高可用性データベース構成の VMware Cloud Director アプライアンス 10.2.2 以降の環境に組み込まれた PostgreSQL データベースをバックアップした場合は、新しいアプライアンス クラスタをデプロイして、そこにアプライアンス データベースをリストアできます。
リストア ワークフローには、3 つの主要なステージがあります。
- 転送サービス NFS 共有ストレージから組み込みデータベースのバックアップ .tar ファイルをコピーする。
- 組み込みデータベースのプライマリおよびスタンバイ セルにデータベースをリストアする。
- 必要なアプリケーション セルをデプロイする。
前提条件
- 組み込み PostgreSQL データベースの .tar ファイルがバックアップされていることを確認します。VMware Cloud Director アプライアンス組み込みデータベースのバックアップを参照してください。
- 1 つのプライマリ データベース セルと 2 つのスタンバイ データベース セルをデプロイします。『VMware Cloud Director アプライアンスのデプロイと初期構成』を参照してください。
- 新しいアプライアンス クラスタで以前の環境の NFS サーバを使用する場合は、NFS サーバ上に新しい共有としてディレクトリを新規作成し、エクスポートします。既存のマウントポイントを再利用することはできません。
手順
- プライマリ セルおよびスタンバイ セルで、root としてログインし、コマンドを実行して VMware Cloud Director サービスを停止します。
service vmware-vcd stop
- プライマリ セルおよびスタンバイ セルで、バックアップ .tar ファイルを /tmp フォルダにコピーします。
/tmp フォルダに十分な空き容量がない場合は、別の場所を使用して .tar ファイルを保存します。
- プライマリ セルおよびスタンバイ セルで、/tmp にあるバックアップ ファイルを解凍します。
tar -zxvf db-backup-date_time_format.tgz
/tmp フォルダに、抽出された global.properties、 responses.properties、certificates.pem、certificates.key、proxycertficates.pem、proxycertficates.key、truststore.pem、およびデータベース ファイル vcloud_date_time_format が表示されます。
注: truststore.pem ファイルは、 VMware Cloud Director 10.2.2 以降でのみ使用できます。 - プライマリ セルのみで、root としてコンソールにログインし、以下のコマンドを実行します。
vcloud
データベースをドロップします。sudo -i -u postgres /opt/vmware/vpostgres/current/bin/psql -c 'DROP DATABASE vcloud;'
pg_restore
コマンドを実行します。sudo -i -u postgres /opt/vmware/vpostgres/current/bin/pg_restore -C -d postgres /tmp/vcloud_date_time_name
- プライマリ セルおよびスタンバイ セルで、構成データ ファイルのコピーを保存し、置き換えてから、VMware Cloud Director サービスを再構成して開始します。
- プロパティ、証明書、および truststore ファイルをバックアップします。
global.properties、 responses.properties、 certificates.pem、 certificates.key、 proxycertificates.pem、 proxycertificates.key、および truststore.pem ファイルは /opt/vmware/vcloud-director/etc/ にあります。注: truststore.pem ファイルは、 VMware Cloud Director 10.2.2 以降でのみ使用できます。
cd /opt/vmware/vcloud-director/etc mkdir -p backup cp global.properties responses.properties certificates.* proxycertificates.* truststore.* backup
- ステップ 3 で抽出したバックアップ ファイルから、プロパティ、証明書、truststore の各ファイルをコピーして置き換えます。
cd /tmp cp global.properties responses.properties certificates.* proxycertificates.* truststore.* /opt/vmware/vcloud-director/etc/
注: truststore.pem ファイルは、 VMware Cloud Director 10.2.2 以降でのみ使用できます。 - /opt/vmware/vcloud-director/certificates.ks にあるキーストア ファイルをバックアップします。
cd /opt/vmware/vcloud-director mkdir -p backup cp certificates.ks backup
- 以下のコマンドを実行して、VMware Cloud Director サービスを再構成します。
/opt/vmware/vcloud-director/bin/configure --unattended-installation --database-type postgres --database-user vcloud \ --database-password db_password_new_primary --database-host eth1_ip_new_primary --database-port 5432 \ --database-name vcloud --uuid --keystore /opt/vmware/vcloud-director/certificates.ks \ --keystore-password ks_password --primary-ip appliance_eth0_ip \ --console-proxy-ip appliance_eth0_ip --console-proxy-port-https 8443
/opt/vmware/vcloud-director/bin/cell-management-tool reconfigure-database --database-ssl true
各値は次のとおりです。--keystore-password
オプションは、アプライアンスの証明書のキーストア パスワードと一致します。キーストアのパスワードは、アプライアンスのデプロイ中に使用した root パスワードである場合があります。-
--database-password
オプションは、https://appliance_eth0_ip:5480 にある、VMware Cloud Director アプライアンス管理ユーザー インターフェイスでアプライアンスをセットアップするときに設定したデータベースのパスワードと一致します。 --database-host
オプションは、プライマリ データベース アプライアンスのeth1
ネットワーク IP アドレスと一致します。-
--primary-ip
の値は、リストアするアプライアンス セルのeth0
ネットワーク IP アドレスと一致します。これは、プライマリ データベース セルの IP アドレスではありません。 --console-proxy-ip
オプションは、リストアするアプライアンス セルのeth0
ネットワーク IP アドレスと一致します。
トラブルシューティングの詳細については、VMware Cloud Director アプライアンスに移行またはリストアすると VMware Cloud Director サービスの再構成に失敗するを参照してください。
- 以下のコマンドを実行して、VMware Cloud Director サービスを開始します。
service vmware-vcd start
セルの起動の進行状況は /opt/vmware/vcloud-director/logs/cell.log で監視できます。
- プロパティ、証明書、および truststore ファイルをバックアップします。
- (オプション) 追加のアプリケーション セルをデプロイします。『VMware Cloud Director アプライアンスのデプロイと初期構成』を参照してください。
- 新しいアプライアンスで、置き換えている元のアプライアンスと異なる IP アドレスを使用する場合は、VMware Cloud Director サーバ グループの前面に配置されたロード バランサの構成を更新して、新しいアプライアンスの IP アドレスを含める必要があります。
- サーバ グループのすべてのセルの起動プロセスが終了したら、VMware Cloud Director 環境が正常にリストアしたことを確認します。
- 新しいサーバ グループ https://et0_IP_new_cell/provider 内の任意のセルの
eth0
ネットワーク IP アドレスを使用して、VMware Cloud Director Service Provider Admin Portal を開きます。手順 7 でロード バランサの構成を更新した場合は、サーバ グループのパブリック アドレスを使用して Service Provider Admin Portal にアクセスする必要があります。
- 既存のシステム管理者の認証情報を使用して、Service Provider Admin Portal にログインします。
- 新しい環境で vSphere およびクラウド リソースが使用可能であることを検証します。
- 新しいサーバ グループ https://et0_IP_new_cell/provider 内の任意のセルの
- データベースのリストアが成功したことを確認したら、Service Provider Admin Portal を使用して、古い VMware Cloud Director 環境に属する切断されたセルを削除します。
- 上部ナビゲーション バーの [リソース] で [クラウド リソース] を選択します。
- 左側のパネルで [クラウド セル] をクリックします。
- 無効なセルを選択し、[登録解除] をクリックします。
- リストア前のフェイルオーバー モードが
Automatic
だった場合、それを再度Automatic
に設定するには、VMware Cloud Director アプライアンス API を使用する必要があります。 - リストア前に VMware Cloud Director アプライアンス FIPS モードがオンだった場合は、VMware Cloud Director アプライアンス API を使用して再設定する必要があります。
セルの FIPS モードが自動的にリストアされます。