VMware OVF Tool を使用して、VMware Cloud Director アプライアンスを OVF テンプレートとしてデプロイできます。
VMware Cloud Director サーバ グループの最初のメンバーはプライマリ セルとしてデプロイする必要があります。VMware Cloud Director サーバ グループの後続のメンバーは、スタンバイ セルまたは VMware Cloud Director アプリケーション セルとしてデプロイできます。VMware Cloud Director アプライアンス環境とデータベースの高可用性構成を参照してください。
OVF Tool のインストールの詳細については、『VMware OVF Tool リリース ノート』を参照してください。
OVF Tool の使用方法の詳細については、『OVF Tool ユーザー ガイド』を参照してください。
Linux 上の VMware Cloud Director インストールおよび VMware Cloud Director アプライアンス環境を 1 つのサーバ グループ内で混在させることはできません。
追加または置き換えのアプライアンスをデータベース クラスタに追加する場合、vCPU および RAM はクラスタ内の既存のプライマリ セルとスタンバイ セルのものと一致させる必要があります。
新しくデプロイされたスタンバイの OVA のバージョンは、クラスタ内の既存のアプライアンスと同じである必要があります。実行中のアプライアンスのバージョンを確認するには、アプライアンス管理ユーザー インターフェイスのバージョン情報を表示します。アプライアンスは、VMware Cloud Director-v.v.v.v-nnnnnn_ OVF10.ova という形式の名前で配布されます。ここで vv.v.v は、製品バージョン、nnnnnn はビルド番号を表します。例:VMware Cloud Director-10.2.0.0-9229800_OVA10.ova
vSphere に OVF テンプレートをデプロイする方法の詳細については、「vSphere 仮想マシン管理」を参照してください。
または、vSphere Client を使用してアプライアンスをデプロイすることもできます。vSphere Client を使用した VMware Cloud Director アプライアンスのデプロイを参照してください。
デプロイ コマンドを実行する前に、VMware Cloud Director アプライアンスのデプロイの前提条件 を参照してください。
VMware Cloud Director 10.2 以降で VMware Cloud Director アプライアンスをデプロイするには、--X:enableHiddenProperties パラメータを含める必要があります。
プライマリ アプライアンスのデプロイ中に必要に応じて OVF 構成オプションを指定するか、またはデプロイ後にアプライアンス管理ユーザー インターフェイスを実行して構成を完了するかを選択できます。
VMware Cloud Director アプライアンスをデプロイするための ovftool コマンドのオプションとプロパティ
オプション | 値 | 説明 |
---|---|---|
--noSSLVerify | 該当なし | vSphere 接続の SSL 検証をスキップします。 |
--acceptAllEulas | 該当なし | すべてのエンド ユーザー使用許諾契約書 (EULA) を承諾します。 |
--X:enableHiddenProperties | 該当なし | アプライアンスを構成するためのプロパティをすべて表示します。 |
--datastore | target_vc_datastore |
仮想マシンの構成ファイルおよび仮想ディスクを格納するターゲット データストアの名前。 |
--allowAllExtraConfig | 該当なし | すべての追加設定オプションを VMX 形式に変換します。 |
--net:"eth0 Network" | portgroup_on_vc_for_eth0 |
アプライアンス eth0 ネットワークのターゲット ネットワーク。
重要:
eth1 ターゲット ネットワークと異なるネットワークを指定する必要があります。
|
--net:"eth1 Network" | portgroup_on_vc_for_eth1 |
アプライアンス eth1 ネットワークのターゲット ネットワーク。
重要:
eth0 ターゲット ネットワークと異なるネットワークを指定する必要があります。
|
--name | vm_name_on_vc |
アプライアンスの仮想マシン名。 |
--diskMode | thin または thick |
仮想マシンの構成ファイルおよび仮想ディスクのディスク フォーマット。 |
--prop:"vami.ip0.VMware_vCloud_Director" | eth0_ip_address |
eth0 の IP アドレス。ユーザー インターフェイスおよび API へのアクセスに使用されます。このアドレスでは、DNS 逆引きによってアプライアンスのホスト名が決定および設定されます。 |
--prop:"vami.ip1.VMware_vCloud_Director" | eth1_ip_address |
eth1 の IP アドレス。組み込みの PostreSQL データベース サービスを含む内部サービスにアクセスする場合に使用されます。 |
--prop:"vami.DNS.VMware_vCloud_Director" | dns_ip_address |
アプライアンスのドメイン ネーム サーバの IP アドレス。 |
--prop:"vami.domain.VMware_vCloud_Director" | domain_name |
DNS 検索ドメイン。検索パスの最初の要素として表示されます。 |
