VI ワークロード ドメインを作成する場合と、既存のワークロード ドメイン(管理または VI)にホストや vSphere クラスタを追加する場合は、IP アドレスを手動で入力する必要はありません。ネットワーク プールは、vSAN、NFS、iSCSI、および vMotion の VMkernel ポートに静的 IP アドレスを自動的に割り当てます。

ネットワーク プールは、レイヤー 2 ネットワーク ドメイン内のサブネットのコレクションです。ここには、ストレージ オプションに応じて、 SDDC Manager インベントリにホストを追加するために必要な vMotion および vSAN、NFS、iSCSI ネットワーク用に予約されているサブネットに関する情報が含まれています。
表 1. ネットワーク プールに必要な情報
使用中のストレージ ネットワーク プール内で必要なネットワーク
vSAN vMotion および vSAN
NFS vMotion および NFS
vSAN および NFS vMotion、vSAN、および NFS
VMFS on FC vMotion のみ、または vMotion と NFS
vVol on FC vMotion のみ、または vMotion と NFS
vVol on iSCSI vMotion および iSCSI
vVol on NFS vMotion および NFS

ネットワーク プールには、IP アドレスの範囲が含まれます。包含範囲内の IP アドレスは、ホスト上の VMkernel ポートに割り当てられます。包含範囲を使用すると、特定のサブネットから消費される IP アドレスを制限できます。提供されたサブネットを拡張して使用する場合、包含範囲をさらに追加できます。

ブリングアップ時に、デフォルトのネットワーク プールが作成されます。このネットワーク プールは自動的に管理ドメインに関連付けられます。このネットワーク プールのネットワーク情報は、ブリングアップ時に指定した展開パラメータ ワークブックに基づいています。このネットワーク プールには vMotion と vSAN ネットワークのみが含まれます。このネットワーク プールでは NFS ネットワークはサポートされていません。管理ドメインの vSAN ネットワークと vMotion ネットワークが同じレイヤー 2 ネットワーク ドメインにある場合は、デフォルトのネットワーク プールを拡張できます。ホストを追加して管理ドメインを拡張する場合は、デフォルトのネットワーク プールを拡張することもできます。

管理ドメインとは異なるレイヤー 2 ネットワーク ドメイン内のホストを使用して VI ワークロード ドメインを作成するには、新しいネットワーク プールを作成する必要があります。また、外部 NFS または VMFS on FC ストレージを使用する場合は、新しいネットワーク プールを作成する必要があります。ネットワーク プールには、vSAN ネットワークと NFS ネットワークの両方を含めることができます。

独自のネットワーク プールを持っている複数の vSphere クラスタでワークロード ドメインを作成することもできます。ワークロード ドメイン内に複数の vSphere クラスタを展開し、別々のフェイルオーバー ドメインを提供することができます(仮想マシンはクラスタ内のホスト間でのみフェイルオーバーします)。複数の vSphere クラスタを展開すると、セキュリティを維持するためのクラスタの分離が可能になります。また、特定の構成タイプのサーバをグループ化する際にも役立ちます。複数の vSphere クラスタを使用して拡張することもできます。デフォルトの vSphere クラスタで使用されていた元のサーバは、ある時点で古くなる可能性があります。その場合、新しいサーバ モデルをワークロード ドメインの新しいクラスタに追加し、ワークロードをゆっくりと移行することができます。