vApp の仮想マシンは、vApp ネットワークおよび組織仮想データセンター ネットワークに接続できます。複数のネットワーク シナリオに対処するために、vApp へは異なるタイプのネットワークを追加できます。
vApp 内の仮想マシンは、vApp で使用できるネットワークに接続できます。仮想マシンを異なるネットワークに接続するには、そのネットワークを vApp にまず追加する必要があります。
vApp には、vApp ネットワークと組織 VDC ネットワークを含めることができます。vApp ネットワークは、隔離ネットワーク、直接ネットワーク、または経路指定ネットワークのいずれかです。隔離された vApp ネットワークは、vApp 内に含まれます。
vApp ネットワークを作成する際に、vApp ネットワークを組織 VDC ネットワークに経路指定して、vApp 外の仮想マシンに対して接続を提供できます。経路指定された vApp ネットワークの場合、ファイアウォールや固定ルーティングなどのネットワーク サービスを構成できます。
vApp に追加するネットワークは、vApp を作成した組織 VDC に関連付けられているネットワーク プールを使用します。
バージョン 10.3 以降、VMware Cloud Director では NSX と NSX Data Center for vSphere の両方によってバッキングされるデータセンターに対し vApp ネットワーク サービスがサポートされています。
vApp は、組織 VDC ネットワークに直接接続することができます。NSX Data Center for vSphere によってバッキングされる同じ組織 VDC ネットワークに接続されている同一仮想マシンを含む vApp が複数あり、これらの vApp を同時に開始させる場合は、vApp をフェンスできます。vApp をフェンスすると、MAC アドレスおよび IP アドレスを分離し、競合を起こさずに仮想マシンをパワーオンできるようになります。
vApp の [ネットワーク] タブを開いたときに vApp のフェンシングがサポートされていないという通知が表示された場合は、組織 VDC が NSX によってバッキングされているということです。NSX 組織 VDC ネットワークに接続されている vApp 内の同一の仮想マシン間の競合を回避するには、最善策として経路指定された vApp ネットワークを使用して、NAT ルールを設定します。
vApp を NSX によってバッキングされる VDC に NSX Data Center for vSphere によってバッキングされる組織で作成されたテンプレートからデプロイできます。その逆も可能です。
vApp のフェンシングが NSX によってバッキングされる vApp ネットワークに対しサポートされていないためです。デプロイした vApp を NSX Data Center for vSphere テンプレートから NSX 組織 VDC ネットワークに接続する際の競合を回避するには、vApp ネットワークを経路指定し、NAT ルールを設定する必要があります。
VMware Cloud Director 10.4.1 以降では、NSX の NSX Data Center for vSphere データセンターで作成されたテンプレートのうち、フェンスされた vApp ネットワークを含むものから vApp を作成する場合は、vApp ネットワーク タイプを経路指定ネットワークまたは隔離ネットワークに変更できます。