VMware Cloud Director によってバッキングされるクラウド サイトへのレプリケーションの場合は、ターゲット サイトでワークロードをリカバリするときに適用されるターゲット ネットワーク設定、ゲストのカスタマイズ、およびスクリプトを指定します。

VMware Cloud Director によってバッキングされるクラウド サイトにレプリケートする場合、ターゲット サイトでワークロードをリカバリする前に、ターゲット ネットワーク、オペレーティング システムのゲストのカスタマイズ、およびリカバリ後に実行されるシェル スクリプトを構成できます。
注: この手順は、 VMware Cloud Director によってバッキングされるクラウド サイトへのレプリケーションにのみ適用されます。

vCenter Server サイト間の vSphere DR および移行については、vSphere DR および移行のリカバリ設定の構成を参照してください。

前提条件

  • ゲストのカスタマイズの前提条件:
    • ゲストのカスタマイズには、VMware Tools を実行している仮想マシンが必要です。
    • Windows ゲスト OS をカスタマイズするには、システム管理者は VMware Cloud Director サーバ グループに適切な Microsoft Sysprep ファイルをインストールしておく必要があります。詳細については、『VMware Cloud Director インストール、構成およびアップグレード ガイド』を参照してください。
    • Linux ゲスト OS をカスタマイズするには、ゲストに Perl がインストールされている必要があります。
  • VMware Cloud Director Availability 4.5 以降がソース サイトとターゲット サイトの両方にデプロイされていることを確認します。
  • テナントまたはサービス プロバイダとして VMware Cloud Director Availability にアクセスできることを確認します。詳細については、VMware Cloud Director Availability へのアクセスを参照してください。

手順

  1. 左側のペインで、[受信レプリケーション] または [送信レプリケーション] をクリックして、レプリケーションの方向を選択します。
  2. 仮想マシンのレプリケーションを変更するには、画面の右上で [仮想マシン] ボタンをクリックします。vApp レプリケーションを変更するには、[vApp] ボタンをクリックします。
  3. 1 つ以上のレプリケーションを選択します。
  4. [すべてのアクション] > [リカバリ設定] をクリックします。
  5. [リカバリ設定] ウィンドウで、ターゲット サイトのゲスト OS の設定を変更するには、[ゲストのカスタマイズ] をクリックします。
    • 移行とフェイルオーバーの設定の場合は、[移行/フェイルオーバー] タブをクリックします。
    • または、テスト フェイルオーバーの設定の場合は、[テスト] タブをクリックします。
    ネットワークの構成の詳細については、 クラウドへのレプリケーションのネットワーク設定の構成を参照してください。
    1. 仮想マシン名を展開し、ゲストのカスタマイズを許可するには、[送信元設定を使用] トグルを無効のままにします。
      デフォルトでは、 [送信元設定を使用] トグルが有効になり、ソースがクラウド サイトで、ソースからの設定がレプリケートされた後に、ソース仮想マシンの設定が適用されます。ソースからの設定がない場合、 [送信元設定を使用] トグルは無効になります。
    2. [全般] セクションを構成します。
      次の 3 つの表のデフォルト設定は、ゲストのカスタマイズをまだ使用していないソース ワークロードに適用されます。ソース ワークロードがすでにゲストのカスタマイズを使用している場合は、 [送信元設定を使用] トグルを有効にすると、すでにカスタマイズされているソース ワークロードが設定に反映されます。
      オプション 説明
      ゲストのカスタマイズ デフォルトでは無効になっています。カスタマイズを適用するには、このトグルを有効にします。

      仮想マシンがカスタマイズにゲスト プロパティを使用している場合は、[ゲストのカスタマイズ] トグルを有効にしないでください。

      コンピュータ名 ターゲット仮想マシンのコンピュータ名を変更します。
      注: [ゲストのカスタマイズ] トグルがアクティブの場合、コンピュータ名の入力をスキップすると、 VMware Cloud Director によって vmname-001 などの名前が自動的に生成され、Windows ゲスト OS を実行している仮想マシンがドメインから離脱することがあります。
      コンピュータ名とネットワーク設定は、仮想マシンのパワーオン時にゲスト OS に適用されます。
      SID を変更

      システムとユーザーを一意に識別するためのセキュリティ ID (SID) を変更するには、このトグルを有効にします。

      SID は、Windows ゲスト OS を実行している仮想マシンにのみ適用されます。VMware Cloud Directorsysprep を実行して Windows SID を変更します。Windows NT では、VMware Cloud Directorsidgen を使用します。ドメインへの参加を完了するには、事前に sysprep を実行する必要があります。