--prop:"vami.gateway.VMware_vCloud_Director" | gateway_ip_address |
アプライアンスのデフォルト ゲートウェイの IP アドレス。 |
--prop:"vami.netmask0.VMware_vCloud_Director" | netmask |
eth0 インターフェイスのネットマスクまたはプリフィックス。 |
--prop:"vami.netmask1.VMware_vCloud_Director" | netmask |
eth1 インターフェイスのネットマスクまたはプリフィックス。 |
--prop:"vami.searchpath.VMware_vCloud_Director" | a_list_of_domain_names |
アプライアンスのドメイン検索パス。 ドメイン名のカンマ区切りリストまたはスペース区切りリスト。 |
--prop:"vcloudconf.ceip_enabled.VMware_vCloud_Director | true または false |
VMware カスタマー エクスペリエンス向上プログラムへの参加を有効または無効にします。デフォルトは true です。 デプロイ後にアプライアンス管理ユーザー インターフェイスを実行してプライマリ アプライアンスの構成を完了する場合は、オプションです。 |
--prop:"vcloudapp.enable_ssh.VMware_vCloud_Director" | true または false |
アプライアンスの root への SSH アクセスを有効または無効にします。 |
--prop:"vcloudapp.expire_root_password.VMware_vCloud_Director" | true または false |
最初のログイン後も初期パスワードを使用し続けるかどうかを決定します。 |
--prop:"vcloudapp.nfs_mount.VMware_vCloud_Director" | nfs_ip_address:nfs_mount_path |
外部 NFS サーバの IP アドレスとエクスポート パス。 プライマリ セルにのみ使用されます。 |
--prop:"vcloudapp.ntp-server.VMware_vCloud_Director" | ntp_server_ip_address |
タイム サーバの IP アドレス。 |
--prop:"vcloudapp.varoot-password.VMware_vCloud_Director" | ova_root_password |
アプライアンスの初期 root パスワード。8 文字以上(大文字、小文字、数字、特殊文字をそれぞれ 1 文字以上)を含める必要があります。
重要: 初期 root パスワードがプライベート キーのパスワードになります。クラスタ環境では、初期導入時にすべてのセルに同じ root パスワードを設定する必要があります。起動プロセスが完了したら、目的の任意のセルの root パスワードを変更できます。
|
--prop:"vcloudconf.db_pwd.VMware_vCloud_Director" | db_password |
vcloud ユーザーのデータベース パスワード。 プライマリ セルにのみ使用されます。 デプロイ後にアプライアンス管理ユーザー インターフェイスを実行してプライマリ アプライアンスの構成を完了する場合は、オプションです。 |
--prop:"vcloudconf.admin_email.VMware_vCloud_Director" | vcd_admin_email_address |
システム管理者アカウントのメール アドレス。 プライマリ セルにのみ使用されます。 デプロイ後にアプライアンス管理ユーザー インターフェイスを実行してプライマリ アプライアンスの構成を完了する場合は、オプションです。 |
--prop:"vcloudconf.admin_fname.VMware_vCloud_Director" | Admin_vcd_name |
システム管理者アカウントの名前。 プライマリ セルにのみ使用されます。 デプロイ後にアプライアンス管理ユーザー インターフェイスを実行してプライマリ アプライアンスの構成を完了する場合は、オプションです。 |
--prop:"vcloudconf.admin_pwd.VMware_vCloud_Director" | vcd_admin_password |
システム管理者アカウントのパスワード。 プライマリ セルにのみ使用されます。 デプロイ後にアプライアンス管理ユーザー インターフェイスを実行してプライマリ アプライアンスの構成を完了する場合は、オプションです。 |
--prop:"vcloudconf.admin_uname.VMware_vCloud_Director" | vcd_admin_username |
システム管理者アカウントのユーザー名。 プライマリ セルにのみ使用されます。 デプロイ後にアプライアンス管理ユーザー インターフェイスを実行してプライマリ アプライアンスの構成を完了する場合は、オプションです。 |
--prop:"vcloudconf.inst_id.VMware_vCloud_Director" | vcd_install_ID |
VMware Cloud Director インストール ID。 プライマリ セルにのみ使用されます。 デプロイ後にアプライアンス管理ユーザー インターフェイスを実行してプライマリ アプライアンスの構成を完了する場合は、オプションです。 |
--prop:"vcloudconf.sys_name.VMware_vCloud_Director" | ova_system_name |
