VMware Aria Operations は、ワークロード最適化にデマンド モデルと割り当てモデルを使用します。デフォルトでは、デマンド モデルのみが使用されます。割り当てモデルはアクティブなポリシーで有効にすることができます。
割り当てモデルとは
割り当てモデルにより、オブジェクト タイプに割り当てられるコンピューティング リソース、メモリ リソース、およびストレージ リソースの量が決まります。割り当て値は、オブジェクトに適用されるポリシーを変更して定義します。割り当て値(オーバーコミット率ともいいます)は、パフォーマンスとコストに影響を与えます。
割り当てモデルは、デマンド モデルと並行して動作します。キャパシティの計算に常に影響するデマンド モデルとは異なり、割り当てモデルはポリシー設定でオンまたはオフにできます。 VMware Aria Operations が CPU、メモリ、またはディスク容量をオーバーコミットする比率を制御できます。ポリシーで割り当て値を指定することで、リソースをオーバーコミットするかどうかを選択できます。オーバーコミットは、従量課金制モデルでリソースの使用率を測定するのに役立ちます。オーバーコミットしない場合、クラスタの使用率は 100% を超えません。リソース使用率が設定した割り当て率を超えた場合、残りキャパシティはゼロになります。
ポリシーを変更してオーバーコミット率を構成するには、『 VMware Aria Operations 構成ガイド』で「ポリシーの割り当てモデル要素」を参照してください。
デマンド モデルとは
デマンド モデルは、履歴データと使用パターンに基づいて将来のリソース要件を予測するために使用される概念です。デマンド モデルはキャパシティ プランニングと最適化の重要な要素であり、管理者はこのモデルを利用して、対象のワークロードをサポートするために必要なワークロードとインフラストラクチャ リソースの経時的な増加を予測できます。
デマンド モデルでは、リソース使用量の履歴、トレンド、季節性、ワークロードが変化する可能性など、さまざまな要因が考慮されます。VMware Aria Operations はこうした情報を分析することによって、予想される需要の増加に対応するために追加のリソース(CPU、メモリ、ストレージ、ネットワーク キャパシティなど)が必要になるタイミングについての判断材料を提供できます。
ワークロード最適化における割り当てモデルとデマンド モデルの違い
データセンター内のクラスタが最適化されていない場合、VMware Aria Operations はデフォルトでデマンド モデルを使用して、クラスタに配置されている仮想マシンを最適化します。VMware Aria Operations は仮想マシンを移動してクラスタを最適化する際に、キャパシティ デマンドを使用して、クラスタを最適化する最適な方法を計算します。
アクティブなポリシーで割り当てモデルをオンにすると、VMware Aria Operations はデマンド モデルに基づいて最適化し、割り当てモデルで定義されたオーバーコミットメント率を考慮します。VMware Aria Operations の WLP エンジンは、CPU、メモリ、ディスク容量の割り当てモデルに基づくオーバーコミットメント率を考慮するため、これらのリソースは、過剰割り当てにより、最適化後に過負荷状態にならなくなります。割り当てに基づく最適化モデルでは、目標は常にすべてのクラスタの負荷を軽減し、仮想マシンの移行後にターゲット クラスタが割り当て過剰にならないようにすることです。
割り当てモデルを有効にする方法
- クラスタ コンピューティング リソース。CPU、メモリ、ディスク容量のオーバーコミットメント率を設定します。パワーオフ状態の仮想マシンを考慮する場合は、[有効化] チェックボックスを選択します。
- データストア。vSAN データストアのディスク容量のオーバーコミットメント率を設定します。
- データストア クラスタ。クラスタのディスク容量のオーバーコミットメント率を設定します。
オーバーコミットメント率を選択した後で [保存] をクリックします。アクティブなポリシーで割り当てモデルのオーバーコミットメント率を設定した後、[ワークロード配置] 画面に移動して、[クラスタは使用率目標を満たしていますか? ] セクションに表示される割り当てモデルを確認します。