Diagnostics for VMware Cloud Foundation(VMware Cloud Foundation の診断)は、VMware Cloud Foundation ソフトウェア スタックの全体的な運用ステータスを監視する一元化されたプラットフォームです。
これは、vCenter、ESXi、vSAN のほか、vSphere vMotion、スナップショット、仮想マシンのプロビジョニングなどの機能、およびセキュリティ アドバイザリや証明書を含むその他の問題も含めて、VMware Cloud Foundation のコンポーネントの分析とトラブルシューティングに役立つセルフサービス プラットフォームです。インフラストラクチャ管理者は、診断の調査結果とカスタム ダッシュボードを使用して、環境の動作状態を監視できます。組み込みダッシュボードは、VMware Aria Operations のネイティブ ダッシュボードに対する拡張機能です。Diagnostics は、重要な VMware セキュリティ アドバイザリを使用して環境が最新であるかどうかを検証します。
Diagnostics を使用すると、期限切れの SSL 証明書など、証明書に関連する問題や脆弱性に対処できます。
Diagnostics では、vSphere vMotion などの vCenter 機能に関する関連情報もセルフヘルプ フローの形で提供され、移行の問題の診断に役立てることができます。
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運用上の問題をプロアクティブに特定して診断することで、プラットフォームの可用性を確保します。
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環境のセキュリティ状態を保持します。
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既知の問題の検出とその修正ガイダンス、および参考になるナレッジベースの記事へのリンクが組み込まれています。
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セルフサービスにより、問題の原因を把握して VMware ソフトウェア環境に対する次の手順を決定するための時間が短縮されます。
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原因と修正オプションを迅速に特定することで、ビジネスの中断を短くすることができます。
- vCenter:vCenter の動作状態:Ping の到達可能性
- ESXi の動作状態:vCenter Server からの接続
- VMware vSAN の動作状態:ディスク グループのステータス、物理ディスクのステータス
- 一般的な問題:証明書の有効期限
- ワークロード プロビジョニング(仮想マシン):仮想マシンのプロビジョニングの要求と障害、プロビジョニングの調査結果と推奨事項、一般的なトラブルシューティング。
- vSphere vMotion:vMotion の成功と失敗、調査結果と推奨事項、一般的なトラブルシューティング。
- スナップショット:スナップショットの障害、調査結果と推奨事項、一般的なトラブルシューティング。
Diagnostics for VMware Cloud Foundation は、インタラクティブなカードを使用してデータを表示します。詳細を確認するには、[詳細表示] または [ダッシュボードの表示] をクリックします。「VMware Cloud Foundation の診断の操作」トピックを参照してください。
環境に VMware Aria Operations 統合が構成されている場合は、コンテンツを示す Diagnostics カードが表示されます。VMware Aria Operations 統合を構成するには、「VMware Cloud Foundation の診断の設定」の手順に従います。
Diagnostics for VMware Cloud Foundation の動作
Diagnostics for VMware Cloud Foundation では、VMware Skyline Advisor と VMware Skyline Health Diagnostics のシグネチャが統合され、VMware Aria Operations for Logs の統合によって監視とトラブルシューティングを行う単一のペインが実現します。Diagnostics が検出する問題は調査結果と呼ばれます。Diagnostics は、システム プロパティと製品ログをスキャンし、調査結果を示して、対処できるようにします。調査結果を確認し、VMware ソフトウェア環境に適した次の手順を決定します。調査結果は、接続、サービスのステータス、インターフェイスの問題などのシステムの動作状態に関するレポートとは異なります。プロパティベースの調査結果は、環境に影響を与える可能性のある問題についての情報です。ログベースの調査結果は、問題がすでにシステムに影響しているかどうかの情報です。Diagnostics 5.2 は、プロパティベースおよびログベースの 300 を超えるルールで動作します。すべてのシグネチャのリストは、こちらで確認できます。
環境内で問題が発生した場合は、Diagnostics 内でログのスキャンを開始すると、既存のシグネチャを使用して問題を検出できます。シグネチャが一致する情報がログ ファイル内にあると、調査結果が表示されます。この調査結果には、一致するシグネチャと修正の手順、または問題の解決に役立つナレッジベースの記事に関する情報が含まれています。
プロアクティブな調査結果は、API を使用してシステム プロパティを検査するルールに基づいています。これらのルールは、4 時間ごとに自動的に実行されます。環境内ですでに発生している問題を検出するには、[調査結果の更新] をクリックしてログのスキャンを開始します。ログのスキャンを実行するには、環境に VMware Aria Operations for Logs をインストールし、統合しておく必要があります。Diagnostics for VMware Cloud Foundation の設定を参照してください。
[Diagnostics for VMware Cloud Foundation のアーキテクチャ図およびデータ フロー図]
Management Pack の更新については、VMware Aria Operations のリリース ノートを参照してください。
Diagnostics ダッシュボードでのデータの検出方法
Diagnostics のセルフヘルプ フローは、いずれかのカードから、または全体の調査結果から開始できます。トラブルシューティングの開始点は、問題の報告または特定の方法によって異なります。Diagnostics ダッシュボードに調査と修正アクションのためのトリガが表示されることもあれば、インフラストラクチャ管理者ではないエンド ユーザーから問題が報告されるなど、外部ソースからレポートを受け取ることもあります。
詳細については、Diagnostics カードのセルフヘルプ フローと Diagnostics の調査結果セルフヘルプ フローのフローチャートを参照してください。
[Diagnostics カードのセルフヘルプ フロー]
[Diagnostics の調査結果のセルフヘルプ フロー]
Diagnostics のルール
ログベースのルールは既知の問題の実際の発生を検出しますが、プロパティベースのルールは、ビルドに問題が含まれていて発生する可能性があることを示します。これらのルールはすべて、特定のビルド番号に結び付けられています。調査結果に応じて、環境に修正アクションを適用できるかどうか、およびそのアクションを適用することの緊急度を判断できます。場合によっては、修正アクションがパッチまたはアップグレードの適用であることがあります。これには計画が必要であり、推奨事項をすぐに適用することはできません。Diagnostics では、調査結果が重要度、コンポーネント、タイプ、機能によって分類され、調査結果ごとに影響を受けるオブジェクトの数が報告されます。これによって調査結果の影響を評価して、修正に優先順位を付けることができます。
問題を調査する際、vCenter インスタンスにログインすると詳細を取得するのに役立つことがありますが、ログインは必須ではありません。vCenter インスタンスにログインしても十分な詳細が得られない場合は、Diagnostics のログベースの調査結果を更新すると、より意味のあるデータが得られる場合があります。環境内の問題に対して考えられる原因を Diagnostics の調査結果画面で特定できない場合は、トラブルシューティング ガイドを参照してください。このガイドには、各 Diagnostics カードに示された条件に当てはまるナレッジベースの記事が一覧表示され、その状況を解決するための手順が記載されています。トラブルシューティング ガイドへのリンクは、ワークロード プロビジョニング、vMotion、スナップショット カードから利用できますが、Diagnostics が監視するすべてのコンポーネントのトラブルシューティング情報が含まれています。問題が vMotion の障害に関連している場合は、VMware Aria Operations のログ分析機能を使用してログ ステートメントを取得できます。vMotion の詳細ページで操作 ID を検索できます。
ログのスキャンが失敗した場合の操作
VMware Aria Operations for Logs インスタンスに対するログ スキャンの時間が長いために失敗した場合は、このナレッジベースの記事にあるトラブルシューティングを参照して解決してください。