重要度は無効になりません。

    表 3. アラートの定義ワークスペースの条件
    オプション 説明
    アラートは、セットの {operator} が真の場合にトリガされます。

    追加したすべての条件セットに対する演算子を選択します。複数の条件セットを追加する場合のみ使用可能です。

    • すべて。アラートが生成されるには、すべての条件セットが真と評価される必要があります。ブール演算子 AND として機能します。
    • 任意。アラートが生成されるには、1 つ以上の条件セットが真と評価される必要があります。ブール演算子 OR として機能します。
    条件

    条件セットには、アラートがトリガされる必要があるかどうかを決定するために評価される式が含まれます。

    • 条件。条件を評価する際に、[値] テキスト ボックスで指定した値とメトリックまたはプロパティの現在値を比較する方法を決定します。
    • 値。しきい値を指定する値。
    • 重要度レベル。シンプトム/条件がトリガされるときのシンプトム/条件の重要度。
    • 待機サイクル。ここで指定された数の収集サイクルの期間、トリガ条件は true を維持し、この期間が過ぎるとシンプトム/条件がトリガされます。デフォルト値は 1 です。これは、条件が true になったときに、同じ収集サイクルでシンプトム/条件がトリガされることを意味します。
      注: [プロパティ] と [取り込み] で条件を定義している間は、待機サイクルを編集できません。
    • キャンセル サイクル。ここで指定された数の収集サイクルの期間、トリガ条件は false になり、この期間が過ぎるとシンプトム/条件はキャンセルされます。デフォルト値は 1 です。これは、条件が false になったときに、同じサイクルでシンプトム/条件がキャンセルされることを意味します。
      注: [プロパティ] と [取り込み] で条件を定義している間は、キャンセル サイクルを編集できません。

    条件リストから既存のシンプトム/条件のセットに 1 つ以上の条件を追加するには、該当の条件をリストからシンプトム/条件セットにドラッグします。

  6. [次へ] をクリックして推奨事項を追加します。
  7. [推奨] タブで、選択した推奨事項を左側のペインにドラッグします。左側のワークスペースを使用して、優先順位を変更します。
    表 4. アラートの定義のワークスペースにおける推奨事項の追加のオプション
    新しい推奨事項の作成

    問題のシンプトムを解決するために必要な推奨事項が存在しない場合は、推奨事項を作成することができます。

    すべてのフィルタ

    推奨事項のリストをフィルタリングします。

    • 説明。推奨事項の名前を検索するためのテキストを入力します。たとえば、名前に memory を含む推奨事項をすべて表示するには、Memory と入力します。
    • 定義条件。推奨事項を定義するアダプタの名前を検索するためのテキストを入力します。たとえば、vCenter Server アダプタで提供される推奨事項をすべて表示するには、vCenter Server と入力します。

    フィルタをクリアするには、フィルタ名の隣に表示される二重矢印アイコンをクリックします。

    クイック フィルタ(名前)

    入力したテキストに基づいてリストを限定します。

    利用可能な推奨事項のリストです。

    ワークスペースにドラッグできる既存の推奨事項のリストです。

    推奨事項は、アラートがトリガされたときに解決を支援するための指示(可能な場合はアクション)です。

    推奨事項ワークスペース

    1 つまたは複数の推奨事項をワークスペースに追加します。

    複数の推奨事項を追加した場合は、それらの推奨事項をドラッグして、優先順位を変更することができます。

  8. [次へ] をクリックして、ポリシーを有効にします。
  9. [ポリシー] タブで、左側のペインでポリシー ツリーを表示し、ツリーからデフォルト ポリシーまたはその他のポリシーを選択できます。
    右側のペインで [ステータス][有効] に変更することで、優先順位が最も高い推奨アクションを自動化できます。ポリシー内のオブジェクトに対してアラートが実行されるたびに、オブジェクトに対して推奨アクションが実行されます。
    注: 特定のポリシーに関連付けられているアラートを無効にするには、左側のペインでポリシーの選択を解除し、 [更新] をクリックします。
    また、ポリシーをクリックし、右側のペインでトリガ値を編集して、ポリシーのしきい値をカスタマイズすることもできます。条件のしきい値を編集すると、選択したポリシーのアラート定義に影響します。
    注: ポリシーを有効にせずにアラートを作成すると、アラートは非アクティブのままになります。
  10. [作成] をクリックしてアラートを作成します。アラート定義のリストに作成した新しいアラートが表示されます。