コスト ドライバには、事業運営の費用に寄与するという側面があります。コスト ドライバは、コストのプール間のリンクを提供します。詳細なコストの可視性を提供し、プライベート クラウド内で正確に仮想マシンの費用を追跡するために、 VMware Aria Operations が 8 つの重要なコスト ドライバを識別します。現在の月のプライベート クラウド アカウントの総予測費用と、時間の経過に伴うコストのトレンドを確認できます。

ライセンス、人件費、ネットワーク、メンテナンス、および設備のコスト ドライバの総コストを VMware Aria Operations で設定できるようになりました。

注: 設定した総コストは、データセンター内のリソースに分散されます。たとえば、RHEL ライセンスの総コストを設定すると、コストは RHEL ライセンスを使用するすべてのホストおよび仮想マシンに分散されます。
業界標準に従って、 VMware Aria Operations はこれらのコスト ドライバのリファレンス コストを保持します。このリファレンス コストは、セットアップのコストを計算するために役立ちますが、正確ではない場合があります。たとえば、一括購入の際にいくつかの特別割引を受けた場合や、リファレンス データベースで使用可能なソケットベースの価格と一致しない可能性がある VMware の ELA がある場合があります。正確な値を取得するには、 VMware Aria Operations でコスト ドライバの参照コストを変更します。これにより、リファレンス データベースの値が上書きされます。入力内容に基づいて、 VMware Aria Operations はプライベート クラウドの費用の合計額を再計算します。 VMware Aria Operations にプライベート クラウドを追加すると、 VMware Aria Operations はプライベート クラウドの一部である 1 つまたは複数の vCenter Server を自動的に検出します。さらに、各 vCenter Server からインベントリの詳細も取得します。次の詳細情報が取得されます。
  • 関連付けられたクラスタ:数と名前
  • ESXi ホスト:数、モデル、構成など
  • データストア:数、ストレージ、タイプ、キャパシティ
  • 仮想マシン:数、OS タイプ、タグ、構成、使用率

インベントリのこれらの構成と使用率、および使用可能なリファレンス コストに基づいて、 VMware Aria Operations は各コスト ドライバの推定月次コストを計算します。プライベート クラウドのコストの合計は、これらすべてのコスト ドライバ費用の合計です。

データセンターの費用を変更できます。これらのコストは、パーセンテージまたは単価レートの観点から計算されることがあり、必ずしも全体的なコストの観点から計算されていない場合があります。入力内容に基づき、費用の最終額が計算されます。費用に関する入力を指定しない場合、リファレンス データベースからデフォルト値が取得されます。

リファレンス コストの詳細については、Azure VMware Solution/Oracle Cloud VMware Solution の参照ベースのコスト計算を参照してください。

現在の月のプライベートクラウドの予測コストと、時間の経過に伴う総コストのトレンドを確認できます。すべての費用について、 VMware Aria Operations のコスト ドライバにより、コスト変動の月次トレンドおよび実際の費用が示されます。また、実際の費用と費用のリファレンス コストを表すグラフが表示されます。
注: vCenter Server が 6 か月より前に追加された場合、トレンドには過去 6 か月のみの総コストが表示されます。それ以外の場合は、トレンドには vCenter ServerVMware Aria Operations に追加された月からの総コストが表示されます。

インフラストラクチャ タイプ

インフラストラクチャ タイプとして vCenter Server または VMC on AWS を選択できます。この選択に基づいて、[コスト ドライバ] 画面にコスト ドライバが表示されます。必要に応じて、コスト ドライバを追加または編集できます。
注: コスト ドライバの値は、[すべてのデータセンター] モードまたは [特定のデータセンター] モードで編集できます。コスト ドライバ構成ファイルのダウンロードとアップロードは、同じモード([すべてのデータセンター] モードまたは [特定のデータセンター] モード)で行ってください。
vCenter Server インフラストラクチャ タイプには、次のプライベート クラウド コスト ドライバが適用されます。
  • サーバ ハードウェア: 従来型
  • サーバ ハードウェア:ハイパーコンバージド
  • ストレージ
  • ライセンス
  • アプリケーション
  • メンテナンス
  • 人件費
  • ネットワーク
  • 設備
  • 追加コスト
VMC on AWS インフラストラクチャ タイプには、次のプライベート クラウド コスト ドライバが適用されます。
  • ライセンス
  • 追加コスト

ロード バランサ、税など、特定のホストに直接起因しない VMC のその他すべてのコストは、追加コスト ドライバでグループ化され、すべてのホスト間で均等に配分されます。

