セル管理ツールの configure-metrics コマンドを使用して、収集するメトリックのセットを構成することができます。

注: このトピックの VMware Cloud Director 10.4 バージョンは、「 VMware Cloud Director Service Provider Admin Portal Guide」にあります。「 メトリックの収集と公開の構成」を参照してください。

VMware Cloud Director は、仮想マシンのパフォーマンスおよびリソース使用に関する現在および過去の情報を提供するメトリックを収集できます。このサブコマンドを使用して、VMware Cloud Director によって収集されるメトリックを構成します。cell-management-toolcassandra サブコマンドを使用して、VMware Cloud Director メトリック リポジトリとして使用するための Apache Cassandra データベースを構成します。Cassandra メトリック データベースの構成を参照してください。

手順

  1. VMware Cloud Director セルの OS に root として直接ログインするか、SSH クライアントを使用して接続します。
  2. VMware Cloud Director が収集するメトリックを構成します。
    /opt/vmware/vcloud-director/bin/cell-management-tool configure-metrics --metrics-config pathname
    表 1. セル管理ツールのオプションと引数、configure-metrics サブコマンド

    コマンド

    引数

    説明

    --help(-h)

    なし

    このカテゴリで使用可能なコマンドの概要を示します。

    --repository-host(廃止されました)

    KairosDB ホストのホスト名または IP アドレス

    廃止されました。cell-management-toolcassandra サブコマンドの --cluster-nodes オプションを使用して、VMware Cloud Director メトリック リポジトリとして使用するための Apache Cassandra データベースを構成します。

    --repository-port(廃止されました)

    使用する KairosDB ポート。

    廃止されました。cell-management-toolcassandra サブコマンドの --port オプションを使用して、VMware Cloud Director メトリック リポジトリとして使用するための Apache Cassandra データベースを構成します。

    --metrics-confg

    パス名

    メトリック構成ファイルのパス

  3. (オプション) 次のコマンドを実行して、メトリックの公開を有効にします。
    /opt/vmware/vcloud-director/bin/cell-management-tool manage-config -n statsFeeder.metrics.publishing.enabled -v true

    VMware Cloud Director 10.2.2 以降では、メトリックの公開はデフォルトで無効です。

例: メトリック データベース接続の構成

この例では、/tmp/metrics.groovy ファイルで指定されているように、メトリック収集を構成します。

[root@cell1 /opt/vmware/vcloud-director/bin]# ./cell-management-tool configure-metrics --metrics-config /tmp/metrics.groovy

VMware Cloud Director メトリック収集サービスでは、vSphere Performance Manager で収集されたメトリックのサブセットを実装します。メトリック名と収集パラメータの詳細については、vSphere Performance Manager のドキュメントを参照してください。metrics-config ファイルでは、1 つ以上のメトリック名を列挙し、列挙した各メトリックの収集パラメータを提供します。以下にその例を挙げます。

configuration {
    metric("cpu.usage.average")
    metric("cpu.usagemhz.average")
    metric("cpu.usage.maximum")
    metric("disk.used.latest") {
        currentInterval=300
        historicInterval=300
        entity="VM"
        instance=""
        minReportingInterval=1800
        aggregator="AVERAGE"
    }
}

次のメトリック名がサポートされています。

表 2. メトリック名

メトリック名

説明

cpu.usage.average

この仮想マシンでアクティブに使用される平均 CPU(使用可能な合計 CPU を占める割合)のホストのビュー。すべてのソケットのすべてのコアが含まれます。

cpu.usagemhz.average

この仮想マシンでアクティブに使用される平均 CPU(実際の測定値)のホストのビュー。すべてのソケットのすべてのコアが含まれます。

cpu.usage.maximum

この仮想マシンでアクティブに使用される最大 CPU(使用可能な合計 CPU を占める割合)のホストのビュー。すべてのソケットのすべてのコアが含まれます。

mem.usage.average

この仮想マシンによって使用されるメモリ(構成済みの合計メモリを占める割合)。

disk.provisioned.latest

含まれる組織仮想データセンターで、この仮想ハード ディスクに割り当てられたストレージ容量。

disk.used.latest

すべての仮想ハード ディスクによって使用されるストレージ。

disk.read.average

すべての仮想ハード ディスクの平均読み取り比率。

disk.write.average

すべての仮想ハード ディスクの平均書き込み比率。

注:

仮想マシンに複数のディスクが含まれる場合、VMware Cloud Director はメトリックをすべてのディスクの集計として報告します。CPU メトリックは、すべてのコアおよびソケットの集計です。

名前付きの各メトリックについては、次の収集パラメータを指定できます。

表 3. メトリック収集パラメータ

パラメータ名

説明

currentInterval

秒を示す整数

現在のメトリックのクエリで、最新の使用可能なメトリック値のクエリ時に使用する間隔(秒)。デフォルト値は 20 です。vSphere Performance Manager の定義に従い、VMware Cloud Director で 20 を超える値がサポートされるのは、レベル 1 のメトリックに対してのみです。

historicInterval

秒を示す整数

履歴のメトリック値のクエリ時に使用する間隔(秒)です。デフォルト値は 20 です。vSphere Performance Manager の定義に従い、VMware Cloud Director で 20 を超える値がサポートされるのは、レベル 1 のメトリックに対してのみです。

entity

HOSTVM のいずれか

メトリックが使用可能な vCenter Server オブジェクトのタイプ。デフォルトは、VM です。エンティティによっては、使用できないメトリックもあります。

instance

vSphere Performance Manager の PerfMetricId インスタンス識別子。

メトリックの個々のインスタンス(たとえば、個々の CPU コア数)、すべてのインスタンスの集計、またはその両方のデータを取得するかを指定します。"*" の値を指定すると、すべてのメトリック、インスタンス、および集計のデータが収集されます。空の文字列 "" を指定すると、集計データのみが収集されます。"DISKFILE" のような固有の文字列では、そのインスタンスのみのデータが収集されます。デフォルトは、"*" です。

minReportingInterval

秒を示す整数

時系列データのレポートに使用する、デフォルトの集計間隔(秒)を指定します。収集間隔の頻度が不十分である場合に、レポートの頻度を調整できます。デフォルトは 0 です。つまり、レポート間隔は確保されません。

aggregator

AVERAGEMINIMUMMAXIMUMSUMMATION のいずれか

minReportingInterval の間に実行される集計のタイプです。デフォルトは、AVERAGE です。