VMware Cloud Foundation は、複数のワークロード ドメインおよび vSphere クラスタに SDDC の機能を分散します。ワークロード ドメインは、管理ワークロード ドメインか VI ワークロード ドメインかにかかわらず、コンピューティング、ストレージ、およびネットワーク キャパシティの論理的な抽象概念であり、1 つ以上の vSphere クラスタで構成されます。各クラスタは、1 つのラックに垂直に配置することも、複数のラックに水平方向にまたがって配置することもできます。

VMware Cloud Foundation のワークロード ドメイン クラスタとデータセンター ラック間の関係は 1 対 1 ではありません。ワークロード ドメイン クラスタは繰り返し可能なビルディング ブロックのアトミック ユニットですが、ラックはサイズの単位です。ワークロード ドメイン クラスタのサイズは異なる場合があるため、要件と物理インフラストラクチャの制約に応じて、ワークロード ドメイン クラスタをデータセンター ラックにマッピングします。スケーラビリティのニーズに応じて、各クラスタ タイプのラックの合計数を決定します。

表 1. ワークロード ドメイン クラスタからラックへの構成のオプション

ワークロード ドメイン クラスタからラックへの構成

説明

単一のラック内のワークロード ドメイン クラスタ

  • ワークロード ドメイン クラスタは 1 つのラックを占有します。

  • 同じクラスタ内の共有 Edge ワークロードとコンピューティング ワークロードに使用できます。

  • コンピューティング専用ワークロードまたは NSX Edge 専用クラスタ専用にできます。

複数のラックにまたがるワークロード ドメイン クラスタ

  • データセンター ファブリックがファブリック内の VXLAN オーバーレイなどのレイヤー 2 の隣接関係をラック間で提供できる場合、管理ドメインのデフォルト クラスタは複数のラックにまたがることができます。レイヤー 3 ファブリックがこの要件をサポートしていない場合は、管理ドメインのデフォルト クラスタを単一のラックにマッピングする必要があります。

  • SDDC Manager が展開した NSX Edge クラスタのないコンピューティング専用ワークロード専用の VI ワークロード ドメイン クラスタは、ラック間でレイヤー 2 の隣接関係を持たないレイヤー 3 ネットワーク ファブリックと組み合わせて NSX オーバーレイを使用する場合に、ラックにまたがることができます。

  • SDDC Manager から展開された NSX Edge クラスタのみをホストする vSphere クラスタは、単一のラックに展開する必要があります。冗長性を高めるためには、2 つの vSphere クラスタを、両方のラックに Edge ノードを持つ 2 つの個別のラックに展開する必要があります。

複数のアベイラビリティ ゾーンを持ち、各ゾーンが単一のラック内にあるワークロード ドメイン クラスタ

  • 複数のアベイラビリティ ゾーンにまたがる場合、ネットワーク ファブリックは、アベイラビリティ ゾーン間の拡張レイヤー 2 ネットワークとレイヤー 3 ルーティング ネットワークをサポートする必要があります。

  • 複数のラックにまたがるクラスタは、複数のアベイラビリティ ゾーンではサポートされません。

図 1. 単一のラック内のワークロード ドメイン クラスタ

1 つのラックで、各ワークロード ドメインのクラスタが実行されます。
図 2. 複数のラックにまたがるワークロード ドメイン クラスタ

コンピューティング専用ワークロード ドメイン クラスタ内のホストは、水平方向にラックにまたがっています。NSX Edge の管理クラスタと vSphere クラスタは、単一のラックに垂直方向に展開されます。
図 3. 複数のアベイラビリティ ゾーンを持つワークロード ドメイン クラスタ(各ゾーンは 1 つのラック内にある)

インフラストラクチャの 2 つのアベイラビリティ ゾーン。各ゾーンのワークロード ドメイン クラスタ ホストは 1 つのラックにあります。