VMware Cloud Director では、割り当てプール割り当てモデルを使用すると、プロバイダ仮想データセンター (VDC) から割り当てるリソースの割合が組織 VDC にコミットされます。
CPU と メモリの両方に割合を指定できます。この割合は、割合の保証率と呼ばれており、これによってリソースのオーバーコミットが可能となります。
システム管理者は、割り当てプール組織 VDC の柔軟性の有効/無効を設定できます。[弾性] は、すべての割り当てプール組織 VDC に影響するグローバル設定です。『VMware Cloud Director 全般システム設定の変更』を参照してください。
デフォルトでは、割り当てプール組織 VDC で柔軟性のある割り当てプールが有効になります。複数のリソース プールにまたがっている仮想マシンに割り当てプール組織の VDC がある、VMware Cloud Director 5.1 からアップグレードされたシステムでは、柔軟性のある割り当てプールがデフォルトで有効になります。
割り当てプール VDC で柔軟性のある割り当てプール機能が有効になっていると、組織 VDC は、そのプロバイダ VDC に関連付けられているすべてのリソース プールにわたり、それらを使用します。結果として、vCPU の周波数は割り当てプールの必須パラメータとなります。
CPU がボトルネック要素とならずに組織 VDC 上に十分な台数の仮想マシンをデプロイできる方法で、vCPU の周波数と割合の保証率を設定してください。
仮想マシンを作成すると、配置エンジンが、仮想マシンの要件に最適なプロバイダ VDC のリソース プール上に仮想マシンを配置します。プロバイダ VDC のリソース プールの下にこの組織 VDC のサブリソース プールが作成され、そのサブリソース プールの下に仮想マシンが配置されます。
仮想マシンをパワーオンすると、配置エンジンがプロバイダ VDC のリソース プールをチェックし、仮想マシンをパワーオンできることを確認します。十分な容量がない場合、配置エンジンはその仮想マシンを、仮想マシンの実行に十分なリソースを持つプロバイダ VDC のリソース プールに移動します。組織 VDC のサブリソース プールがない場合には、作成されます。
新規仮想マシンの実行に十分なリソースを持つよう、サブリソース プールが構成されます。サブリソース プールのメモリ予約は、仮想マシンに設定されたメモリ サイズに組織仮想データセンターの割合の保証率を掛けた値だけ上昇します。サブリソースの CPU 予約は、仮想マシンに構成されている vCPU の数に組織 VDC レベルで指定されている vCPU を掛け、さらに組織 VDC レベルで設定されている CPU の割合の保証率を掛けた値だけ上昇します。柔軟性のある割り当てプール機能が有効になっている場合、サブリソース プールのメモリ制限は仮想マシンに設定されたメモリ サイズの分だけ上昇し、サブリソース プールの CPU 制限は仮想マシンに設定されている vCPU の数に組織 VDC レベルで指定された vCPU の周波数を掛けた値だけ上昇します。仮想マシンは、メモリおよび CPU 予約がゼロになるよう再構成され、仮想マシンの配置エンジンによって、仮想マシンがプロバイダ VDC のリソース プール上に配置されます。
柔軟性のある割り当てプールの割り当てモデルでは、制限を監視および管理するのは VMware Cloud Director のみです。柔軟性機能が無効な場合は、リソース プールの制限が追加で設定されます。
割り当てプール モデルのメリットは、仮想マシンが同じサブリソース プール上にあるアイドル状態の仮想マシンのリソースを活用できるという点にあります。このモデルでは、プロバイダ VDC に追加された新しいリソースを活用できます。
まれに、作成時に割り当てられていたリソース プールからパワーオン時に別のリソース プールに仮想マシンが切り替わることがあります。これは、元のリソース プールのリソース不足によるものです。この切り替えにより、仮想マシンのディスク ファイルを新しいリソース プールに移すために、若干のコストがかかる可能性があります。
柔軟性のある割り当てプール機能が無効になっている場合、割り当てプール組織 VDC の動作は、VMware Cloud Director 1.5 の割り当てプール モデルと同様の動作になります。このモデルでは、vCPU の周波数は構成可能にはなりません。オーバーコミットは、確保されるリソースの割合を設定することによって制御されます。
デフォルトでは、割り当てプール VDC 内の仮想マシンは VDC の設定から予約、制限、および共有の設定を取得します。仮想マシンを作成するか、CPU とメモリの両方のカスタム リソース割り当て設定を使用して仮想マシンを再構成するには、vCloud API を使用します。『VMware Cloud Director API プログラミング ガイド』を参照してください。