Horizon Client をコマンド ラインまたはスクリプトから実行できます。エンド ユーザーにリモート デスクトップ アプリケーションへのアクセスを許可するキオスク ベースのアプリケーションを実装する場合などは、Horizon Client をコマンドラインから実行します。

Horizon Client をコマンドラインから実行するには、vmware-view.exe コマンドを使用します。vmware-view.exe コマンドには、Horizon Client の動作を変更するために指定できるオプションが含まれます。

Horizon Client コマンドの使用

vmware-view コマンドの構文によって、Horizon Client の動作が制御されます。

Windows コマンド プロンプトで、次の形式の vmware-view コマンドを使用します。

vmware-view [command_line_option [argument]] ...

vmware-view コマンドの実行ファイルへのデフォルト パスは、クライアント システムによって異なります。このパスは、クライアント システムの PATH 環境変数に追加できます。

  • 32 ビット システム:C:\Program Files\VMware\VMware Horizon View Client\
  • 64 ビット システム:C:\Program Files (x86)\VMware\VMware Horizon View Client\

次の表に、vmware-view コマンドと併用できるコマンド ライン オプションを示します。

表 1. Horizon Client のコマンド ライン オプション
オプション 説明
/? コマンド オプションの一覧を表示します。
-appName application_name デスクトップおよびアプリケーションの選択ウィンドウに表示された公開アプリケーションの名前を指定します。この名前は、プール作成ウィザードでアプリケーション プールに対して指定した表示名です。
-appProtocol protocol 使用可能であれば、公開アプリケーションの表示プロトコルを指定します。有効なプロトコルは次のとおりです。
  • Blast
  • PCoIP
-appSessionReconnectionBehavior 引数 再接続時における公開アプリケーションの動作の設定を指定します。有効な引数は次のとおりです。
always
[自動的に再接続し、アプリケーションを開く] 設定を実装します。
never
[再接続も自動再接続も要求しない] が設定されます。
ask
[再接続を要求し、アプリケーションを開く] が設定されます。

このオプションを使用すると、Horizon Client で公開アプリケーションの再接続設定が無効になります。

-args 引数 公開アプリケーションの起動時に追加するコマンドライン引数を指定します。例:
vmware-view.exe -serverURL
10.10.10.10 -appName "My Notepad++" -args "\"my new.txt\""
-connectUSBOnStartup true に設定すると、ホストに接続されているすべての USB デバイスをリモート デスクトップまたは公開アプリケーションにリダイレクトします。リモート デスクトップに -unattended オプションを指定すると、このオプションが暗黙のうちに設定されます。デフォルトは、false です。
-connectUSBOnInsert true に設定すると、USB デバイスを差し込んだときに、そのデバイスを前面のリモート デスクトップまたは公開アプリケーションに接続します。リモート デスクトップに -unattended オプションを指定すると、このオプションが暗黙のうちに設定されます。デフォルトは、false です。
-desktopLayout window_size リモート デスクトップのウィンドウを表示する方法を指定します。有効なウィンドウ サイズの値は次のとおりです。
fullscreen
全画面表示。
multimonitor
複数のモニター表示
windowLarge
大きなウィンドウ。
windowSmall
小さなウィンドウ。
length X width
カスタム サイズ。たとえば、800 x 600。
-desktopName desktop_name デスクトップおよびアプリケーションの選択ウィンドウに表示されたリモート デスクトップの名前を指定します。この名前は、プール作成ウィザードでプールに指定した表示名です。
重要: キオスク モードではクライアントにこのオプションを指定しないでください。リモート デスクトップがキオスク モードで実行されている場合、このオプションは効果がありません。キオスク モードでは、資格を付与されたリモート デスクトップのリストの最初のリモート デスクトップに接続が確立されます。
-desktopProtocol protocol 使用する表示プロトコル (デスクトップおよびアプリケーションの選択ウィンドウに表示されたプロトコル) を指定します。有効な表示プロトコルは次のとおりです。
  • Blast
  • PCoIP
  • RDP
-domainName domain_name エンド ユーザーが Horizon Client にログインするために使用する NETBIOS ドメインを指定します。たとえば、mycompany.com ではなく mycompany を使用してください。
-file file_path 追加のコマンド オプションおよび引数を記述した構成ファイルのパスを指定します。
-h ヘルプ オプションを表示します。
-hideClientAfterLaunchSession true に設定すると、デスクトップとアプリケーションの選択ウィンドウが非表示になります。false に設定すると、デスクトップとアプリケーションの選択ウィンドウが表示されます。
-installShortcutsThenQuit サーバに設定されているデスクトップとアプリケーションのショートカットをインストールするには、このオプションを使用します。このオプションを使用して必要なサーバ認証情報を指定すると、Horizon Client はサイレント モードでサーバに接続し、ショートカットのインストール後に終了します。サーバの認証に失敗すると、Horizon Client がサイレント モードで終了します。

