仮想マシン (VM) サイジング ポリシー、仮想マシン配置ポリシー、および vGPU ポリシーを使用して、特定のクラスタまたはホスト上の仮想マシンのリソース割り当ておよび配置を制御できます。
VMware Cloud Director システム管理者は、グローバル レベルで仮想マシン サイジング ポリシー、仮想マシン配置ポリシー、vGPU ポリシーを作成および管理し、ポリシーを 1 つ以上の組織仮想データセンター (VDC) に個別に公開できます。また、ユーザーが vApp を vApp テンプレートとしてカタログに保存した場合、テンプレートには、元の vApp の vGPU ポリシー、配置ポリシー、サイジング ポリシーも、変更できないタグ付けされたポリシーとして含まれます。
組織 VDC にポリシーを公開すると、組織内のユーザーはそのポリシーを使用できるようになります。組織 VDC 内で仮想マシンを作成して管理する場合、テナントは使用可能なポリシーを仮想マシンに割り当てることができます。組織 VDC のテナントとユーザーは、ポリシーの特定の設定を確認できません。
仮想マシン配置ポリシー、仮想マシン サイジング ポリシー、および vGPU ポリシーを使用すると、クラウド プロバイダは、CPU を多用するプロファイルやメモリ使用量の多いプロファイルなど、差別化されたサービス レベルを定義して提供することができます。組織 VDC に複数の仮想マシン配置ポリシー、仮想マシン サイジング ポリシー、および vGPU ポリシーを公開した場合、テナント ユーザーは、組織 VDC で仮想マシンを作成および管理するときに、すべてのカスタム ポリシーおよびデフォルト ポリシーの中から選択できます。システムのデフォルト ポリシーは、すべての VDC に対して自動生成されます。ユーザーは VDC のシステムのデフォルト ポリシーを削除して、別のカスタム ポリシーをデフォルトとしてマークできます。すべての VDC には、デフォルトのコンピューティング ポリシーが必要です。VDC のデフォルト ポリシーとして、3 つのコンピューティング ポリシー タイプのいずれかを設定できます。自動生成されるシステム デフォルト ポリシーでは、値が定義されておらず、すべての仮想マシン構成が許可されます。
- 仮想マシン配置ポリシー
- 仮想マシン配置ポリシーは、ホストまたはホスト グループへの仮想マシンの配置を定義します。これは、 クラウド プロバイダ管理者がプロバイダ VDC 内のホストの名前付きグループを作成するためのメカニズムです。ホストの名前付きグループは、プロバイダ VDC クラスタ内のホストのサブセットで、パフォーマンス層やライセンスなどの基準に基づいて選択される可能性があります。仮想マシン配置ポリシーの範囲を複数のプロバイダ VDC に拡張できます。
- 仮想マシン サイジング ポリシー
-
仮想マシン サイジング ポリシーは、組織 VDC 内の仮想マシン (VM) のコンピューティング リソース割り当てを定義します。コンピューティング リソースの割り当てには、CPU とメモリの割り当て、予約、制限、およびシェアが含まれます。
仮想マシン サイジング ポリシーを使用することで、 VMware Cloud Director システム管理者は、コンピューティング リソースの使用に関する次の項目を仮想マシン レベルで制御できます。
- vCPU の数と vCPU のクロック速度
- 仮想マシンに割り当てるメモリの量
- メモリおよび CPU の予約、制限、およびシェア
- 追加の設定。
extraConfigs
API パラメータは、仮想マシンに追加の設定値として適用される、キーと値のペア間のマッピングを表します。追加設定を使用してポリシーを作成できるのは、vCloud API を使用する場合のみです。既存の追加設定は、Service Provider Admin Portal ユーザー インターフェイスで、詳細な仮想マシン サイジング ポリシー ビューの [追加設定] に表示されます。
仮想マシン サイジング ポリシーは、グローバル レベルで定義します。仮想マシン サイジング ポリシーの属性の詳細については、仮想マシン サイズ変更ポリシーの属性を参照してください。
VMware Cloud Director は、すべての VDC のデフォルトの仮想マシン サイジング ポリシーを生成します。デフォルトの仮想マシン サイジング ポリシーには名前と説明のみが含まれ、残りのすべてのポリシーの属性は空です。
