スナップショットには、スナップショット作成時の仮想マシン (VM) の状態とデータが保存されます。仮想マシンのスナップショットを作成しても、その仮想マシンに影響はありません。特定の状態のその仮想マシンのイメージが、コピーされ、保存されるだけです。スナップショットは、複数の仮想マシンを作成せずに、仮想マシンを何度も同じ状態に戻す必要があるときに便利な機能です。

スナップショットは、未知の障害または有害な効果が発生する可能性のあるソフトウェアをテストするための、短期的なソリューションとして便利です。たとえば、線形処理、アップデート パッケージをインストールするような反復処理、または異なるバージョンのプログラムをインストールするような分岐処理において、スナップショットをリストア ポイントとして使用できます。

仮想マシンのオペレーティング システムをアップグレードする際はスナップショットの使用が推奨されます。たとえば、仮想マシンをアップグレードする前に、スナップショットを作成してアップグレード前の時点での状態を保持します。アップグレード中に問題が発生しなかった場合は、スナップショットを削除して、アップグレード中に行った変更をコミットできます。一方で問題が発生した場合は、スナップショットに戻すことにより、保存したアップグレード前の状態に仮想マシンを戻すことができます。

VMware Cloud Director 10.6 以降では、仮想マシンの複数のスナップショットを作成できます。仮想マシンあたりのスナップショットの最大数は 32 です。この数はさらに制限できます。

VMware Cloud Director Tenant Portal を使用した仮想マシンあたりのスナップショットの最大数の変更

[制限] モーダルで、仮想マシンあたりのスナップショットの最大数を指定できます。

手順

  1. プライマリの左側ナビゲーション パネルで [管理] を選択します。
  2. セカンダリの左側ナビゲーション パネルの [設定] で、[ポリシー] を選択します。
    システム管理者が設定したデフォルトのポリシーを表示できます。
  3. [制限] セクションを編集するために、[編集] をクリックします。
  4. この組織の仮想マシンあたりのスナップショット数の上限を入力します。
    この数は最大 32 です。
  5. [保存] をクリックします。

VMware Cloud Director Tenant Portal での仮想マシンのスナップショットの作成

注: スナップショットでは NIC 構成はキャプチャされません。
[スナップショット] 画面のオプションを使用して、仮想マシンのスナップショットを管理できます。
注: また、仮想マシンの [アクション] メニューからスナップショットを作成する操作を行って、既存のスナップショットに加えてスナップショットを作成することもできます。

前提条件

仮想マシンが名前付きディスクに接続されていないことを確認します。

手順

  1. [仮想データセンター] ダッシュボード画面で、確認する VDC のカードをクリックし、セカンダリの左側パネルから [仮想マシン] を選択します。
  2. カード アイコン をクリックしてカード ビュー内のリストを表示し、必要に応じて [検索先] ドロップダウン メニューから仮想マシンのリストを調整します。
  3. スナップショットを作成する仮想マシンを選択し、左側の画面のナビゲーション パネルから [スナップショット] を選択します。
  4. [スナップショットの作成] をクリックし、スナップショットの名前を入力します。
  5. (オプション) 仮想マシンのメモリのスナップショットを作成するかどうかを選択します。

    仮想マシンのメモリの状態を取得する場合、スナップショットは仮想マシンのライブ状態を維持します。メモリ スナップショットでは、稼動中のソフトウェアをアップグレードするときなど、ある特定の時点でのスナップショットが作成されます。メモリ スナップショットを作成しておけば、アップグレードが予想どおりに完了しなかったとき、またはソフトウェアが期待に添うものでなかったときに、仮想マシンを元の状態に戻すことができます。

    メモリ状態の取得時に仮想マシンのファイルを静止させる必要はありません。メモリの状態を取得しない場合、スナップショットは仮想マシンのライブ状態を保存せず、ディスクは、静止しないかぎりクラッシュ時の整合性を保ちます。

  6. (オプション) ゲスト ファイル システムを静止するかどうかを選択します。
    この操作を行うには、仮想マシンに VMware Tools がインストールされている必要があります。仮想マシンを静止する場合、VMware Tools によって仮想システム内のファイル システムが静止されます。静止操作により、スナップショット ディスクはゲスト ファイル システムの一貫した状態を表します。静止スナップショットは、自動バックアップや定期バックアップに適しています。たとえば、仮想マシンのアクティビティを把握していなくとも、最新の復元用バックアップが欲しいという場合に、ファイルを静止することができます。

    大容量ディスクがある仮想マシンを静止させることはできません。

  7. [作成] をクリックします。

次のタスク

スナップショットの名前を変更するには、 [編集] をクリックします。

VMware Cloud Director Tenant Portalでのスナップショットへの仮想マシンの復帰

注: 仮想マシンの [アクション] メニューからスナップショットに戻す操作を行って、仮想マシンを現在のスナップショットに戻すこともできます。

前提条件

仮想マシンにスナップショットがあることを確認します。

手順

  1. [仮想データセンター] ダッシュボード画面で、確認する VDC のカードをクリックし、セカンダリの左側パネルから [仮想マシン] を選択します。
  2. カード アイコン をクリックしてカード ビュー内のリストを表示し、必要に応じて [検索先] ドロップダウン メニューから仮想マシンのリストを調整します。
  3. スナップショットに戻す仮想マシンを選択し、左側の画面のナビゲーション パネルから [スナップショット] を選択します
  4. 元に戻すスナップショットを選択し、[元に戻す] をクリックします。
  5. 元に戻す操作を確定します。

VMware Cloud Director Tenant Portalでの仮想マシンのスナップショットの削除

スナップショットを削除すると、保存しておいた仮想マシンの状態が削除されるため、二度とその状態には戻れなくなります。スナップショットを削除しても、仮想マシンの現在の状態に影響はありません。

前提条件

仮想マシンにスナップショットが保存されていることを確認します。

手順

  1. [仮想データセンター] ダッシュボード画面で、確認する VDC のカードをクリックし、セカンダリの左側パネルから [仮想マシン] を選択します。
  2. カード アイコン をクリックしてカード ビュー内のリストを表示し、必要に応じて [検索先] ドロップダウン メニューから仮想マシンのリストを調整します。
  3. スナップショットを削除する仮想マシンを選択し、左側の画面にあるナビゲーション パネルから [スナップショット] を選択します。
  4. 削除するスナップショットを選択して、[削除] をクリックします。
  5. スナップショットの削除を確認します。