コスト ドライバのエクスポートとインポート

追加のコスト ドライバを除き、プライベート クラウドに関連付けられているその他のコスト ドライバをエクスポートまたはインポートできます。この機能を使用すると、コスト ドライバの値をユーザー インターフェイスではなく、Excel シートで編集できます。すべてのコスト ドライバを選択してエクスポートするか、個々のコスト ドライバを選択してエクスポートするかを選択できます。
注: インポートおよびエクスポート機能は、vCenter Server のコスト ドライバにのみ適用されます。VMware Cloud on Amazon Web Services では使用できません。
表 1. 費用タイプ
コスト ドライバ 説明
データセンターの選択 [データセンターの選択] オプションを使用すると、コスト ドライバの変更が適用されるデータセンターを選択できます。
注: また、特定のデータセンターを選択してそのデータセンターのコスト ドライバ値を変更したり、コスト ドライバを変更してすべてのデータセンターに変更を適用したりできます。
エクスポート [エクスポート] をクリックして、すべてのコスト ドライバのコストの詳細をエクスポートします。個々のコスト ドライバを選択してエクスポートすることもできます。
インポート [インポート] をクリックして、更新されたコスト ドライバ構成ファイル (xls/csv) を参照し、アップロードします。コスト ドライバのインポート ファイルには、エクスポートされたファイルと同じテンプレートが必要です。
注: アップロードされたファイルにエラーが含まれている場合は、エラー メッセージを含むメッセージが表示される場合があります。このエラーは無視して、ログ ファイルをダウンロードすることができます。[エラーを無視] をクリックすると、誤った値を除外し、正しい値を含めることができます。
[サーバ ハードウェア:従来型] サーバ ハードウェア コスト ドライバは、vCenter Server の一部であるハードウェア サーバの購入のすべての費用を追跡します。CPU の使用期間とサーバ コストの詳細に基づいてサーバ コストが表示されます。
注: サーバ グループから個々のサーバを選択し、個々のサーバごとに固有のコストを指定できるようになりました。
[サーバ ハードウェア:ハイパーコンバージド ] サーバ ハードウェア:ハイパーコンバージド コスト ドライバは、ハイパーコンバージド インフラストラクチャ コンポーネントに関連付けられている費用を追跡します。サーバ ハードウェア:ハイパーコンバージド コスト ドライバには、vSAN 対応サーバや vXRail などの、ハイパーコンバージド サーバの費用が含まれています。提供される費用は、コンピューティングとストレージの両方の費用です。
注: 以前のバージョンの [サーバ ハードウェア:従来型] で vSAN サーバのコストに対して行われたカスタマイズは、7.5 に持ち越されません。これは、vSAN 対応サーバが [サーバ ハードウェア:ハイパーコンバージド] サーバに分類されるようになったためです。
[ストレージ] vCenter Server から収集されたタグ カテゴリの情報に基づいて、データストアのレベルでストレージ コストを計算できます。カテゴリと未分類のコスト詳細に基づいて、ストレージの総配分が表示されます。
注: vSAN データストアは、このコスト ドライバ ページの一部として表示されません。
[ライセンス] クラウド環境のオペレーティング システム コストおよび VMware ライセンスのライセンス コスト配分が表示されます。
注: ESX 以外の物理サーバの場合、VMware ライセンスは適用されません。
[メンテナンス] サーバ ハードウェアおよびオペレーティング システムのメンテナンスのメンテナンス コスト配分が表示されます。ハードウェアおよびオペレーティング システム ベンダーに伴う総費用を追跡できます。
[人件費] サーバ、仮想インフラストラクチャおよびオペレーティング システムの人件費の配分が表示されます。物理サーバ、オペレーティング システムおよび仮想マシンを管理するための総管理コストを表示できます。データセンターを管理するための人的リソースに費やされるすべての費用を追跡できます。
注:
  • 人件費には、バックアップ アプライアンス仮想マシン(VDP 仮想アプライアンス)の費用が含まれています。
  • 物理サーバの場合、オペレーティング システムの人件費およびサーバの人件費が適用され、仮想インフラストラクチャ コストは考慮されません。
[ネットワーク] NIC タイプごとのネットワーク コストが表示されます。ESX サーバに接続されている NIC のさまざまなタイプに基づいて、ネットワーク費用を追跡できます。インターネット帯域幅を含む物理ネットワーク インフラストラクチャの総コストを表示できます。このコストは、ESXi サーバ上のネットワーク ポートの数およびタイプによって見積もられます。
注: 物理サーバの場合、ネットワークの詳細は取得されません。そのため、ネットワーク コストはゼロと見なされます。
[設備] データセンターの建物の賃貸料またはコストなどの不動産コスト、電源、冷却、ラック、および関連する設備管理人件費などの設備のコスト配分が表示されます。チャートをポイントすると、各設備タイプのコストの詳細を表示できます。
[追加コスト] バックアップとリストア、高可用性、管理、ライセンス、VMware ソフトウェア ライセンスなどの追加費用を確認できます。
[アプリケーション コスト] 環境内で実行しているさまざまなアプリケーション サービスのコストを、総費用と比較して確認できます。アプリケーション コストの例としては、SQL Server クラスタの実行コストや、仮想マシンでのアンチウイルスの実行コストがあります。
データセンターを選択して、データセンターに固有の情報を表示できます。