クライアント システムにショートカットを自動的にインストールするには、クライアント システムの起動時に実行されるスクリプトを作成します。例:

vmware-view.exe -serverURL serverurl -userName user -domainName domain 
-password password -installShortcutsThenQuit

vmware-view.exe -serverURL serverurl -loginAsCurrentUser true -installShortcutsThenQuit

サーバが作成したショートカットの詳細については、ショートカットの更新の設定を参照してください。

-languageId Locale_ID Horizon Client をさまざまな言語で使用するための各国語化サポートを提供します。リソース ライブラリが利用可能な場合は、使用するロケール ID(LCID)を指定します。英語(米国)の場合は、値 0x409 を入力します。
-launchMinimized Horizon Client を最小化モードで起動します。

-appName または -desktopName オプションを指定した場合、指定した公開アプリケーションまたはリモート デスクトップが開始するまで、Horizon Client は最小化されたままになります。

このオプションは、-unattended または -nonInteractive オプションと一緒に使用できません。

-listMonitors 接続されているモニターのインデックス値と表示レイアウトの情報を表示します。例:
1: (0, 0, 1920, 1200)
2: (1920, 0, 3840, 1200)
3: (-900, -410, 0, 1190)

これらのインデックス値は -monitors オプションで使用します。

-loginAsCurrentUser true に設定している場合、クライアント システムにログインするときにエンド ユーザーが入力する認証情報を使用してサーバにログインし、最終的にリモート デスクトップにログインします。デフォルトは、false です。
-monitors "n[,n,n,n]" 複数のモニター環境で使用するモニター数を指定します。 n は、モニターのインデックス値です。-listMonitors オプションを使用して、接続されているモニターのインデックス値を判別できます。カンマで区切りで最大 4 つのインデックス値を指定できます。例:
-monitors "1,2"

-desktopLayoutmultimonitor に設定されていない限り、このオプションは効果がありません。

-nonInteractive Horizon Client をスクリプトから起動するときにエラー メッセージ ボックスを非表示にします。-unattended オプションを指定すると、このオプションが暗黙のうちに設定されます。
注: インタラクティブ モードでないサーバにログインする場合、 [スタート] メニューのショートカット(使用可能な場合)のインストールを求めるプロンプトは表示されず、ショートカットはデフォルトでインストールされます。
-noVMwareAddins 仮想印刷など、VMware 固有の仮想チャネルのロードを防止します。
-password password エンド ユーザーが Horizon Client にログインするために使用するパスワードを指定します。このパスワードはコマンドコンソール、またはスクリプト ツールによって、テキスト形式で処理されます。パスワードを自動生成する場合は、キオスク モードのクライアントにこのオプションを指定する必要はありません。セキュリティ向上のため、このオプションを指定しないでください。ユーザーはパスワードをインタラクティブに入力できます。
-printEnvironmentInfo クライアント デバイスの IP アドレス、MAC アドレス、およびマシン名を表示します。
-serverURL connection_server サーバの URL、IP アドレス、または FQDN を指定します。
-shutdown すべてのリモート デスクトップと公開アプリケーションをシャットダウンします。関連するユーザー インターフェイス コンポーネントもシャットダウンされます。
-singleAutoConnect ユーザーが使用資格を持つリモート デスクトップまたは公開アプリケーションが 1 つだけの場合、ユーザーがサーバで認証を行った後に、そのリモート デスクトップまたは公開アプリケーションに接続します。この設定を行うと、1 項目しかないリストからリモート デスクトップまたは公開アプリケーションを選択する必要がなくなります。
-smartCardPIN PIN エンド ユーザーがスマート カードを挿入してログインするときの PIN を指定します。
-usernameHint user_name ユーザー名のヒントとして使用するアカウント名を指定します。
-standalone 同じまたは異なるサーバに接続できる Horizon Client の 2 つ目のインスタンスを起動します。後方互換性のため、このオプションがサポートされています。これは、クライアントのデフォルトの動作のため、-standalone を指定する必要はありません。

