VMware Cloud Director アプライアンスには、組み込みの PostgreSQL データベースが含まれています。組み込みの PostgreSQL データベースには、PostgreSQL サーバのクラスタに高可用性 (HA) 機能を提供する Replication Manager (repmgr) ツール スイートが含まれています。VMware Cloud Director データベースにフェイルオーバー機能を提供するデータベース HA クラスタを使用して、アプライアンス環境を作成できます。

VMware Cloud Director アプライアンスは、プライマリ セル、スタンバイ セル、または VMware Cloud Director アプリケーション セルとしてデプロイできます。vSphere Client を使用した VMware Cloud Director アプライアンスのデプロイVMware OVF Tool を使用した VMware Cloud Director アプライアンスのデプロイ、またはHTTPS 通信およびコンソール プロキシ通信用の署名付きワイルドカード証明書を使用した VMware Cloud Director アプライアンスのデプロイを参照してください。

VMware Cloud Director データベースに HA を構成するには、サーバ グループを作成するときに、VMware Cloud Director アプライアンスのプライマリ インスタンスを 1 つ、スタンバイ インスタンスを 2 つデプロイして、データベース HA クラスタを構成します。サーバ グループを水平方向に拡張するには、アプリケーション セルをさらにデプロイします。VMware Cloud Director アプライアンス データベース HA クラスタ図を参照してください。

図 1. VMware Cloud Director アプライアンス データベース HA クラスタ
1 個のプライマリ セルと 2 個のスタンバイ セル

データベース HA 構成を含む VMware Cloud Director アプライアンス環境の作成

データベース HA 構成を含む VMware Cloud Director サーバ グループを作成するには、次のワークフローを実行します。
  1. VMware Cloud Director アプライアンスをプライマリ セルとしてデプロイします。

    プライマリ セルは、VMware Cloud Director サーバ グループの最初のメンバーです。組み込みデータベースは、VMware Cloud Director データベースとして設定されます。データベース名は vcloud、データベース ユーザーは vcloud です。

  2. プライマリ セルが実行中であることを確認します。
    1. VMware Cloud Director サービスの健全性を確認するには、システム管理者の認証情報を使用して、https://primary_eth0_ip_address/provider にある VMware Cloud Director Service Provider Admin Portal にログインします。
    2. PostgreSQL データベースの健全性を確認するには、https://primary_eth1_ip_address:5480 にあるアプライアンス管理ユーザー インターフェイスに root としてログインします。

      プライマリ ノードのステータスが実行中になっている必要があります。

  3. VMware Cloud Director アプライアンスの 2 つのインスタンスをスタンバイ セルとしてデプロイします。

    組み込みデータベースは、プライマリ データベースを使用してレプリケーション モードで設定されます。

    注: スタンバイ アプライアンスを最初にデプロイした後、Replication Manager はプライマリ アプライアンス データベースと自身のデータベースの同期を開始します。この期間中、 VMware Cloud Director データベースは使用できないため、 VMware Cloud Director のユーザー インターフェイスも使用できません。
  4. HA クラスタ内のすべてのセルが実行中になっていることを確認します。

    VMware Cloud Director アプライアンス クラスタの健全性とフェイルオーバー モードの表示を参照してください。

  5. (オプション)VMware Cloud Director アプリケーション セルとして、VMware Cloud Director アプライアンスのインスタンスを 1 つ以上デプロイします。

    組み込みデータベースは使用されません。VMware Cloud Director アプリケーション セルは、プライマリ データベースに接続されます。

1 つのプライマリ セル、2 つのスタンバイ セル、および N 個の VMware Cloud Director アプリケーション セル
注: クラスタが自動フェイルオーバー用に構成されている場合は、追加セルをデプロイした後、アプライアンス API を使用して、そのフェイルオーバー モードを Automatic に設定する必要があります。「 VMware Cloud Director アプライアンス API」を参照してください。新しいセルのデフォルトのフェイルオーバー モードは Manual です。クラスタのノード間でフェイルオーバー モードが不整合な状態の場合は、クラスタのフェイルオーバー モードは Indeterminate です。 Indeterminate モードでは、元のプライマリ セルをフォローするノード間でクラスタの状態が不整合になる可能性があります。クラスタのフェイルオーバー モードを表示するには、 VMware Cloud Director アプライアンス クラスタの健全性とフェイルオーバー モードの表示を参照してください。

データベース HA 構成を含まない VMware Cloud Director アプライアンス環境の作成

重要: VMware は、データベース HA のない VMware Cloud Director アプライアンスのデプロイ環境にはサポートを提供しません。
データベース HA 構成を含まない VMware Cloud Director サーバを作成するには、次のワークフローを実行します。
  1. VMware Cloud Director アプライアンスをプライマリ セルとしてデプロイします。

    プライマリ セルは、VMware Cloud Director サーバ グループの最初のメンバーです。組み込みデータベースは、VMware Cloud Director データベースとして設定されます。データベース名は vcloud、データベース ユーザーは vcloud です。

  2. プライマリ セルが実行中であることを確認します。
    1. VMware Cloud Director サービスの健全性を確認するには、システム管理者の認証情報を使用して、https://primary_eth0_ip_address/provider にある VMware Cloud Director Service Provider Admin Portal にログインします。
    2. PostgreSQL データベースの健全性を確認するには、https://primary_eth1_ip_address:5480 にあるアプライアンス管理ユーザー インターフェイスに root としてログインします。

      プライマリ ノードのステータスが実行中になっている必要があります。

  3. (オプション)VMware Cloud Director アプリケーション セルとして、VMware Cloud Director アプライアンスのインスタンスを 1 つ以上デプロイします。

    組み込みデータベースは使用されません。VMware Cloud Director アプリケーション セルは、プライマリ データベースに接続されます。

1 つのプライマリ セルおよび N 個の VMware Cloud Director アプリケーション セル