vCloud Director を新しいバージョンにアップグレードするには、vCloud Director サーバ グループ内の各サーバに新しいバージョンをインストールし、vCloud Director データベースをアップグレードして、vCloud Director サービスを再起動します。

重要:

このアップグレード手順では、vCloud Director 8.10 とも互換性のある VMware vSphere ® VMware NSX ™ のリリースを含む vCloud Director インストール環境をアップグレードすることを想定しています。この手順を開始する前に、http://partnerweb.vmware.com/comp_guide/sim/interop_matrix.phpの『VMware 製品の相互運用性マトリックス』を参照して、現在実行中の vCloud Director のバージョンおよび vCloud Director 8.10 と互換性のある VMware 製品のバージョン情報を確認してください。vCloud Director 8.10 へのアップグレードの一部としてインストール環境の vSphere または NSX コンポーネントのアップグレードを予定している場合は、それらのコンポーネントを本マニュアルに記載されている順序と手順に従ってアップグレードするようにしてください。

vCloud Director サーバのアップグレード後、その vCloud Director データベースもアップグレードする必要があります。データベースには、サーバで実行されているすべての vCloud Director タスクの状態を含む、サーバのランタイム状態に関する情報が保存されます。アップグレード後に無効なタスク情報がデータベース内に残らないようにするため、アップグレードを開始する前に、サーバにアクティブなタスクがないことを確認する必要があります。

アップグレードでは、vCloud Director データベースに格納されない次のアーティファクトが保持されます。

  • ローカルおよびグローバルのプロパティ ファイルは新しいインストール環境にコピーされます。
  • ゲスト カスタマイズに使用する Microsoft Sysprep ファイルは、新しいインストール環境にコピーされます。

vCloud Directorサーバ グループのメンバー全体にクライアントの要求を分散するのにロード バランサを使用しない場合(「ロード バランサを使用したサービス ダウンタイムの短縮」を参照)、アップグレードには、データベースおよび少なくとも 1 台のサーバをアップグレードするための十分な vCloud Director ダウンタイムが必要です。

vCloud Director サーバ グループのアップグレード

  1. ユーザーの vCloud Director へのアクセスを無効化します。アップグレードの進行中にメンテナンス メッセージを表示することもできます。アップグレード中のメンテナンス メッセージの表示 を参照してください。
  2. セル管理ツールを使用して、サーバ グループ内のすべてのセルを静止し、各サーバ上の vCloud Director サービスをシャットダウンします。『 vCloud Director 管理者ガイド』の「セル管理ツール リファレンス」を参照してください。
  3. サーバ グループの全メンバーの vCloud Director ソフトウェアをアップグレードします。サーバ グループのメンバーに対する vCloud Director ソフトウェアのアップグレード を参照してください。サーバは個別に、または並行してアップグレードできますが、vCloud Director データベースをアップグレードする前に、グループのアップグレードされたメンバー上の vCloud Director サービスを再起動してはいけません。
  4. vCloud Director データベースをアップグレードします。vCloud Director データベースのアップグレード を参照してください。
  5. アップグレードしたサーバの vCloud Director を再起動します。vCloud Director サービスの開始と停止 を参照してください。
  6. ユーザーの vCloud Director へのアクセスを有効化します。
  7. (オプション)関連付けらている各 NSX Manager をアップグレードします。接続済み vCenter Server システムに関連付けられた各 NSX Manager のアップグレード を参照してください。
  8. (オプション)関連付けられている各 vCenter Server システムおよび ESXi ホストをアップグレードします。vCenter Server システム、ホスト、および NSX Edge のアップグレード を参照してください。
注: アップグレードを完了した後、ブラウザで vCloud Director の Web コンソールが開いている場合は、一度ログアウトしてブラウザのキャッシュをクリアし、それから Web コンソールに再度ログインします。

ロード バランサを使用したサービス ダウンタイムの短縮

ロード バランサなど、要求を特定のサーバに強制的に送信できるツールを使用している場合、サーバ グループのサブセットをアップグレードし、それ以外のサブセットでは既存のサービスをそのまま使用することができます。この方法によって、vCloud Director サービスのダウンタイムを、vCloud Director データベースのアップグレードに必要な時間の長さまで短縮できます。アップグレード中にパフォーマンスが低下する場合がありますが、サーバ グループのいずれかのサブセットが稼働中であれば、進行中のタスクは実行を継続しています。コンソール セッションは中断される場合がありますが、再起動することができます。

  1. ロード バランサを使用して、vCloud Director 要求をグループ内のサーバのサブセットにリダイレクトします。ロード バランサで推奨される手順に従います。
  2. セル管理ツールを使用して、要求の処理を停止したセルを静止し、サーバ上の vCloud Director サービスをシャットダウンします。
    注: サーバのコンソール プロキシを介して経路指定されたコンソール セッションは、サーバのシャットダウン時に中断されます。クライアントがコンソール ウィンドウを更新し、回復できます。
    vCloud Director 管理者ガイド』の「セル管理ツール リファレンス」を参照してください。
  3. vCloud Director を停止したサーバ グループのメンバー上の vCloud Director ソフトウェアをアップグレードします。ただし、サービスは再起動しないでください。サーバ グループのメンバーに対する vCloud Director ソフトウェアのアップグレード を参照してください。
  4. セル管理ツールを使用して、まだアップグレードしていないセルを静止し、それらのサーバ上の vCloud Director サービスをシャットダウンします。
  5. vCloud Director データベースをアップグレードします。vCloud Director データベースのアップグレード を参照してください。
  6. アップグレードしたサーバの vCloud Director を再起動します。vCloud Director サービスの開始と停止 を参照してください。
  7. (オプション)関連付けらている各 NSX Manager をアップグレードします。接続済み vCenter Server システムに関連付けられた各 NSX Manager のアップグレード を参照してください。
  8. (オプション)関連付けられている各 vCenter Server システムおよび ESXi ホストをアップグレードします。vCenter Server システム、ホスト、および NSX Edge のアップグレード を参照してください。
  9. ロード バランサを使用して vCloud Director 要求をアップグレードしたサーバにリダイレクトします。
  10. グループ内の残りのサーバ上の vCloud Director ソフトウェアをアップグレードし、アップグレードが完了したらそれらのサーバ上で vCloud Director を再起動します。サーバ グループのメンバーに対する vCloud Director ソフトウェアのアップグレード を参照してください。

アップグレード中のメンテナンス メッセージの表示

アップグレード プロセスに時間がかかることが予想され、アップグレードの進行中にメンテナンス メッセージがシステムに表示されるようにする場合は、他のセルがアップグレードされる間でも、少なくとも 1 つのセルにアクセスできることを確認してください。セルで /opt/vmware/vcloud-director/bin/vmware-vcd-cell コマンドを実行し、セルのメンテナンス メッセージをオンにします。
[root@cell1 /opt/vmware/vcloud-director/bin]#./vmware-vcd-cell maintenance

アップグレードされたセルをサービスに戻す準備ができた場合は、そのセルで次のコマンドを実行してメンテナンス メッセージをオフにします。

        [root@cell1 /opt/vmware/vcloud-director/bin]#
        service vmware-vcd restart