組織 VDC のデフォルト ポリシーとして、別の仮想マシン サイジング ポリシーを定義することもできます。デフォルトの仮想マシン サイジング ポリシーは、テナントが組織 VDC 内に作成する仮想マシンのリソース割り当ておよびリソース使用量を制御します。ただし、テナントが別の特定の仮想マシン サイジング ポリシーを仮想マシンに割り当てた場合を除きます。
テナントが組織 VDC 内の個々の仮想マシンに割り当てることができるコンピューティング リソースの最大数を制限するには、クラウド プロバイダが最大仮想マシン サイジング ポリシーを定義します。最大仮想マシン サイジング ポリシーが組織 VDC に割り当てられている場合は、組織 VDC 内のすべての仮想マシンのコンピューティング リソースの設定の上限として機能します。テナント ユーザーは、仮想マシンの作成時に最大仮想マシン サイジング ポリシーを使用できません。仮想マシン サイジング ポリシーを最大ポリシーとして定義した場合、VMware Cloud Director はポリシーの内容を内部的にコピーし、コピーされた内容を最大仮想マシン サイジング ポリシーとして使用します。その結果、組織 VDC は最初に使用した仮想マシン サイジング ポリシーに依存しなくなります。
仮想マシン サイジング ポリシーを使用すると、クラウド プロバイダは組織 VDC 内のすべての仮想マシンのコンピューティング リソース使用量を制限できます。たとえば、 Small Size、 Medium Size、 Large Size などの事前定義済みの 3 つのサイズに制限できます。ワークフローは以下のようになります。- システム管理者は、次の属性を使用して 3 つの仮想マシン サイジング ポリシーを作成します。
名前 属性 Small Size - 説明:サイズが小さい仮想マシン ポリシー
- 名前:小サイズ
- メモリ:1024
- vCPU の数:1
Medium Size - 説明:サイズが中程度の仮想マシン ポリシー
- 名前:中サイズ
- メモリ:2048
- vCPU の数:2
Large Size - 説明:サイズが大きい仮想マシン ポリシー
- 名前:大サイズ
- メモリ:4096
- vCPU の数:4
- 新しい仮想マシン サイジング ポリシーを組織 VDC に公開します。
- 必要に応じて、仮想マシン サイジング ポリシーの 1 つを、組織 VDC のデフォルトの仮想マシン サイジング ポリシーとして定義します。
- vGPU ポリシー
- VMware Cloud Director 10.3.2 以降では、vGPU ポリシーを作成、管理、公開できます。テナント ユーザーは、仮想マシンを作成するときに、汎用の仮想マシンを作成するか、vGPU リソースを必要とする vGPU が有効な仮想マシンを作成するかを選択できます。
- ホストまたはホスト グループへの仮想マシンの配置を定義するために、配置ポリシーを作成する。プロバイダ VDC 内での仮想マシン配置ポリシーの作成を参照してください。
- テナント ワークロードに対する物理コンピューティング リソースの割り当てを制御するために、サイジング ポリシーを作成する。仮想マシン サイズ変更ポリシーの作成を参照してください。
- vGPU が有効な仮想マシンの配置とコンピューティング リソース割り当てを定義するために vGPU ポリシーを作成する。vGPU ポリシーの作成を参照してください。
- 1 つ以上の組織 VDC にポリシーを公開する。組織 VDC への仮想マシン配置ポリシーの追加、組織 VDC への仮想マシン サイズ変更ポリシーの追加、組織 VDC への vGPU ポリシーの追加を参照してください。
- 仮想マシン配置ポリシー、仮想マシン サイジング ポリシー、または vGPU ポリシーをデフォルトとして設定する。
- ポリシーを編集する。
- 組織 VDC からポリシーの公開を解除する。
- ポリシーを削除する。仮想マシン配置ポリシーの削除、仮想マシン サイズ変更ポリシーの削除、vGPU ポリシーの削除を参照してください。
ORG_VDC_MANAGE_COMPUTE_POLICIES 権限を持つユーザーは、仮想マシン サイジング ポリシー、仮想マシン配置ポリシー、vGPU ポリシーを作成、更新、公開できます。
操作 | 説明 |
---|---|
