このセクションでは、Cloud Web Security の ID プロバイダ (IdP) としての Azure Active Directory (AD) の設定方法について説明します。これにより、ユーザー名またはグループに一致するように Cloud Web Security ポリシーを設定したり、Web および DLP ログにユーザー アクセスを記録したりできます。まず、Azure AD の設定について説明し、次に VMware Cloud Orchestrator の設定について説明します。
前提条件
Azure Active Directory を
Cloud Web Security の ID プロバイダとして設定するには、以下が必要です。
- Azure アカウント
- Azure Active Directory (AD) テナント
ヒント: Azure AD テナントを作成するプロセスは ここに記載されています。
- Cloud Web Security が有効になっている本番環境の VMware Cloud Orchestrator のカスタマー エンタープライズ。Orchestrator がリリース 4.5.0 以降を使用している必要があります。
Azure の設定
- エンタープライズ認証情報または Azure AD テナントのローカル ユーザーを使用して、Azure ポータル https://portal.azure.com/ にログインします。
- 上部の検索バーで Active Directory を検索して、[Azure Active Directory] サービスにアクセスします。
- 左側のパネルで [エンタープライズ アプリケーション (Enterprise Applications)] をクリックします。
- [エンタープライズ アプリケーション (Enterprise Applications)] パネルの上部にある [新しいアプリケーション (New application)] をクリックします。
- [新しいアプリケーション (New application)] パネルの上部にある [独自のアプリケーションの作成 (Create Your Own Application)] をクリックします。
- 名前(CWS など)を入力し、[非ギャラリー (Non-gallery)] ラジオ ボタンがオンであることを確認します。
- [独自のアプリケーションの作成 (Create Your Own Application)] フォームの下部にある [作成 (Create)] をクリックします。
- Cloud Web Security (CWS) の [エンタープライズ アプリケーション (Enterprise application)] ページの左側のパネルを使用して、[シングル サインオン (Single sign-on)] パネルをクリックします。
- 選択する[シングル サインオンの方法]として、[SAML] (Security Assertion Markup Language) をクリックします。
- 次に示すように、右上の鉛筆アイコンを使用してセクション (1) に入力します。必要なすべての詳細を入力したら、ポップアップ ペインの上部にある [保存 (Save)] をクリックします。
フィールド名 フィールド値 フィールドの説明 識別子 (エンティティ ID) (Identifier (Entity ID)) https://safe-cws-sase.vmware.com/safeview-auth-server/saml/metadata Azure AD では、複数の値を使用できます。この値に設定し、[デフォルト (Default)] チェック ボックスをオンにします。これは、Cloud Web Security が SAML の [AuthRequest] メッセージと同じように表示するエンティティ ID です。 応答 URL (ACS URL) (Reply URL (ACS URL)) https://safe-cws-sase.vmware.com/safeview-auth-server/saml これは、Azure AD が SAML アサーション ペイロードをリダイレクトする URL です。これは、ユーザーが正常に認証されたことを Cloud Web Security が学習する方法です。 サインオン URL (Sign-on URL) https://safe-cws-sase.vmware.com/safeview-auth-server/saml これは、Azure AD が Cloud Web Security への認証を開始する場合(Cloud Web Security が Azure AD へリダイレクトする場合ではなく)に使用されます。通常、これは使用されません。 - セクション (3) および (4) の次の項目をテキスト エディタ(たとえば、Windows のメモ帳または Mac の TextEdit)にコピーします。
フィールド名 フィールドの説明 セクション (3) - 証明書 (Base64) (Section (3) - Certificate (Base64)) これは、Azure AD が SAML アサーションに署名するために使用するキー ペアのパブリック キーです。これにより、Cloud Web Security は、アサーションがこの Azure AD 統合によって作成されたことを検証できます。このファイルをダウンロードし、便利な場所に保管しておきます。「-----BEGIN CERTIFICATE-----」で始まり、「-----END CERTIFICATE-----」で終了する必要があります。 セクション (4) - Azure AD 識別子 (Section (4) - Azure AD Identifier) これは Azure AD IdP の SAML [entityID] です。応答 URL のペイロード(手順 10 を参照)では、これは SAML アサーションがこの Azure AD 統合から取得されたことを Cloud Web Security に対して示します。 セクション (4) - ログイン URL (Section (4) - Login URL) これは、ユーザーが Azure AD にログインできるように(まだログインしていない場合)するために、Cloud Web Security がリダイレクトする Azure AD ログイン URL です。 - [ユーザー属性と要求 (User Attributes & Claims)] の右上隅にある鉛筆アイコンをクリックします。
- 次の設定を使用して [グループ要求 (Group Claim)] を追加します。送信元属性として「グループ ID (Group ID)」を選択します。
[属性と要求 (Attribute & Claims)] ウィンドウに、グループの要求が追加されます。
- これで、Azure AD SAML の設定が完了しました。
- Cloud Web Security [エンタープライズ アプリケーション (Enterprise applications)] ページの [ユーザーおよびグループ (Users and Groups)] セクションをクリックします。
