/etc/vmware/config/usr/lib/vmware/config、および ~/.vmware/config 構成ファイルで USB 構成プロパティを設定できます。

以下の構文を使用して、構成ファイルに USB の構成プロパティを設定します。

viewusb.property1 = "value1"

USB 構成プロパティでは、特定のタイプのデバイスをリダイレクトするかどうかを制御できます。プロパティをフィルタリングして、特定のデバイスを追加したり除外したりすることもできます。Linux クライアント バージョン 1.7 以降および Windows クライアントでは、複合デバイスを分割するためのプロパティも提供されます。

一部のプロパティの値では、USB デバイスに VID (vendor ID) および PID (product ID) が必要です。VID および PID を見つけるには、vid および pid と組み合わされた製品名をインターネット検索できます。あるいは、Horizon Client の実行中に、USB デバイスをローカル システムに接続して /tmp/vmware-<current_user>/vmware-view-usbd-*.log ログ ファイルを調べることができます。このファイルの場所を設定するには、たとえば、/etc/vmware/config ファイルの view-usbd.log.fileName プロパティを使用します。

 view-usbd.log.fileName = "/tmp/usbd.log"
重要: オーディオ デバイスをリダイレクトするときには、Ubuntu システムのカーネル バージョンが 3.2.0-27.43 以降であることを確認してください。このカーネル バージョンにアップグレードできない場合、代わりにオーディオ デバイスへのホスト アクセスを無効にできます。たとえば、" blacklist snd-usb-audio" という行を /etc/modprobe.d/blacklist.conf ファイルの末尾に追加できます。システムがこれらの要件のいずれかを満たさなければ、クライアント システムは Horizon Client がオーディオ デバイスのリダイレクトを試みたときにクラッシュすることがあります。デフォルトでは、オーディオ デバイスはリダイレクトされます。

次の表では、利用可能な USB 構成プロパティについて示します。

表 1. USB リダイレクト用の構成プロパティ
ポリシー名とプロパティ 説明

Allow Auto Device Splitting(自動デバイス分割を許可する)

プロパティ:

viewusb.AllowAutoDeviceSplitting

複合 USB デバイスの自動分割を許可します。

デフォルト値は未定義で、false と同じです。

Exclude Vid/Pid Device From Split(Vid/Pid デバイスを分割から除外する)

プロパティ:

viewusb.SplitExcludeVidPid

ベンダーおよびプロダクト ID で指定された複合 USB デバイスは、分割対象から除外します。設定の形式:vid-xxx1_pid-yyy1[;vid-xxx2_pid-yyy2]...

ID 番号は 16 進数で指定する必要があります。ID の個々の数字の位置にワイルドカード文字 ( *) を使用できます。

例: vid-0781_pid-55**

デフォルト値は定義されていません。

Split Vid/Pid Device(Vid/Pid デバイスを分割)

プロパティ:

viewusb.SplitVidPid

ベンダーおよびプロダクト ID で指定した複合 USB デバイスのコンポーネントを、別のデバイスとして扱います。設定の形式:

vid-xxxx_pid-yyyy([exintf:zz[;exintf:ww ]])[;...]

exintf というキーワードを使用すれば、インターフェイス番号を指定することで、コンポーネントをリダイレクトから除外することができます。ID 番号は 16 進数で指定し、インターフェイス番号は先行ゼロをすべて含む 10 進数で指定する必要があります。ID の個々の数字の位置にワイルドカード文字 ( *) を使用できます。

例: vid-0781_pid-554c(exintf:01;exintf:02)

注: マウスやキーボード コンポーネントなどの自動的に除外されるコンポーネントが複合 デバイスに含まれている場合、View は明示的に除外されないコンポーネントを自動的に含むことはありません。これらのコンポーネントを含めるには、 Include Vid/Pid Device などのフィルタ ポリシーを指定する必要があります。

デフォルト値は定義されていません。

Allow Audio Input Devices(オーディオ入力デバイスを許可する)

プロパティ:

viewusb.AllowAudioIn

オーディオ入力デバイスのリダイレクトを許可します。

デフォルト値は未定義になっています。リアルタイム オーディオ ビデオ機能がオーディオ入力とビデオ デバイスで使用され、USB リダイレクトがこれらのデバイスでデフォルトで使用されていないため、これは false に相当します。

Allow Audio Output Devices(オーディオ出力デバイスを許可する)