同じサーバまたは異なるサーバへの複数のリモート デスクトップの接続では、セキュアなトンネルの使用はサポートされます。

注: 2 番目のリモート デスクトップ接続では、USB デバイス、スマート カード、プリンタ、およびマルチモニタなどのローカル ハードウェアへのアクセスはできません。
-supportText file_name テキスト ファイルのフルパスを指定します。ファイルのコンテンツは、[バージョン情報] ダイアログ ボックスに表示されます。
-unattended キオスク モードのクライアントに適した非対話式モードで Horizon Client を起動します。次の情報も指定する必要があります。
  • クライアント デバイスの MAC アドレスからアカウント名を生成しなかった場合は、クライアントのアカウント名。名前は、文字列「custom-」、または ADAM で定義した別のプリフィックス文字列で始まる必要があります。
  • パスワードを自動生成しないようにクライアントのアカウントを設定した場合は、クライアントのパスワード。

-unattended オプションを指定すると、-nonInteractive-connectUSBOnStartup-connectUSBOnInsert、および -desktopLayout multimonitor の各オプションも暗黙のうちに設定されます。

-unauthenticatedAccessAccount 非認証アクセスが有効な場合に、サーバに匿名でログインするために使用する非認証アクセス ユーザー アカウントを指定します。非認証アクセスが無効な場合、このオプションは無視されます。
例:
vmware-view.exe -serverURL view.mycompany.com 
-unauthenticatedAccessEnabled true 
-unauthenticatedAccessAccount anonymous1

-unauthenticatedAccessEnabled

true に設定されている場合、非認証アクセスが有効になります。非認証アクセスが使用できない場合、クライアントは別の認証方法を選択できます。[非認証アクセス] 設定が Horizon Client に表示され、無効にされて、選択されます。

false に設定されている場合、認証情報を入力してログインし、アプリケーションにアクセスするようにユーザーに求めます。[非認証アクセス] 設定が、Horizon Client に表示されず選択解除されます。

このオプションを指定しない場合、Horizon Client で非認証アクセスを有効にできます。[非認証アクセス] 設定が表示され、有効にされて、選択解除されます。

-useExisting 1 つのHorizon Client セッションから複数のリモート デスクトップと公開アプリケーションを起動できるようになります。

このオプションを指定すると、Horizon Client は、同じユーザー名、ドメイン、およびサーバ URL があるセッションが存在していないかどうかが確認され、存在している場合には、セッションを作成する代わりにそのセッションを再利用します。

たとえば、次のコマンドでは user-1 が電卓アプリケーションを起動し、新しいセッションが作成されます。

vmware-view.exe -userName user-1 -password secret 
-domainName domain -appName Calculator 
-serverURL view.mycompany.com -useExisting

次のコマンドでは、user1 がペイント アプリケーションを同じユーザー名、ドメイン、およびサーバ URL を使用して起動しており、同じセッションが使用されます。

vmware-view.exe -userName user-1 -password secret 
-domainName domain -appName Paint 
-serverURL view.mycompany.com -useExisting
-userName user_name エンド ユーザーが Horizon Client にログインするために使用するアカウント名を指定します。クライアント デバイスの MAC アドレスからアカウント名を生成する場合、キオスク モードのクライアントにこのオプションを指定する必要はありません。

-file-languageId-printEnvironmentInfo-smartCardPIN、および -unattended を除くすべてのオプションを Active Directory グループ ポリシーによって指定できます。

注: コマンドラインで指定する設定より、グループ ポリシーの設定が優先されます。コマンドライン オプションでは、大文字と小文字が区別されます。

Horizon Client 構成ファイル

構成ファイルから Horizon Client のコマンド ライン オプションを読み取ることができます。

vmware-view コマンドの -file file_path オプションに引数として構成ファイルのパスを指定できます。ファイルは Unicode (UTF-16) または ASCII テキスト ファイルである必要があります。

非対話的アプリケーション用の構成ファイルの例

以下の例は、非対話的アプリケーション用の構成ファイルの内容を示します。

-serverURL https://view.yourcompany.com
-userName autouser
-password auto123
-domainName companydomain
-desktopName autodesktop
-nonInteractive

キオスク モードのクライアントの構成ファイルの例

以下の例は、アカウント名がクライアントの MAC アドレスに基づくキオスク モードのクライアントを示しています。クライアントは自動的に生成されたパスワードを持ちます。

-serverURL 145.124.24.100
-unattended