- Cloud Web Security アプリケーションへのアクセスを許可するユーザーまたはグループを選択します。[割り当て (Assign)] をクリックします。
重要:
- この手順を実行しない場合、Cloud Web Security ワークフローで認証を試みると、アプリケーションがユーザーに対して承認されていないことを示すエラーが表示されます。
- グループは、ユーザーがアップグレードされた Azure Active Directory P1 または P2 テナントを持っている場合にのみ使用できます。デフォルトの Active Directory プラン レベルでは、個々のユーザーをアプリケーションに割り当てることのみが許可されます。
- Azure ポータルで、[Azure Active Directory] > [グループ (Groups)] に移動し、グループ名を選択してグループ プロパティを表示します。Azure グループから [オブジェクト ID (Object ID)] 値をコピーします。
注: CWS ポリシーで Azure グループを使用するには、Azure グループのオブジェクト ID を取得する必要があります。[オブジェクト ID (Object ID)] を使用して、CWS ポリシーで一致させる Azure グループを指定します。次の例では、Azure AD グループ「 [corp]」が [ギャンブル (Gambling)] カテゴリの URL フィルタリング ポリシーと一致しています。混乱を避けるため、CWS ポリシーの [理由 (Reason)] フィールドに元の Azure グループ名を参照する情報を含めることもできます。次の例では、「 [corp]」グループを参照するか、タグを作成します。
VMware Cloud Orchestrator の設定
- Orchestrator UI にログインします。
- [ID プロバイダ設定 (Identity Provider Settings)] ページが表示されます。 の順に移動します。
- [シングル サインオン (Single Sign On)] を [有効 (Enabled)] に切り替えます。
- 次の詳細を設定します。
- [SAML サーバがインターネットにアクセスできますか? (SAML Server Internet Accessible)] で [はい (Yes)] を選択します
- [SAML プロバイダ (SAML Provider)] で [Azure Active Directory] を選択します。
- [SAML 2.0 エンドポイント (SAML 2.0 Endpoint)] で、Azure AD 設定の手順 11 に従って、メモ帳アプリケーションから [ログイン URL (Login URL)] をコピーします。
- [サービス識別子 (発行者) (Service Identifier (Issuer))] で、Azure AD 設定の手順 11 に従って、メモ帳アプリケーションから [Azure AD 識別子 (Azure AD Identifier)] をコピーします。
- 必要に応じて [SAML 詳細デバッグ (SAML Verbose Debugging)] を有効にします。
- これにより、デバッグ メッセージが 2 時間有効になり、その後デバッグが自動的に無効になります。
- SAML デバッグ メッセージは、Chrome デベロッパー コンソールで表示できます。
- [X.509 証明書 (X.509 Certificate)] セクションで、[証明書の追加 (Add Certificate)] をクリックし、Azure AD 設定の手順 11 に従って、メモ帳アプリケーションから証明書をコピーしてここに貼り付け、[保存 (Save)] をクリックします。
- 最後に、[変更の保存 (Save Changes)] をクリックして、[認証の設定 (Configure Authentication)] 画面で設定の変更を完了します。
- 次の手順に従って、Workspace ONE Access ドメインの SSL バイパス ルールを追加します。
- の順に移動します。
- SSL バイパス ルールを追加する既存のポリシーを選択し、[編集 (Edit)] ボタンをクリックします。
- [SSL インスペクション (SSL Inspection)] タブをクリックして、[+ ルールの追加 (+ Add Rule)] をクリックします。[SSL インスペクションのバイパス指定 (Create SSL Exception)] 画面が表示されます。
- [SSL インスペクションのバイパス指定 (Create SSL Exception)] 画面で、次のように設定し、[次へ (Next)] をクリックします。
- [次に基づいて SSL インスペクションをスキップ (Skip SSL Inspection based on)] で、[宛先 (Destination)] を選択します。
- [宛先のタイプ (Destination Type)] で、[宛先ホスト/ドメイン (Destination Host/Domain)] を選択します。
- [ドメイン (Domain)] に、次のいずれかのドメインを入力します。
- login.microsoftonline.com
- sts.windows.net
- microsoftonline-p.com
- msauth.net
- msftauth.net
- [名前とタグ (Name and Tags)] 画面で、ルールの一意の名前を入力し、必要に応じて理由を追加します。
- [終了 (Finish)] をクリックし、該当するセキュリティ ポリシーを [公開 (Publish)] して、この新しいルールを適用します。
重要: ドメイン [login.microsoftonline.com] は、 SSL インスペクション バイパス ルールが推奨されるドメインおよび CIDRドキュメントに記載されている [Microsoft 365] ドメイン グループの一部です。完全な [Microsoft 365] ドメイン グループを含む SSL バイパス ルールをすでに設定している場合は、この手順をスキップできます。既存の SSL バイパス ルールに完全な Microsoft 365 ドメイン グループが含まれているときに、上記のルールを設定しようとすると、一意のドメインが複数の SSL バイパス ルールで重複できないため、新しいルールでエラーが発生します。SSL バイパス ルールを設定する必要があるドメインの詳細については、SSL インスペクション バイパス ルールが推奨されるドメインおよび CIDRを参照してください。
トラブルシューティング
このセクションでは、Cloud Web Security 設定における Azure AD IdP の潜在的な問題について説明します。
問題 | 提案するソリューション |
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認証時に次のエラー メッセージが表示されます。 |
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