プロパティ:

viewusb.AllowAudioOut

オーディオ出力デバイスのリダイレクトを許可します。

デフォルト値は定義されていませんが、これは false が設定されている場合に相当します。

HID を許可する

プロパティ:

viewusb.AllowHID

キーボードまたはマウス以外の入力デバイスのリダイレクトを許可します。

デフォルト値は定義されていませんが、これは true が設定されている場合に相当します。

Allow HIDBootable(HID 起動可能なデバイスを許可する)

プロパティ:

viewusb.AllowHIDBootable

キーボードとマウス以外で、起動時に利用可能な入力デバイス(HID 起動可能なデバイス)のリダイレクトを許可します。

デフォルト値は定義されていませんが、これは true が設定されている場合に相当します。

デバイス記述子のフェイルセーフ機能を許可する

プロパティ:

viewusb.AllowDevDescFailsafe

Horizon Client で構成/デバイスの記述子を取得できない場合でも、デバイスのリダイレクトを許可します。

config/desc が失敗してもデバイスを許可するには、IncludeVidPidまたは IncludePath などの Include フィルタにそれを含みます。

デフォルト値は未定義で、false と同じです。

Allow Keyboard and Mouse Devices(キーボードおよびマウス デバイスを許可する)

プロパティ:

viewusb.AllowKeyboardMouse

統合型ポインティング デバイス(マウス、トラックボール、タッチ パッドなど)付きキーボードのリダイレクトを許可します。

デフォルト値は定義されていませんが、これは false が設定されている場合に相当します。

Allow Smart Cards(スマート カードを許可する)

プロパティ:

viewusb.AllowSmartcard

スマート カード デバイスのリダイレクトを許可します。

デフォルト値は定義されていませんが、これは false が設定されている場合に相当します。

Allow Video Devices(ビデオ デバイスを許可する)

プロパティ:

viewusb.AllowVideo

ビデオ デバイスのリダイレクトを許可します。

デフォルト値は未定義になっています。リアルタイム オーディオ ビデオ機能がオーディオ入力とビデオ デバイスで使用され、USB リダイレクトがこれらのデバイスでデフォルトで使用されていないため、これは false に相当します。

Disable Remote Configuration Download(リモート構成のダウンロードを無効にする)

プロパティ:

viewusb.DisableRemoteConfig

USB デバイスのフィルタリングを実行するときは、Horizon Agent 設定の使用を無効にします。

デフォルト値は定義されていませんが、これは false が設定されている場合に相当します。

Exclude All Devices(すべてのデバイスを除外する)

プロパティ:

viewusb.ExcludeAllDevices

リダイレクト対象からすべての USB デバイスを除外します。true に設定すると、その他のポリシー設定を使用して、特定のデバイスまたはデバイス ファミリがリダイレクトされるようにすることができます。false に設定すると、その他のポリシー設定を使用して、特定のデバイスまたはデバイス ファミリがリダイレクトされるのを防止できます。

Horizon AgentExclude All Devices の値を true に設定し、この設定が Horizon Client に渡されると、Horizon Agent の設定によって Horizon Client の設定がオーバーライドされます。

デフォルト値は定義されていませんが、これは false が設定されている場合に相当します。

Exclude Device Family(デバイス ファミリを除外する)

プロパティ:

viewusb.ExcludeFamily

リダイレクト対象からデバイス ファミリを除外します。設定の形式: family_name_1[;family_name_2]...

例: bluetooth;smart-card

自動デバイス分割を有効にした場合、View は複合 USB デバイスの各インターフェイスのデバイス ファミリを調べ、除外するインターフェイスを判断します。自動デバイス分割を無効にした場合、View は複合 USB デバイス全体のデバイス ファミリを調べます。

デフォルト値は定義されていません。

Exclude Vid/Pid Device(Vid/Pid デバイスを除外する)

プロパティ:

viewusb.ExcludeVidPid

指定したベンダーとプロダクト ID のデバイスを、リダイレクト対象から除外します。設定の形式: vid-xxx1_pid-yyy2[;vid-xxx2_pid-yyy2]...

ID 番号は 16 進数で指定する必要があります。ID の個々の数字の位置にワイルドカード文字 ( *) を使用できます。

例: vid-0781_pid-****;vid-0561_pid-554c

デフォルト値は定義されていません。

Exclude Path(パスを除外する)

プロパティ:

viewusb.ExcludePath

特定のハブまたはポートのパスにあるデバイスをリダイレクト対象から除外します。設定の形式: bus-x1[/y1]..._port-z1[;bus-x2[/y2]..._port-z2]...

