デフォルト構成の場合、組織 VDC は、仮想データセンターをバッキングするいずれかの vCenter Server リソース プールで作成された仮想マシンを自動的に検出します。システムは簡単な vApp を作成して、検出された各仮想マシン (VM) を取り込みます。この vApp は、システム管理者が所有します。検出された vApp へのアクセス権がシステム管理者から付与されると、vApp の構成または再構成時に vApp 内の仮想マシンを参照できます。また、採用およびインポートする際に vApp を変更することもできます。

検出された vApp には、正確に 1 台の仮想マシンが含まれており、VMware Cloud Director で作成された vApp には適用されないいくつかの制約が課せられます。これらの vApp は、採用するかどうかにかかわらず、vApp の構成または再構成時に使用する仮想マシンのソースとして役立つ場合があります。

検出された各 vApp には、その中にある vCenter Server Server 仮想マシン名に由来する名前と、組織管理者が指定したプリフィックスが付与されます。

vApp を追加で検出する場合、システム管理者は VMware Cloud Director API を使用して、プロバイダ仮想データセンターにある指定したリソース プールを採用する組織仮想データセンターを作成できます。これらの採用されたリソース プール内の vCenter Server 仮想マシンは、検出された vApp として新しい仮想データセンターに表示され、採用の候補になります。

注: IDE ハード ドライブを搭載した仮想マシンは、パワーオフ状態の場合のみ検出されます。

1 台以上の vCenter 仮想マシンが VMware Cloud Director で検出されない場合、vCenter Server の仮想マシンの検出をデバッグすることにより、潜在的な原因を調査できます。詳細については、『VMware Cloud Director インストール、構成、およびアップグレード ガイド』を参照してください。

仮想マシンの検出の有効化

デフォルトでは、仮想マシンの検出は有効になっています。仮想マシンの検出は 3 つのレベルで制御できます。
  • システム管理者Service Provider Admin Portal を使用して変更できるセル レベルのグローバル設定。
    1. 上部ナビゲーション バーで [管理] を選択します。
    2. 左側のパネルの [設定] で、[全般] を選択します。
    3. [その他] セクションを編集します。
    4. [仮想マシンの検出を有効化] オプションを切り替えます。

    グローバル レベルの設定が無効な場合は、組織レベルまたは VDC レベルの設定に関係なく、仮想マシンの検出は無効になります。

  • システム管理者が変更できる組織レベルの設定。
    1. 上部ナビゲーション バーで [リソース] を選択します。
    2. 左側のパネルで [組織] をクリックし、設定を変更する組織を選択します。
    3. [構成][全般] を選択し、[ その他] セクションをクリックして編集します。
    4. 組織内のすべての VDC の仮想マシン検出オプションを選択します。

    組織レベルの設定が無効な場合は、VDC レベルの設定に関係なく、組織内のすべての VDC で仮想マシンの検出が無効になります。

  • システム管理者が変更できる VDC レベルの設定。
    1. 上部ナビゲーション バーで [リソース] を選択します。
    2. 左側のパネルで [組織 VDC] をクリックし、設定を変更する VDC を選択します。
    3. [全般] タブを選択し、[編集] をクリックして、[その他] セクションを変更します。
    4. VDC の仮想マシン検出オプションを選択します。

検出された vApp からの仮想マシンの使用

検出された vApp へのアクセス権がシステム管理者から付与されると、他の vApp または vApp テンプレートに含まれる仮想マシンを使用するのと同様の方法で、その仮想マシンを使用できます。たとえば、新しい vApp を作成するときに仮想マシンを指定できます。採用プロセスをトリガすることなく、検出された vApp のクローンを作成したり、その名前、説明、またはリース設定を変更したりできます。

検出された vApp の採用

検出された vApp を採用するには、vApp ネットワークを変更するか、この vApp に仮想マシンを追加します。検出された vApp を採用すると、その vApp は、VMware Cloud Director で作成された場合と同様にインポートおよび処理されます。採用された vApp が VMware Cloud Director API 要求で取得された場合、この vApp には、autoNatureという名前の要素が含まれます。検出された vApp が採用されていた場合、または VMware Cloud Director で作成されていた場合、この要素の値は false になります。採用された vApp を検出された vApp に戻すことはできません。

検出された vApp に含まれる仮想マシンを削除または移動すると、その仮想マシンを含んでいた vApp も削除されます。この動作は、採用された vApp には適用されません。

検出された vCenter Server 仮想マシンを含めるために作成される vApp は、仮想マシンを vApp として手動でインポートするときに作成される vApp と類似しています。ただし、この vApp よりも簡素化されており、vApp を変更しなければ仮想データセンターにデプロイできないようになっています。たとえば、そのネットワークとストレージのプロパティを編集し、組織の要件に固有のその他の調整を行う必要があります。

注: 仮想マシンを採用しても、 vCenter Server で構成されている仮想マシンの予約、制限、および共有の設定は保持されません。インポートされた仮想マシンは、配置された組織仮想データセンターからリソース割り当ての設定を取得します。