      このトグルを有効にしないことで、ターゲット仮想マシンの SID はソース仮想マシンと同じになります。

      SID の変更は、仮想マシンを初めてパワーオンした場合、または、VMware Cloud Director[パワーオンして、再カスタマイズを適用] を実行した場合にのみ適用されます。

    3. [パスワードのリセット] セクションを展開します。
      パスワードのリセットは、仮想マシンを初めてパワーオンした場合、または、 VMware Cloud Director[パワーオンして、再カスタマイズを適用] を実行した場合にのみ適用されます。
      オプション 説明
      ローカル管理者パスワードを許可 ゲスト OS で管理者パスワードの設定を許可するには、このトグルを有効にします。
      初回ログイン時にパスワードの変更を管理者に要求 初回ログイン時にゲスト OS のパスワードの変更を管理者に要求するには、このトグルを有効にします。
      パスワードを自動生成

      パスワードの自動生成を許可するには、このトグルを有効にします。

      パスワードを指定 パスワードを入力するには、[ローカル管理者パスワードを許可] トグルを有効にして、[パスワードを自動生成] トグルを無効にします。
      自動的にログインする回数

      自動生成されたパスワードの場合は必須です。指定しない場合、ユーザーはログインできません。

      0」と入力して、管理者ユーザーとしての自動ログインを無効にします。
    4. [ドメインへの参加] セクションを展開します。
      このセクションは、Windows ゲスト OS を実行している仮想マシンにのみ適用されます。ドメインへの参加は、仮想マシンを初めてパワーオンした場合、または、 VMware Cloud Director[パワーオンして、再カスタマイズを適用] を実行した場合にのみ適用されます。
      オプション 説明
      ドメインへの参加 仮想マシンを Windows ドメインに参加させるには、このトグルを有効にし、次のドメイン プロパティを入力します。
      組織のドメインを使用する 組織のドメインを使用するには、このトグルを有効にします。または、ドメインのプロパティを入力して組織のドメインをオーバーライドします。
      ドメイン名 Windows ドメイン名を入力します。
      ドメイン ユーザー名 ドメイン ユーザー アカウントの名前を入力します。
      ドメイン パスワード ドメイン ユーザー アカウントのパスワードを入力します。
      アカウント組織ユニット アカウント組織ユニットを入力します。
    5. [スクリプト] セクションを展開し、[スクリプトの内容] テキスト ボックスに、リカバリされた仮想マシンで実行されるスクリプトの内容を入力します。
      スクリプトは、仮想マシンを初めてパワーオンした場合、または、 VMware Cloud Director[パワーオンして、再カスタマイズを適用] を実行した場合にのみ適用されます。

      仮想マシンにカスタマイズ スクリプトを入力する場合、スクリプトは次のようになります。

      • 1,500 文字を超えることはできません。
      • Windows 仮想マシンの場合はバッチ ファイル、Unix 仮想マシンの場合はシェル スクリプトである必要があります。
      • precustomization コマンド ライン パラメータは、ゲストのカスタマイズが開始する前にスクリプトを呼び出します。
      • postcustomization コマンド ライン パラメータは、ゲストのカスタマイズが完了した後にスクリプトを呼び出します。
      スクリプトの例:
      • 仮想マシンのゲスト OS スクリプトの例
        Windows のサンプル バッチ ファイル
        @echo off
        if "%1%" == "precustomization" (
        echo Do precustomization tasks
        ) else if "%1%" == "postcustomization" (
        echo Do postcustomization tasks
        )
        Linux のサンプル シェル スクリプト
        #!/bin/sh
        if [ x$1 == x"precustomization" ]; then
        echo Do Precustomization tasks
        elif [ x$1 == x"postcustomization" ]; then
        echo Do Postcustomization tasks
        fi
      • 次のスクリプトの内容は、ターゲット サイトの仮想マシンのファイルシステムのルートに配置されたテキスト ファイルにテキスト文字列を出力し、その後に日付が続きます。
        echo 'Test string' "$(date)" > /file.txt
      • 次の例では、スクリプトの実行が意図的に失敗します。レプリケーション タスクは緑色のチェックマークで成功しますが、次の警告が表示されます:リカバリ仮想マシン「vm-name」にゲストのカスタマイズを適用できません。
        exit 1
  6. [適用] をクリックします。

結果

[タスク] ペインで、レプリケーション タスクが実行されます。ゲストのカスタマイズの前提条件を満たしていない場合、ワークロードはカスタマイズなしでリカバリされ、レプリケーション タスクは緑色のチェックマークで成功しますが、次の警告が表示されます:リカバリ仮想マシン「vm-name」にゲストのカスタマイズを適用できません。リカバリ仮想マシン「vm-name」のゲストのカスタマイズを 300,000 ミリ秒で完了できませんでした。