仮想マシンの作成中に、仮想マシンにポリシーを割り当てる。 | 組織 VDC に仮想マシンを作成する権限を持つテナント ユーザーは、オプションで VMware Cloud Director Tenant Portal を使用することにより、仮想マシン サイジング ポリシー、仮想マシン配置ポリシー、vGPU ポリシーを仮想マシンに割り当てることができます。その結果、仮想マシン サイジング ポリシーで定義されたパラメータによって、仮想マシンの CPU およびメモリ使用量が制御されます。また、vGPU ポリシーで定義されたサイジング パラメータにより、オプションで仮想マシンの CPU およびメモリ使用量を制御することもできます。仮想マシンの作成中に、テナントが仮想マシン配置またはサイジング ポリシーを割り当てる必要はありません。仮想マシンに割り当てる仮想マシン サイジング ポリシーがテナントで明示的に選択されていない場合は、デフォルトの仮想マシン サイジング ポリシーが仮想マシンに適用されます。 仮想マシン配置ポリシーを作成および公開しない場合、テナントには仮想マシン配置ポリシー オプションが表示されません。vGPU ポリシーを作成および公開しない場合、テナントが作成できるのは汎用の仮想マシンのみです。テナントが選択した仮想マシン配置ポリシーまたは vGPU ポリシーにサイジング情報が含まれている場合、仮想マシン サイジング ポリシー オプションはテナントに表示されません。サイジング情報を含む仮想マシン配置ポリシーを作成できるのは、vCloud API を使用する場合のみです。 仮想マシン サイジング ポリシーが 1 つのみの場合、仮想マシン サイジング ポリシー オプションはテナントに表示されません。 システム管理者が仮想マシン サイジング ポリシーまたは vGPU ポリシーで [vCPU 数]、[ソケットあたりのコア数]、[メモリ] の各属性を設定すると、テナントがポリシーを選択したとき、これらの値が表示されますが、編集はできません。 |
既存の仮想マシンにポリシーを割り当てる。 | 組織 VDC 内の仮想マシンを管理する権限を持つテナント ユーザーは、 VMware Cloud Director Tenant Portal を使用することにより、既存の仮想マシンの仮想マシン サイジング ポリシー、仮想マシン配置ポリシー、vGPU ポリシーを割り当てたり変更したりすることができます。テナントが仮想マシン配置ポリシーまたは vGPU ポリシーを変更すると、仮想マシンは、新しいポリシーで定義されている仮想マシンとホストの間のアフィニティ ルールに従って新しいホストに移動されます。テナントが仮想マシン サイジング ポリシー、またはサイジング情報の定義を含む vGPU ポリシーを変更すると、仮想マシンは、新しいポリシーで指定されているコンピューティング リソースを使用するようにシステムによって再構成されます。 |
仮想マシン配置ポリシーおよび仮想マシン サイジング ポリシーを操作するためのワークフローは、次のとおりです。
- 1 つ以上の仮想マシン配置ポリシーを作成します。プロバイダ VDC 内での仮想マシン配置ポリシーの作成を参照してください。
単一のプロバイダ VDC を範囲とする仮想マシン配置ポリシーを作成する場合、その仮想マシン配置ポリシーの名前は、ポリシーのプロバイダ VDC の範囲内で一意である必要があります。複数のプロバイダ VDC を範囲とする仮想マシン配置ポリシーを作成する場合、その仮想マシン配置ポリシーの名前は、VMware Cloud Director サイト内でグローバルに一意になります。
- 1 つ以上の仮想マシン サイジング ポリシーを作成します。仮想マシン サイズ変更ポリシーの作成を参照してください。
仮想マシン サイジング ポリシーの名前は、1 つの VMware Cloud Director サイト内で一意です。
- 1 つ以上の vGPU ポリシーを作成します。vGPU ポリシーの作成を参照してください。
vGPU ポリシーの名前は、1 つの VMware Cloud Director サイト内で一意です。
- 仮想マシン配置ポリシー、仮想マシン サイジング ポリシー、vGPU ポリシーを 1 つ以上の組織 VDC に公開します。組織 VDC への仮想マシン配置ポリシーの追加、組織 VDC への仮想マシン サイズ変更ポリシーの追加、組織 VDC への vGPU ポリシーの追加を参照してください。
ポリシーを公開すると、組織 VDC 内のテナント ユーザーが仮想マシンを作成するとき、および仮想マシンを編集するときに、それを使用できるようになります。
- 仮想マシンを作成または更新する際、テナントは VMware Cloud Director API または VMware Cloud Director Tenant Portal を使用して、仮想マシン サイジング ポリシー、仮想マシン配置ポリシー、vGPU ポリシーを仮想マシンに割り当てることができます。