vSAN を使用する場合は、Horizon 7 によって容量、パフォーマンス、可用性などの仮想マシン ストレージ要件が、デフォルト ストレージ ポリシー プロファイルの形で定義されます(このプロファイルは変更できます)。ストレージは、割り当てられたポリシーに従ってプロビジョニングされ、自動的に設定されます。デスクトップ プールの作成時に作成されるデフォルトのポリシーは、作成するプールの種類によって異なります。
vSAN はストレージ ポリシー フレームワークを提供します。このフレームワークを使用して vSAN データストア上に存在するさまざまな仮想マシン オブジェクトの動作を制御できます。vSAN には、仮想ディスク (VMDK) ファイルなどのオブジェクトが含まれます。各オブジェクトには、ポリシーによって制御される 4 つの特性があります。
- [ストライプ]: オブジェクトあたりのディスク ストライプの数ディスク ストライプの数は磁気ディスク (HDD) の数に影響を与えます。
- [復元性]: 許容する障害の数。許容するホスト障害の数は、当然ながら、使用されているホストの数によって異なります。
- [ストレージ予約]: オブジェクト容量の予約。確保するストレージの容量を制御します。
- [キャッシュ予約]: Flash Read Cache の予約。
ストライプとキャッシュ予約の設定は、パフォーマンスの制御に使用されます。復元性の設定は可用性を制御します。ストレージ プロビジョニングの設定は容量を制御します。これらの設定が、全体として vSphere ホストと磁気ディスクの必要数に影響を与えます。
たとえば、オブジェクトあたりのディスク ストライプの数を 2 に設定すると、vSAN は少なくとも 2 台の HDD にわたってそのオブジェクトのストライピングを行います。この設定と併用して、許容するホスト障害の数を 1 に設定すると、vSAN は回復用としてコピーをもう 1 つ作成します。この結果、HDD が 4 台必要となります。さらに、許容するホスト障害の数を 1 に設定する場合、ESXi ホストは最低 3 台必要です(復元用に 2 台、パーティション化されている場合にタイブレークを実行するために 1 台)。
ポリシー(vCenter Server に表示) | 説明 | オブジェクトあたりのディスク ストライプの数 | 許容する障害の数 | Flash Read Cache の予約 | オブジェクト容量の予約 |
---|---|---|---|---|---|
FULL_CLONE_DISK_<guid> | 専用完全クローンの仮想ディスク | 1 | 1 | 0 | 0 |
FULL_CLONE_DISK_FLOATING_<guid> | フローティング完全クローンの仮想ディスク | 1 | 0 | 0 | 0 |
OS_DISK_<guid> | 専用リンク クローンの OS とディスポーザブル ディスク | 1 | 1 | 0 | 0 |
OS_DISK_FLOATING_<guid> | フローティング リンク クローンの OS とディスポーザブル ディスク、フローティング インスタンス クローンの OS とディスポーザブル ディスク | 1 | 1 | 0 | 0 |
PERSISTENT_DISK_<guid> | リンク クローンの通常ディスク | 1 | 1 | 0 | 0 |
REPLICA_DISK_<guid> | リンク クローンのレプリカ ディスク、インスタント クローンのレプリカ ディスク | 1 | 1 | 0 | 0 |
VM_HOME_<guid> | 仮想マシンのホーム ディレクトリ | 1 | 1 | 0 | 0 |
これらのポリシーを仮想マシンに作成すると、Horizon 7 で変更されません。vSphere Web クライアントまたは vSphere コマンド ライン インターフェイス (esxcli) を介して vCenter Server に移動すると、既存のすべての仮想マシンまたは新しい仮想マシンで変更を有効にするオプションを使用して、Horizon 7 で作成されたポリシーを編集できます。Horizon 7 で設定された新しいデフォルト ポリシーは、既存のデスクトップ プールに影響を及ぼしません。各仮想マシンはクラスタ内の物理的な位置にかかわらず、そのポリシーを保持します。ポリシーが、ホスト、ディスクまたはネットワーク障害のために不適合になったり、ワークロードが変更される場合、vSAN は各仮想マシンのポリシーを満たすために、影響のある仮想マシンとロード バランスのデータを再構成します。