vApp テンプレートおよび対応するカタログ項目を作成せず、OVF パッケージから vApp を直接作成およびデプロイできます。

VMware Cloud Director には、vCenter の制限とは異なる OVF デプロイに対する独自の制限があります。このため、vCenter で成功した OVF デプロイが VMware Cloud Director では失敗する可能性があります。

VMware Cloud Director は OVF 1.1 をサポートしていますが、OVF 1.1 スキーマのすべてのセクションをサポートしているわけではありません。たとえば、OVF の DeploymentOptions セクションはサポートされていません。

VMware Cloud Director の OVF デプロイには、TransferService、NFS マウントのスプール領域、vCenter への NFC 接続、チェックサム検証などの多くのコンポーネントが含まれます。これらのコンポーネントのいずれかに障害が発生すると、OVF のアップロードに失敗します。

マニフェスト ファイルを含む OVF パッケージをアップロードすると、VMware Cloud Director は OVF 記述子ファイルとすべての VMDK ファイルの SHA-1 ハッシュを manifest.mf ファイルの値に対して検証します。ハッシュが一致しない場合、アップロードは失敗します。システム管理者は、CONFIG プロパティを ovf.manifest.check.disabled に設定することで、このチェックを無効にできます。

VMware Cloud Director 10.4.2 以降では、Trusted Platform Module (TPM) RASD セクションを含む OVF をアップロードすると、定義済みの TPM がある各仮想マシンに新しい TPM デバイスが接続されます。TPM デバイスを備えた仮想マシンの詳細については、VMware Cloud Director Tenant Portalでの仮想マシンの操作を参照してください。

前提条件

  • アップロードする OVF パッケージがあり、OVF パッケージをアップロードし、vApp をデプロイする権限があることを確認します。
  • OVF 記述子ファイルの OVF バージョンが 0.9 ではないことを確認します。
  • VMware Cloud Director でサポートされている OVF 記述子ファイルのデフォルトの最大サイズは 12 MB です。これをオーバーライドするには、CONFIG プロパティ ovf.descriptor.size.max を編集します。
  • マニフェスト ファイル(.mf 拡張子)のデフォルトの最大許容サイズが 1 MB であることを確認します。
  • OVF パッケージが OVF XSD スキーマに準拠していることを確認します。
  • ハードウェア バージョンが OVF 記述子ファイルの VirtualSystemType 要素で指定されている場合は、そのバージョンが OVF をアップロードする仮想データセンターでサポートされている最新のハードウェア バージョンよりも低いことを確認します。
  • OVF 記述子ファイルに ExtraConfig 要素が含まれている場合は、システム管理者がこれらの要素を extraConfigs 要素の AllowedList に含めていることを確認します。AllowedList に含まれていない要素があると、OVF のアップロードが検証エラーで失敗します。

手順

  1. [仮想データセンター] ダッシュボード画面で、確認する VDC のカードをクリックし、セカンダリの左側パネルから [vApp] を選択します。
  2. [新規] をクリックし、[OVF から vApp を追加] を選択します。
  3. [アップロード] ボタンをクリックしてコンピュータからアクセス可能な場所を参照し、OVF/OVA テンプレート ファイルを選択します。
    アクセス可能な場所にはローカルのハード ドライブ、ネットワーク共有、または CD/DVD ドライブなどがあります。サポートされているファイル拡張子は、 .ova.ovf.vmdk.mf.cert.strings です。アップロードするファイルよりも多くのファイル(たとえば VMDK ファイル)を参照する OVF ファイルをアップロードするように選択した場合は、すべてのファイルを参照して選択する必要があります。
  4. [次へ] をクリックします。
  5. デプロイする OVF/OVA テンプレートの詳細を確認し、[次へ] をクリックします。
  6. vApp の名前と、必要に応じて説明を入力して、[次へ] をクリックします。
  7. (オプション) vApp 内の仮想マシンのコンピュータ名を変更して、英数字とハイフンのみが含まれるようにします。
    この手順は、vApp の名前にスペースまたは特殊文字が含まれている場合にのみ必要です。デフォルトでは、コンピュータ名に仮想マシンの名前があらかじめ入力されています。ただし、コンピュータ名には、英数字とハイフンのみを含める必要があります。
  8. [ストレージ ポリシー] ドロップダウン メニューから、vApp の各仮想マシンのストレージ ポリシーを選択し、[次へ] をクリックします。
  9. テンプレートにリストされているソース vApp ネットワークから、各仮想マシンを接続する vApp ネットワークを選択します。
    • [ネットワーク] ドロップダウン メニューから、各仮想マシンのネットワークを選択します。
    • [詳細ネットワークのワークフローに切り替える] チェック ボックスを選択し、vApp 内の各仮想マシンのプライマリ NIC、ネットワーク アダプタ タイプ、ネットワーク、IP アドレスの割り当て、IP アドレスの設定などのネットワーク設定を手動で入力できます。
    ウィザードを完了した後、仮想マシンの追加プロパティを構成することができます。
  10. [次へ] をクリックします。
  11. (オプション) 選択した OVA/OVF に vApp とその仮想マシンをカスタマイズするためのユーザー構成可能な OVF プロパティが含まれている場合は、[カスタム プロパティ] 画面で値を指定します。
  12. vApp 内の仮想マシンのハードウェアをカスタマイズし、[次へ] をクリックします。
    オプション 説明
    仮想 CPU の数 vApp 内の各仮想マシンの仮想 CPU の数を入力します。

    仮想マシンに割り当てることができる仮想 CPU の最大数は、ホストの論理 CPU 数、および仮想マシンにインストールされたゲスト OS の種類によって決まります。

    ソケットあたりのコア数 vApp 内の各仮想マシンのソケットあたりのコア数を入力します。

    コアおよびソケットごとのコアに関する、仮想 CPU の割り当て方法を構成できます。シングルコア CPU、デュアルコア CPU、トライコア CPU などを使用するかどうかにより、仮想マシンの CPU コアの数を指定してから、各ソケットに対するコアの数を選択します。

    コアの数 vApp 内の各仮想マシンのコア数を表示します。

    仮想 CPU の数を更新すると、数が変わります。

    メモリの合計 (MB) vApp 内の各仮想マシンのメモリを MB 単位で入力します。

    この設定は、仮想マシンに割り当てられる ESXi ホスト メモリの容量を決定します。仮想ハードウェアのメモリ サイズでは、仮想マシンで実行されるアプリケーションで使用可能なメモリの容量を決定します。仮想マシンは、仮想ハードウェアのメモリ サイズとして構成されたメモリ リソース以上のメモリ リソースを利用できません。

  13. OVA/OVF からソース vApp ネットワークをマッピングする組織 VDC ネットワークまたは vApp ネットワークを選択します。
  14. [次へ] をクリックします。
  15. [設定内容の確認] 画面で設定内容を確認し、[完了] をクリックします。

結果

新しい vApp がカード ビューに表示されます。