複合 USB デバイスは、ビデオ入力デバイスとストレージ デバイス、もしくはマイクロフォンとマウス デバイスなど、2 つ以上のデバイスの組み合わせで構成されます。1 つ以上のコンポーネントをリダイレクトに利用できるようにする必要がある場合は、複合デバイスをコンポーネント インターフェイスに分割し、特定のインターフェイスをリダイレクト対象から除外し、残りのインターフェイスをリダイレクトに含めることができます。
複合デバイスを自動的に分割するポリシーを設定できます。特定のデバイスで自動デバイス分割が機能しない場合や、使用しているアプリケーションで必要な結果が自動分割で得られない場合には、複合デバイスを手動で分割できます。
自動デバイス分割
自動デバイス分割を有効にすると、Horizon は現在適用されているフィルタ ルールに従って複合デバイス内の機能もしくはデバイスを分割しようとします。たとえば、マウス デバイスをクライアントでしか使えない状態に保つために口述マイクロフォンを自動分割しても他のデバイスはリモート デスクトップに転送するというケースが考えられます。
次の表は、Horizon Client が複合 USB デバイスを自動分割するかどうかを決定する Allow Auto Device Splitting の設定値を示しています。デフォルトでは、自動分割は無効になっています。
Horizon Agent での自動デバイス分割を許可するポリシー | Horizon Client での自動デバイス分割を許可するポリシー | 組み合わせた場合の効果的な自動デバイス分割を許可するポリシー |
---|---|---|
Allow - Default Client Setting | false(自動分割が無効) | 自動分割が無効 |
Allow - Default Client Setting | true(自動分割が有効) | 自動分割が有効 |
Allow - Default Client Setting | 未定義 | 自動分割が有効 |
Allow - Override Client Setting | いずれか、または未定義 | 自動分割が有効 |
未定義 | 未定義 | 自動分割が無効 |
デフォルトでは、Horizon の自動分割は無効であり、複合 USB デバイスのオーディオ出力、キーボード、マウス、スマート カードのコンポーネントはすべてリダイレクト対象から除外されます。
Horizon では、デバイス分割ポリシー設定を適用してから、フィルタ ポリシー設定をすべて適用します。自動分割を有効にしたときに、ベンダー/プロダクト ID を指定し、分割対象から複合 USB デバイスを明示的に除外しない場合は、Horizon が複合 USB デバイスの各インターフェイスを調べ、フィルタ ポリシー設定に従って、除外するインターフェイスか、含めるインターフェイスかを判断します。自動デバイス分割を無効にしたときに、分割する複合 USB デバイスのベンダー/プロダクト ID を明示的に指定しない場合、Horizon はデバイス全体にフィルタ ポリシー設定を適用します。
自動分割を有効にすると、Exclude Vid/Pid Device From Split ポリシーを使用して、分割対象から除外する複合 USB デバイスを指定できます。
手動デバイス分割
Split Vid/Pid Device ポリシーを使用して、分割したい複合 USB デバイスのベンダーおよびプロダクト ID を指定できます。リダイレクト対象から除外したい複合 USB デバイスのコンポーネントについては、そのインターフェイスも指定できます。このようにして除外したコンポーネントに対しては、どのフィルタ ポリシー設定も Horizon で適用されません。
Horizon Agent でのデバイス分割ポリシー設定の分割修飾子 では、Horizon Client に同等のデバイス分割ポリシー設定が存在する場合に、Horizon Client で Horizon Agent デバイス分割ポリシー設定を処理する方法を指定する修飾子を示しています。これらの修飾子は、すべてのデバイス分割ポリシー設定に適用されます。
修飾子 | 説明 |
---|---|
m(マージ) | Horizon Client は、Horizon Client デバイス分割ポリシー設定に加えて、Horizon Agent デバイス分割ポリシー設定を適用します。 |
o(上書き) | Horizon Client は、Horizon Client デバイス分割ポリシー設定の代わりに、Horizon Agent デバイス分割ポリシー設定を使用します。 |
デバイス分割ポリシー設定への分割修飾子の適用例 では、別の分割修飾子を指定したときに、Horizon Client でExclude Device From Split by Vendor/Product ID の設定を処理する方法の例を示しています。
Horizon Agent でのベンダー/製品 ID によりデバイスを分割から除外するポリシー | Horizon Client でのベンダー/製品 ID によりデバイスを分割から除外するポリシー | Horizon Client で使用される効果的なベンダー/製品 ID によりデバイスを分割から除外するポリシー |
---|---|---|
m:vid-XXXX_pid-XXXX | vid-YYYY_pid-YYYY | vid-XXXX_pid-XXXX;vid-YYYY_pid-YYYY |
o:vid-XXXX_pid-XXXX | vid-YYYY_pid-YYYY | vid-XXXX_pid-XXXX |
m:vid-XXXX_pid-XXXX;vid-YYYY_pid-YYYY | vid-YYYY_pid-YYYY | vid-XXXX_pid-XXXX;vid-YYYY_pid-YYYY |
o:vid-XXXX_pid-XXXX;vid-YYYY_pid-YYYY | vid-YYYY_pid-YYYY | vid-XXXX_pid-XXXX;vid-YYYY_pid-YYYY |
Horizon Agent は、デバイス分割ポリシー設定を接続先で適用しません。
- Exclude Vid/Pid Device From Split
- Split Vid/Pid Device
分割対象からデバイスを除外するデバイス分割ポリシー設定は、デバイスを分割するためのどのポリシー設定よりも優先されます。分割対象から除外するインターフェイスまたはデバイスを定義すると、Horizon Client は、一致するコンポーネント デバイスをリダイレクトに利用可能なデバイスから除外します。
複合 USB デバイスを分割するためのポリシーの設定例
自動分割後に、特定のベンダーおよび製品 ID のデバイスをリダイレクト対象から除外するデスクトップの分割ポリシーを設定し、そのポリシーをクライアント コンピュータに渡します。
- Horizon Agent の場合、Allow Auto Device Splitting ポリシーを Allow - Override Client Setting に設定します。
- Horizon Agent の場合、Exclude VidPid From Split ポリシーを o:vid-xxx_pid-yyyy に設定します(xxx と yyyy は該当する ID)。
デスクトップの自動デバイス分割を許可し、クライアント コンピュータで特定のデバイスを分割するポリシーを指定します。
- Horizon Agent の場合、Allow Auto Device Splitting ポリシーを Allow - Override Client Setting に設定します。
- クライアント デバイスの場合、Include Vid/Pid Device フィルタ ポリシーを、分割したい特定のデバイスを含めるように設定します(例:vid-0781_pid-554c)。
- クライアント デバイスの場合、Split Vid/Pid Device ポリシーを、指定した複合 USB デバイスを分割してインターフェイス 00 とインターフェイス 01 をリダイレクト対象から除外するように設定します(例:vid-0781_pid-554c(exintf:00;exintf:01))。