この記事では、Horizon Edge Gateway の簡易ネットワーク管理プロトコル (SNMP) の設定を有効にして構成する方法について説明します。この構成により、ネットワーク管理システムを介して主要な Horizon Edge Gateway イベントを監視できます。

Horizon Edge Gateway での SNMP 監視の仕組み

Horizon Edge Gateway は、特定のイベントが発生したときに Horizon Edge Gateway アプライアンスから発生する SNMP トラップの使用による監視をサポートします。これらのトラップは、ネットワーク管理システムにトリガ イベントや条件を通知します。

注: Horizon Edge Gateway はトラップ エミッタとしてのみ機能し、 GETGETBULKGETNEXT の操作の受信など、その他の SNMP 操作はサポートしません。

Horizon Edge Gateway の SNMP 監視を有効にするには、この記事の説明に従って SNMP 監視を構成する必要があります。

MIB(Management Information Base)ファイルでは、管理対象デバイスから提供可能な情報を定義する、トラップ定義が含まれています。MIB ファイルには、オブジェクト識別子 (OID) 別に記述された管理対象オブジェクトと階層別に整理された変数が定義されています。この記事の後半で提供するリンクを使用して、必要な MIB ファイルをダウンロードできます。

SNMP トラップで監視できる Horizon Edge Gateway イベント

アプライアンスの SNMP サービスを有効にして構成すると、Horizon Edge Gateway は以下のイベントの SNMP トラップをサポートします。

  • 現在、ライセンス プッシュ失敗の監視がサポートされています。

各イベントにより、アプライアンスからネットワーク管理システムへの SNMP トラップの送信がトリガされます。

Horizon Edge Gateway の SNMP 監視の構成方法

SNMP 構成プロセスの手順全体の概要は以下のとおりです。

  • 手順 1:ネットワーク管理システムで使用する VMware MIB ファイルをダウンロードします。
  • 手順 2:Horizon Universal Console で SNMP サービスを有効にして構成します。
  • 手順 3:Horizon Universal Console を使用して、Horizon Edge Gateway エンジン ID を表示します。

前提条件および各手順の詳細については、以降のセクションを参照してください。

前提条件

  • Horizon Plus ライセンスまたは Horizon ユニバーサル ライセンスを使用して Horizon Edge をデプロイします。「リソース キャパシティ プロバイダへの Horizon Edge のデプロイ」を参照してください
  • SNMP トラップを受信できる SNMPv3 トラップ レシーバが構成されている必要があります。
  • Horizon Edge Gateway が SNMP レシーバにアクセスできることを確認します。通常、SNMP トラップのデフォルト ポートは 162 です。
    注: SNMP ベースの監視は、 Horizon Edge Gateway でのみサポートされます。

手順 1:VMware MIB ファイルと OID のダウンロード

管理情報の構造 (SMI) に関する RFC 2578 標準は、特定の製品および機能の管理情報ベース (MIB) ファイルの記述に使用される構文です。これらの MIB ファイルは、製品とは別にバージョン管理され、イベント タイプおよびイベント データ関連情報の識別に使用できます。

これらの MIB ファイルをダウンロードするには、「VMware ナレッジベースの記事 KB1013445」を参照して、VMware-mibs-8.6.0NX-22397641 をダウンロードしてください。

MIB ファイルで使用されるオブジェクト識別子 (OID) をダウンロードするには、VMware ナレッジベースの記事 KB2054359を参照してください。

手順 2:Horizon Universal Console を使用した SNMP サービスの有効化と構成

SNMP サービスの設定には、Horizon Universal Console からアクセスできます。

  1. Horizon Universal Console[統合] を選択し、SNMP タイルで [管理] をクリックします。
  2. [SNMP] 画面で、[追加] をクリックします。

    [SNMP の追加] ウィザードが起動します。

  3. 構成名、ユーザー名、およびセキュリティ レベルの設定を、次の表の記載どおりに指定します。
    設定 説明
    [SNMP バージョン] このリリースは、SNMPv3 のみをサポートしています。
    [SNMPv3 構成名] 受信者の構成を識別するためのユーザー指定の名前。
    [SNMPv3 USM ユーザー名] SNMP 監視情報にアクセスできる、SNMPv3 USM(ユーザーに基づくセキュリティ モデル)のユーザーを構成します。ユーザー名は、8 文字から 31 文字の長さで、英数字のみを使用する必要があります。
    [SNMPv3 セキュリティ レベル]

    SNMP サービスで、プライバシー アルゴリズムの有無にかかわらず、オプションの認証アルゴリズムを使用するかどうかを指定します。認証は、ユーザーの ID を確認するために使用します。プライバシーを使用すると、SNMPv3 メッセージを暗号化してデータの機密性を保証できます。