バスやポート番号は 16 進数で指定する必要があります。パスにワイルドカード文字を使用することはできません。

例: bus-1/2/3_port-02;bus-1/1/1/4_port-ff

デフォルト値は定義されていません。

Include Device Family(デバイス ファミリを含める)

プロパティ:

viewusb.IncludeFamily

デバイス ファミリをリダイレクト対象に含めます。設定の形式: family_name_1[;family_name_2]...

例: storage

デフォルト値は定義されていません。

Include Path(パスを含める)

プロパティ:

viewusb.IncludePath

特定のハブやポートのパスにあるデバイスをリダイレクト対象に含めます。設定の形式: bus-x1[/y1]..._port-z1[;bus-x2[/y2]..._port-z2]...

バスやポート番号は 16 進数で指定する必要があります。パスにワイルドカード文字を使用することはできません。

例: bus-1/2_port-02;bus-1/7/1/4_port-0f

デフォルト値は定義されていません。

Include Vid/Pid Device(Vid/Pid デバイスを含める)

プロパティ:

viewusb.IncludeVidPid

指定したベンダーとプロダクト ID のデバイスを、リダイレクト対象に含めます。設定の形式: vid-xxx1_pid-yyy2[;vid-xxx2_pid-yyy2]...

ID 番号は 16 進数で指定する必要があります。ID の個々の数字の位置にワイルドカード文字 ( *) を使用できます。

例: vid-0561_pid-554c

デフォルト値は定義されていません。

USB リダイレクトの例

USB リダイレクトの効果の例を説明とともに示します。

  • マウス デバイス ファミリ内のほとんどのデバイスが含まれます。

    viewusb.IncludeFamily = "mouse" 
    viewusb.ExcludeVidPid = "Vid-0461_Pid-0010;Vid-0461_Pid-4d20"

    この例の最初のプロパティは、Horizon Client にマウス デバイスを View デスクトップにリダイレクトするように指示します。第 2 のプロパティは最初の指示を無効にし、Horizon Client に特定の 2 つのマウス デバイスをローカルのままにして、リダイレクトしないように指示します。

  • 自動デバイス分割をオンにしますが、特定のデバイスのうち片方は分割されないようにします。もう片方の特定のデバイスについては、そのコンポーネントの 1 つをローカルにしたままにして、他のコンポーネントをリモート デスクトップにリダイレクトします。

    viewusb.AllowAutoDeviceSplitting = "True"
    viewusb.SplitExcludeVidPid = "Vid-03f0_Pid-2a12"
    viewusb.SplitVidPid = "Vid-0911_Pid-149a(exintf:03)"
    viewusb.IncludeVidPid = "Vid-0911_Pid-149a"

    コンポジット USB デバイスは、ビデオ入力デバイスやストレージ デバイスなど、2 つ以上のデバイスの組み合わせで構成されます。この例の最初のプロパティは、複合デバイスの自動分割をオンにします。2 つ目のプロパティは、指定した複合 USB デバイス (Vid-03f0_Pid-2a12) を分割から除外します。

    3 行目は、異なる複合デバイス (Vid-0911_Pid-149a) のコンポーネントを個別のデバイスとして取り扱いますが、インターフェイス番号が 03 のコンポーネントはリダイレクトから除外するように Horizon Client に指示します。このコンポーネントはローカルのままです。

    この複合 デバイスは、マウスまたはキーボードなどのデフォルトで通常は除外されるコンポーネントを含むので、4 行目が必要となり、そのため、複合 デバイス Vid-0911_Pid-149a の他のコンポーネントは、View デスクトップにリダイレクトできます。

    最初の 3 つのプロパティは、分割プロパティです。最後のプロパティはフィルタリング プロパティです。フィルタリング プロパティは、分割プロパティの前に処理されます。

重要: これらのクライアント構成プロパティは、リモート デスクトップの Horizon Agent に設定された対応ポリシーによって結合または無効にされる場合があります。 Horizon Agent USB ポリシーに関連してクライアントで USB 分割およびフィルタリングがどのように機能するかについては、 VMware Horizon Console の管理の USB リダイレクトを制御するためのポリシーの使用についてのトピックを参照してください。