VMware Cloud Director アプライアンスには、高可用性機能を備えた組み込みの PostgreSQL データベースが含まれています。VMware Cloud Director アプライアンスを新しいバージョンにアップグレードできます。外部 PostgreSQL データベースを使用する、以前のバージョンに基づく既存の VMware Cloud Director を、バージョン 10.0 以降の VMware Cloud Director アプライアンス環境で構成されている VMware Cloud Director 環境に移行できます。
VMware Cloud Director アプライアンスのアップグレード
VMware Cloud Director アプライアンスのバージョン 9.7 からバージョン 10.4 へのアップグレードについては、アップデート パッケージを使用した VMware Cloud Director アプライアンスのアップグレードを参照してください。
VMware Cloud Director 10.0 以降では、Microsoft SQL Server データベースはサポートされません。
- VMware Cloud Director データベース用に現在使用しているデータベース ソフトウェア。詳細については、「アップグレードと移行のパス」テーブルを参照してください。
- 現在使用している VMware vSphere ® リリース。
- 現在使用している VMware NSX® リリース。
- VMware Cloud Director と直接通信するサードパーティ製コンポーネント。
VMware Cloud Director と他の VMware 製品およびサード パーティ製データベースとの互換性については、http://partnerweb.vmware.com/comp_guide/sim/interop_matrix.phpにある VMware 製品の相互運用性マトリックスを参照してください。VMware Cloud Director アップグレードの一環として vSphere または NSX コンポーネントをアップグレードする場合は、VMware Cloud Director をアップグレードした後にこれらをアップグレードする必要があります。VMware Cloud Director のアップグレード後を参照してください。
1 台以上の VMware Cloud Director サーバをアップグレードしてから、VMware Cloud Director データベースをアップグレードできます。データベースには、サーバーで実行されているすべての VMware Cloud Director タスクの状態を含む、サーバーのランタイム状態に関する情報が保存されます。アップグレード後に無効なタスク情報がデータベース内に残らないようにするため、アップグレードを開始する前に、どのサーバにもアクティブなタスクがないことを確認する必要があります。
アップグレードでは、新しいインストール先にコピーされ、VMware Cloud Director データベースには格納されていないローカルおよびグローバル プロパティ ファイルも保持されます。
アップグレードを行うには、サーバ グループとデータベース内のすべてのサーバをアップグレードするのに必要な VMware Cloud Director のダウンタイムを確保する必要があります。ロード バランサーを使用している場合は、システムがアップグレードのためオフラインになっています (The system is offline for upgrade) のようなメッセージを返すように設定できます。
VMware Cloud Director アプライアンスをバージョン 10.4.1 にアップグレードする場合、組み込みの PostgreSQL データベースはバージョン 10 からバージョン 14 にアップグレードされます。このプロセスを行うと、既存のデータベース コンテンツのクローンは新しいローカル インスタンスに作成され、ディスク使用率が一時的に増加します。そのため、アップグレードを開始する前に、データベース ディスクに十分な空き容量があることを確認します。クローン作成プロセスにはデータベースの内容のみが含まれ、データベース ログやレプリケーションに使用されるログ先行書き込みは含まれないため、組織のログ保持ポリシーに従ってデータベース ログがバックアップされていることを確認します。組み込みの PostgreSQL データベースで VMware Cloud Director 10.4.1 にアップグレードする準備ができていることの確認を参照してください。
バージョン 10.1 以降では、サービス プロバイダとテナントは VMware Cloud Director API を使用してリモート サーバへの接続をテストし、サーバ ID を SSL ハンドシェイクの一部として検証できます。VMware Cloud Director ネットワーク接続を保護するために、VMware Cloud Director API を使用して接続テストを行っているテナントからは到達できない内部ホストの拒否リストを構成します。VMware Cloud Director のインストールまたはアップグレードの後、テナントに VMware Cloud Director へのアクセスを許可する前に、拒否リストを構成します。テスト接続拒否リストの構成を参照してください。
- セル管理ツールで
trust-infra-certs
コマンドを実行して、すべての証明書を中央の証明書ストアに自動的にインポートします。vSphere リソースからのエンドポイント証明書のインポートを参照してください。 - Service Provider Admin Portal ユーザー インターフェイスで、各 vCenter Server および NSX インスタンスを選択し、証明書を承認する際に資格情報を再入力します。
VMware Cloud Director アプライアンスの移行
既存の VMware Cloud Director サーバ グループが VMware Cloud Director 9.5 アプライアンス環境で構成されている場合は、環境を VMware Cloud Director アプライアンスの新しいバージョンに移行することのみが可能です。Linux 用の VMware Cloud Director インストーラを使用した既存の環境のアップグレードは、移行ワークフローの一環としてのみ可能になります。vCloud Director アプライアンスへの移行を参照してください。
VMware Cloud Director 環境で外部 Oracle データベースまたは外部 Microsoft SQL データベースを使用している場合は、VMware Cloud Director 10.4 にアップグレードする前に、PostgreSQL データベースに移行する必要があります。アップグレード パスについては、Linux での VMware Cloud Director のアップグレードを参照してください。
アップグレード パスと移行パスおよびワークフロー
アップグレード元の環境 | ターゲット環境 |
---|---|
組み込みの PostgreSQL データベースを使用する VMware Cloud Director アプライアンス 10.4 | |
外部 Microsoft SQL Server データベースを使用する Linux 上の VMware Cloud Director 9.7 |
|
外部 PostgreSQL データベースを使用する Linux 上の VMware Cloud Director 9.7 |
|
外部 PostgreSQL データベースを使用する Linux 上の VMware Cloud Director 10.0 |
|
外部 PostgreSQL データベースを使用する Linux 上の VMware Cloud Director 10.1 |
|
外部 PostgreSQL データベースを使用する Linux 上の VMware Cloud Director 10.2 |
|
外部 PostgreSQL データベースを使用する Linux 上の VMware Cloud Director 10.3 |
|
組み込みの PostgreSQL データベースを使用する VMware Cloud Director アプライアンス 9.7 以降 | 環境を VMware Cloud Director アプライアンス 10.4 にアップグレードします。アップデート パッケージを使用した VMware Cloud Director アプライアンスのアップグレードを参照してください。 |