    認証およびプライバシーは、どちらもオプションです。ただし、プライバシーを有効にするには、認証を有効にする必要があります。

  4. (オプション)認証を含むセキュリティ レベルを指定した場合は、次の表の記載内容に従って認証の詳細を構成します。
    設定 説明
    [SNMPv3 認証アルゴリズム] SNMP ユーザーの ID を確立するために使用する認証アルゴリズムを指定します。
    [SNMPv3 認証パスワード] ユーザーの ID を確立するための認証アルゴリズムに必要なパスワードを構成します。認証パスワードの長さは 8 文字から 31 文字までにする必要があります。
    [認証パスワードの確認] 認証パスワードを再入力します。
  5. (オプション)認証とプライバシーの両方を含むセキュリティ レベルを指定した場合は、次の表の記載内容に従ってプライバシーの詳細を構成します。
    設定 説明
    [SNMPv3 プライバシー アルゴリズム] SNMP メッセージの暗号化に使用するプライバシー アルゴリズムを指定します。
    [SNMPv3 プライバシー パスワード] 暗号化キーを生成するためのプライバシー アルゴリズムに必要なパスワードを構成します。プライバシー パスワードの長さは 8 文字から 31 文字までにする必要があります。
    [プライバシー パスワードの確認] プライバシー パスワードを再入力します。
  6. 次の表の説明に従って、Horizon Edge Gateway から SNMP トラップを受信できる SNMP レシーバの IP アドレスとポートの詳細を指定し、[次へ] をクリックします。
    設定 説明
    [レシーバの IP アドレス] SNMP トラップを受信できる、ネットワーク管理システムの IP アドレスを指定します。
    [レシーバ ポート] トラップを受信するためのネットワーク管理システムが使用するポート番号を指定します。
    [レシーバのコミュニティ文字列] 受信したトラップが Horizon Edge Gateway から発生していることを検証するために、ネットワーク管理システムが使用するコミュニティ文字列を入力します。

    次のスクリーンショットは、設定が構成された [SNMP の追加] フォームの例を示しています。

    [SNMP の追加] ウィザードの手順 1 のスクリーンショット。

    構成に成功すると、SNMP 構成が追加されたことを示すメッセージが表示されます。

  7. [Horizon Edge の割り当て] セクションで、SNMP 構成に割り当てる Horizon Edge を選択します。

    複数の Horizon Edge を単一の SNMP の構成に割り当てることができます。ただし、複数の SNMP 構成に Horizon Edge を割り当てることはできません。Horizon Edge が SNMP 構成に割り当てられると、Horizon Edge のリストに表示されなくなります。

    SNMP 構成を Horizon Edge に割り当てると、エンジン ID が作成されます。

    [SNMP の追加] ウィザードの手順 2 のスクリーンショット。
  8. 選択した Horizon Edge の SNMP 監視を有効にするには、[SNMP を有効にする] トグルがオンになっていることを確認します。
    注: [SNMP を有効にする] トグルのデフォルトの状態は、 Horizon Edge の関連付け中にオンになっています。
  9. [保存] をクリックします。

手順 3:Horizon Universal Console を使用して特定の Horizon Edge Gateway の SNMP エンジン ID を取得する

SNMP の有効化プロセス中に、ネットワーク管理システムで使用する一意の SNMP エンジン ID が、 Horizon Edge Gateway によって自動生成されます。エンジン ID は、ハッシュ機能によって、SNMP v3 メッセージの認証と暗号化のための鍵を生成するために使用されます。
注: SNMP レシーバを構成し、その Horizon Edge Gateway から送信される SNMP トラップ メッセージを識別するには、SNMP エンジン ID が必要です。
  • Horizon Universal Console を使用して、Horizon Edge の SNMP エンジン ID に移動します。
    1. [リソース] > [キャパシティ] > [] の順に選択します。
    2. SNMP 構成を割り当てた Horizon Edge の名前をクリックします。
    3. [SNMP] セクションまでスクロールし、[エンジン ID] の値を見つけます。

    次のスクリーンショットは、Horizon Universal Console に表示される自動生成された SNMP エンジン ID の例を示すものです。

    [Horizon Edge] ページの [SNMP] セクションのスクリーンショット。

次の手順

[SNMP] 画面にいつでも戻って、既存の SNMP 構成を編集または削除することができます。SNMP 構成を編集して、SNMP レシーバの詳細または SNMP の関連付けを変更できます。SNMP 構成を削除するには、まず構成を編集して、割り当てられた Horizon Edge の割り当てを解除します。