VMware Cloud Director には複数のログ レベルがあります。デフォルトのログ構成は、ビジー環境やトラブルシューティングでのイベントのキャプチャには、十分でない場合があります。ログのレベル、および保持されるファイルのサイズや数の変更が必要になる場合があります。

重要: VMware グローバル サポート チームのガイダンスなしにログ構成を変更する際は、 VMware Cloud Director サーバ グループへの影響を認識していることを確認します。ログ レベルを詳細に変更すると、ログの集積が非常に速くなるため、 VMware Cloud Director 環境でディスク容量が不足する可能性があります。

VMware Cloud Director ログは、/opt/vmware/vcloud-director/logs/ ディレクトリにあります。

VMware Cloud Director ログ構成ファイルは、/opt/vmware/vcloud-director/etc/ ディレクトリにあります。ログ構成ファイルの名前は log4j.properties です。

log4j.properties ログ構成ファイルをカスタマイズする場合は、VMware Cloud Director のアップグレード前に log4j.properties のコピーを作成し、アップグレード後に失われているセクションを手動で挿入する必要があります。

ログの保持期間を向上させ、VMware Cloud Director ログを一定の時間保持するには、Syslog サーバの使用を検討してください。

表 1. ログ レベル
ログ収集レベル 説明
FATAL FATAL は最も詳細度が低いレベルです。このレベルでは、アプリケーションの障害の原因となる可能性のある非常に深刻なエラー イベントがログに記録されます。
ERROR このレベルでは、アプリケーションが実行を継続できる可能性があるエラー イベントがログに記録されます。
WARN このレベルでは、有害と考えられる状況や警告をログに記録します。
INFO このレベルでは、アプリケーションの進行状況を強調する情報メッセージを大まかなレベルでログに記録します。
DEBUG このレベルでは、アプリケーションのデバッグに最も有効な情報イベントを詳細なレベルでログに記録します。
TRACE TRACE は最も詳細なレベルです。このレベルでは、DEBUG レベルのログよりも詳細なレベルで情報イベントをログに記録します。

前提条件

/opt/vmware/vcloud-director/etc/log4j.properties ファイルのバックアップ コピーを作成します。

考慮事項

手順

  1. VMware Cloud Director コンソールに、root として直接ログインするか、SSH クライアントを使用して接続します。
  2. テキスト エディタで /opt/vmware/vcloud-director/etc/log4j.properties ファイルを開きます。
  3. Default vCloud loggers セクションを見つけて、ロガーのログ レベルを変更します。
    次の例は、最も詳細なレベルに設定されたログ レベルを示しています。
    log4j.logger.com.vmware.vcloud=TRACE 
    log4j.logger.com.vmware.ssdc=TRACE
  4. 更新するログ ファイルの定義を見つけます。
    log4j.appender.Feature.File=logs/File_Name
    たとえば、 # Component appender for container debug セクションのログ レベルを変更する場合を考えます。セクションの最後の行は、ファイルがキャプチャするログのレベルを構成します。
  5. ログ レベルを目的の値に設定します。
    重要: VMware グローバル サポート チームのガイダンスなしにログ構成を変更する際は、 VMware Cloud Director サーバ グループへの影響を認識していることを確認します。
    次の例では、最も詳細なレベルに一致するように行を変更します。
    log4j.appender.vcloud.system.debug.threshold=TRACE
  6. 記録を詳細なレベルに変更する場合は、ログ バックアップの数とログ ファイルのサイズの増加が必要になる場合があります。
    1. MaxFileSize および MaxBackupIndex 行を見つけます。
      log4j.appender.vcloud.system.debug.MaxFileSize=
      log4j.appender.vcloud.system.debug.MaxBackupIndex=
    2. デフォルトの設定を変更します。
      たとえば、ロールオーバーする前にログ ファイルを 50 MB に拡張し、最後の 18 個のログを保持する場合は、次のように行を変更します。
      log4j.appender.vcloud.system.debug.MaxFileSize=50000KB
      log4j.appender.vcloud.system.debug.MaxBackupIndex=18
      ファイルが選択した 50 MB のサイズに達すると、 VMware Cloud Director は新しいファイルでデータのログを継続し、最大 18 個のバックアップを保持します。
    重要: ログ レベルを詳細に変更すると、ログの集積が非常に速くなるため、 VMware Cloud Director 環境でディスク容量が不足する可能性があります。
  7. /opt/vmware/vcloud-director/etc/log4j.properties ファイルを保存します。
    VMware Cloud Director は変更をすぐに適用します。 Log4J.properties ファイルには、 VMware Cloud Director が保持するログのサイズと量を変更するための明示的な行がありません。

VMware Cloud Director での API 要求ログの制御

VMware Cloud Director では、受信する要求に関する情報をキャプチャして格納するプロセスを制御できます。

VMware Cloud Director は、VMware Cloud Director セルに対して受信する要求を要求ログに記録します。ログの名前の形式は、YYYY_MM_DD.request.log です。VMware Cloud Directorrequest.log ファイルは /opt/vmware/vcloud-director/logs/ ディレクトリにありますが、log4j.properties ファイルを使用してログを構成することはできません。

コマンド ライン ツールの manage-config サブコマンドを使用して、API 要求ログを制御できます。manage-config サブコマンドは、サーバ グループ全体の設定を変更します。manage-config サブコマンドのオプションと引数の詳細については、「VMware Cloud Director でのアプリケーションの設定の更新」を参照してください。

ログのローテーションは 1 日に 1 回まで実行できます。個々のログ ファイルのサイズや、すべてのログ ファイルの合計サイズにはリンクされません。ローテーション ポリシーを制御するには、VMware Cloud Director がログを保持する日数を変更します。

手順

  1. VMware Cloud Director セルの OS に root として直接ログインするか、SSH クライアントを使用して接続します。
  2. 要求ログの保持ポリシーを変更する場合は、セル管理ツールの manage-config サブコマンドを使用します。
    保持ポリシーの値は、 VMware Cloud Director が米国立スーパーコンピュータ応用研究所 (NCSA) 準拠の要求ログを保持する日数を表します。デフォルト値は 0 です。 0 は永続的を意味します。この値を削除しても、ログは永続的に保持されます。ログを保持できる最短の期間は 1 日です。
    /opt/vmware/vcloud-director/bin/cell-management-tool manage-config --name "vcloud.http.log.retainDays" --value New_Value
  3. 変更を有効にするには、セルを再起動する必要があります。
    セルを再起動すると、更新された値の使用が開始されます。セルの一部またはすべてのセルを一度に再起動できます。