この VMware Cloud Director インストールに作成する vCenter Server フォルダの名前。 デプロイ後にアプライアンス管理ユーザー インターフェイスを実行してプライマリ アプライアンスの構成を完了する場合は、オプションです。 |
--prop:"vcloudnet.routes0.VMware_vCloud_Director" | ip_address1 cidr, ip_address2, ... |
オプション。eth0 インターフェイスのスタティック ルート。カンマ区切リストの形式でルートを指定する必要があります。ルート指定には、ゲートウェイ IP アドレスと、オプションで Classless Inter-Domain Routing (CIDR) ネットワーク指定(プリフィックス/ビット)を含める必要があります。たとえば、172.16.100.253 172.16.100/19, 172.16.200.253 のようになります。 |
--prop:"vcloudnet.routes1.VMware_vCloud_Director" | ip_address1 cidr, ip_address2, ... |
オプション。eth1 インターフェイスのスタティック ルート。カンマ区切リストの形式でルートを指定する必要があります。ルート指定には、ゲートウェイ IP アドレスと、オプションで Classless Inter-Domain Routing (CIDR) ネットワーク指定(プリフィックス/ビット)を含める必要があります。たとえば、172.16.100.253 172.16.100/19, 172.16.200.253 のようになります。 |
--deploymentOption | primary-small 、primary-medium 、primary-large 、primary-extralarge 、standby-small 、standby-medium 、standby-large 、standby-extralarge 、または cell |
デプロイするアプライアンスのタイプとサイズ。 ラボ システムまたはテスト システムに適している VMware Cloud Director アプライアンスのサイズは、プライマリ(大)およびスタンバイ(小)です。プライマリ(大)およびスタンバイ(大)のサイズは、本番環境システムの最小のサイズ要件を満たします。ワークロードによっては、リソースの追加が必要になる場合があります。
重要:
VMware Cloud Director サーバ グループ内のプライマリ セルおよびスタンバイ セルは、同じサイズである必要があります。データベース HA クラスタは、1 つのプライマリ(小)セルと 2 つのスタンバイ(小)セル、1 つのプライマリ(中)セルと 2 つのスタンバイ(中)セルで構成できます。
デプロイ後に、アプライアンスのサイズを再構成できます。 |
--powerOn | path_to_ova |
デプロイ後、仮想マシンをパワーオンします。 |
本番環境用プライマリ VMware Cloud Director アプライアンスをデプロイするコマンドの例
vcloudapp.varoot-passwordVMware_vCloud_Director
、
vcloudconf.db_pwdVMware_vCloud_Director
、および
vcloudconf.admin_pwd.VMware_vCloud_Director
パスワード を独自の安全なパスワードと置き換えます。
ovftool\ --noSSLVerify \ --acceptAllEulas \ --X:enableHiddenProperties \ --datastore='datastore6' \ --allowAllExtraConfig \ --net:"eth0 Network"="My_UI_API_Network" \ --net:"eth1 Network"="My_Internal_DB_Services_Network" \ --name=MyAppliance \ --diskMode=thick \ --prop:"vami.ip0.VMware_vCloud_Director"="10.0.0.142" \ --prop:"vami.ip1.VMware_vCloud_Director"="172.18.41.24" \ --prop:"vami.DNS.VMware_vCloud_Director"="10.0.0.2" \ --prop:"vami.domain.VMware_vCloud_Director"="mycompany.com" \ --prop:"vami.gateway.VMware_vCloud_Director"="10.0.0.1" \ --prop:"vami.netmask0.VMware_vCloud_Director"="255.255.0.0" \ --prop:"vami.netmask1.VMware_vCloud_Director"="255.255.224.0" \ --prop:"vami.searchpath.VMware_vCloud_Director"="eng.mycompany.com" \ --prop:"vcloudapp.enable_ssh.VMware_vCloud_Director"="False" \ --prop:"vcloudapp.expire_root_password.VMware_vCloud_Director"="True" \ --prop:"vcloudapp.nfs_mount.VMware_vCloud_Director"="10.0.0.96:/data/transfer" \ --prop:"vcloudapp.ntp-server.VMware_vCloud_Director"="time.mycompany.com" \ --prop:"vcloudapp.varoot-password.VMware_vCloud_Director"="place-secure-password-here" \ --prop:"vcloudconf.db_pwd.VMware_vCloud_Director"="place-secure-password-here" \ --prop:"vcloudconf.admin_email.VMware_vCloud_Director"="[email protected]" \ --prop:"vcloudconf.admin_fname.VMware_vCloud_Director"="vcdadmin" \ --prop:"vcloudconf.admin_pwd.VMware_vCloud_Director"="place-secure-password-here" \ --prop:"vcloudconf.admin_uname.VMware_vCloud_Director"="administrator" \ --prop:"vcloudconf.inst_id.VMware_vCloud_Director"="59" \ --prop:"vcloudconf.sys_name.VMware_vCloud_Director"="MyAppliance" \ --deploymentOption="primary-large" \ --powerOn "/MyPath/VMware_vCloud_Director-version_number_OVF10.ova" \ vi://vc_user_name:vc_password@vc_hostname_or_ip_address/vc_dataceter_name/host/vc_cluster_name
本番環境用スタンバイ VMware Cloud Director アプライアンスをデプロイするコマンドの例
vcloudapp.varoot-password.VMware_vCloud_Director
パスワードを独自の安全なパスワードと置き換えます。
ovftool \ --noSSLVerify \ --acceptAllEulas \ --X:enableHiddenProperties \ --datastore='datastore6' \ --allowAllExtraConfig \ --net:"eth0 Network"="My_UI_API_Network" \ --net:"eth1 Network"="My_Internal_DB_Services_Network" \ --name=MySecondAppliance \ --diskMode=thick \ --prop:"vami.ip0.VMware_vCloud_Director"="10.0.0.143" \ --prop:"vami.ip1.VMware_vCloud_Director"="172.18.41.25" \ --prop:"vami.DNS.VMware_vCloud_Director"="10.0.0.2" \ --prop:"vami.domain.VMware_vCloud_Director"="mycompany.com" \ --prop:"vami.gateway.VMware_vCloud_Director"="10.0.0.1" \ --prop:"vami.netmask0.VMware_vCloud_Director"="255.255.0.0" \ --prop:"vami.netmask1.VMware_vCloud_Director"="255.255.224.0" \ --prop:"vami.searchpath.VMware_vCloud_Director"="eng.mycompany.com" \ --prop:"vcloudapp.enable_ssh.VMware_vCloud_Director"="False" \ --prop:"vcloudapp.expire_root_password.VMware_vCloud_Director"="True" \ --prop:"vcloudapp.nfs_mount.VMware_vCloud_Director"="10.0.0.96:/data/transfer" \ --prop:"vcloudapp.ntp-server.VMware_vCloud_Director"="time.mycompany.com" \ --prop:"vcloudapp.varoot-password.VMware_vCloud_Director"="place-secure-password-here" \ --prop:"vcloudconf.sys_name.VMware_vCloud_Director"="MySecondAppliance" \ --deploymentOption="standby-large" \ --powerOn "/MyPath/VMware_vCloud_Director-version_number_OVF10.ova" \ vi://vc_user_name:vc_password@vc_hostname_or_ip_address/vc_dataceter_name/host/vc_cluster_name
VMware Cloud Director アプライアンスのデプロイ後の作業
アプライアンスをデプロイしたら、firstboot ログ ファイルで警告エラー メッセージを確認します。VMware Cloud Director アプライアンスのログ ファイルの調査を参照してください。
アプライアンス管理ユーザー インターフェイスを使用して、プライマリ アプライアンスを構成します。VMware Cloud Director プライマリ アプライアンスの構成を参照してください。
アプライアンス管理ユーザー インターフェイスを使用して、スタンバイ セルとアプリケーション セルを構成します。VMware Cloud Director スタンバイおよびアプリケーション セルの構成を参照してください。