セル管理ツールの dbextract コマンドを使用すると、vCloud Director データベースからデータをエクスポートできます。
cell-management-tool dbextract options
オプション | 引数 | 説明 |
---|---|---|
--help (-h) | なし | このカテゴリで使用可能なコマンドの概要を示します。 |
-categories | エクスポートするテーブル カテゴリのカンマ区切りリスト。 | 任意。NETWORKING が唯一サポートされているカテゴリです。 |
-dataFile | エクスポートするデータを記述したファイルへの絶対パス。 | 任意。指定しない場合、このコマンドでは $VCLOUD_HOME/etc/data_to_export.properties が使用されます。エクスポートするテーブルと列の指定 を参照してください。 |
-dumpFolder | ダンプを作成するフォルダの絶対パス。フォルダは存在していて、vCloud から書き込み可能である必要があります。 | すべてのデータはこのフォルダ内のファイルにエクスポートされます。 |
-exportSettingsFile | データ エクスポート設定プロパティ ファイルへの絶対パス。 | 任意。指定しない場合、このコマンドでは $VCLOUD_HOME/etc/data_export_settings.ini が使用されます。エクスポートする行の制限と順序 を参照してください。 |
-properties | データベース接続プロパティ ファイルへの絶対パス。 | 任意。指定しない場合、このコマンドでは、$VCLOUD_HOME/etc/global.properties のデータベース接続プロパティが使用されます。プロパティ ファイルの指定 を参照してください。 |
-tables | テーブルのカンマ区切りリスト。 | 任意。個々のテーブル名がわかるようにしてすべてのテーブルをエクスポートします。 |
プロパティ ファイルの指定
デフォルトで dbextract コマンドは、現在のセルの $VCLOUD_HOME/etc/global.properties ファイルにあるデータベース接続情報を使用して vCloud Director データベースからデータを抽出します。別の vCloud Director データベースからデータを抽出するには、ファイルでデータベース接続プロパティを指定し、コマンドラインで -properties オプションを使用してそのファイルへのパス名を指定します。プロパティ ファイルは、次の形式に従う UTF-8 ファイルです。
username=username password=password servicename=db_service_name port=db_connection_port database-ip=db_server_ip_address db-type=db_type
エクスポートするテーブルと列の指定
エクスポートするデータ セットを制限するには、-exportSettingsFile オプションを使用し、エクスポートする個々のテーブルと、任意で各列を指定する data_to_export.properties ファイルを作成します。このファイルは、行を何も含まないか、TABLE_NAME:COLUMN_NAME 形式の行を含んだ UTF-8 ファイルです。
このサンプルの data_to_export.properties ファイルでは、ACL
テーブルと ADDRESS_TRANSLATION
テーブルから列をエクスポートします。
ACL:ORG_MEMBER_ID ACL:SHARABLE_ID ACL:SHARABLE_TYPE ACL:SHARING_ROLE_ID ADDRESS_TRANSLATION:EXTERNAL_ADDRESS ADDRESS_TRANSLATION:EXTERNAL_PORTS ADDRESS_TRANSLATION:ID ADDRESS_TRANSLATION:INTERNAL_PORTS ADDRESS_TRANSLATION:NIC_ID
このコマンドでは、このファイルが $VCLOUD_HOME/etc/data_to_export.properties に存在すると想定していますが、別のパスを指定することもできます。
エクスポートする行の制限と順序
どのテーブルの場合でも、エクスポートする行の数とエクスポートされる行の順序を指定できます。-exportSettingsFile オプションを使用し、個々のテーブルを指定する data_export_settings.ini ファイルを作成します。このファイルは、エントリが何もないか、次の形式のエントリを含んだ UTF-8 ファイルです。
[TABLE_NAME] rowlimit=int orderby=COLUMN_NAME
このサンプルの data_export_settings.ini では、AUDIT_EVENT
テーブルからエクスポートされるデータを先頭の 10000 行に制限し、event_time
列の値を基準に行の順序を指定しています。
[AUDIT_EVENT] rowlimit=100000 orderby=event_time
このコマンドでは、このファイルが $VCLOUD_HOME/etc/data_export_settings.ini に存在すると想定していますが、別のパスを指定することもできます。
現在の vCloud Director データベースからのすべてのテーブルのエクスポート
この例では、現在の vCloud Director データベースから /tmp/dbdump ファイルにすべてのテーブルをエクスポートします。
[root@cell1 /opt/vmware/vcloud-director/bin]# ./cell-management-tool dbextract -dumpFolder /tmp/dbdump This utility outputs data from your vCloud Director system that may contain sensitive data. Do you want to continue and output the data (y/n)? y Exporting data now. Please wait for the process to finish Exported 144 of 145 tables.