VMware Horizon のエンタープライズ展開のアップグレードには、高度な作業がいくつか含まれます。アップグレードは複数のステージからなるプロセスであり、特定の順序で手順を実行する必要があります。

重要: View Composer、View Composer リンク クローン、パーシステント ディスクは廃止されました。この機能はパッケージにまだ存在していますが、View Composer を使用して新しいプロジェクトを開始することはおすすめしません。View Composer とそれに関連する機能は今後のリリースで削除される予定です。View Composer を使用している場合は、インスタント クローンに移行する明確な計画がない限り、 VMware Horizon 2006 にアップグレードしないでください。 VMware Horizon バージョン 7.x では View Composer を引き続き使用できます。View Composer リンク クローンとパーシステント ディスクの詳細については、 https://docs.vmware.com/jp/VMware-Horizon-7/index.htmlで入手可能なドキュメントを参照してください。

アップグレード処理は特定の順序で行う必要があります。各アップグレード ステージの中での順序も重要です。

注: ここでは、メジャー、マイナー、およびメンテナンス リリースの概要について説明します。

以下のうち実行する必要があるタスクは、展開で使用する VMware Horizon のコンポーネントによって異なります。

  1. 最新バージョンの VMware Horizon でサポートされなくなった機能がある場合は、アップグレードを続行する前に、これらの機能の一部をアンインストールする必要があります。サポートが終了した機能のアンインストールを参照してください。
  2. エンド ユーザーのクライアント デバイスで実行する Horizon Client ソフトウェアをアップグレードします。クライアント アプリケーションのアップグレードを参照してください。
  3. Connection Server インスタンスをホストする物理マシンまたは仮想マシンで、バックアップを行い、さまざまな構成とシステム設定を記録します。アップグレードのための Connection Server の準備を参照してください。

    レプリカ グループ内に複数の Connection Server インスタンスがある場合は、グループ内の 1 つのインスタンスのみについてバックアップを作成して設定を記録します。その他の準備タスクについては、一度に 1 つのインスタンスについてタスクを実行し、続いてそのサーバ インスタンスのアップグレードを実行できます。

  4. Connection Server インスタンスをアップグレードします。レプリカ グループ内の Connection Server のアップグレードを参照してください。

    ロード バランサを使用する複数の Connection Server インスタンスから構成される標準的な本番環境では、Connection Server インスタンスのアップグレード時に負荷が分散されているクラスタからインスタンスを削除する必要があります。

    重要: Connection Server インスタンスを最新バージョンにアップグレード後は、以前のバージョンにインスタンスをダウングレードできません。複製したグループですべての Connection Server のインスタンスのアップグレード後は、以前のバージョンを実行する他のインスタンスを追加できません。
  5. Active Directory で使用するグループ ポリシーをアップグレードします。Horizon グループ ポリシー管理用テンプレート ファイルの使用を参照してください。
  6. VMware vSphere コンポーネントもアップグレードしている場合は、vCenter Server をアップグレードします。vCenter Server のアップグレードを参照してください。

    vCenter Server のアップグレード中に、既存のリモート デスクトップとアプリケーションのセッションは切断されません。プロビジョニング状態のリモート デスクトップは vCenter Server のアップグレード中にパワーオンされません。また、vCenter Server のアップグレード中に新しいデスクトップは起動されません。

  7. vSphere もアップグレードしている場合は、VMware® ESXi™ ホストおよび仮想マシンをアップグレードします。ESXi ホストおよび仮想マシンのアップグレードを参照してください。

    ホストがクラスタ環境で構成されている場合は、vMotion を使用して仮想マシンをクラスタ内の別のホストに移行することにより、ESXi ホストをゼロ ダウンタイムでアップグレードできます。

  8. Windows ターミナル サービスサーバを現在デスクトップ ソースとして使用している場合は、Windows Server 2012 R2 以降にアップグレードし、RDS ホスト ロールがインストールされていることを確認します。セッション ベースのデスクトップを提供する RDS ホストのアップグレードを参照してください。
  9. デスクトップのクローン作成のテンプレートとして、プール内の完全クローン デスクトップとして、また、手動プール内の個別のデスクトップとして、それぞれ使用されている物理マシンまたは仮想マシン上で実行する Horizon™ Agent ソフトウェアをアップグレードします。Horizon Agent のアップグレードを参照してください。
  10. 新しくアップグレードした仮想マシン デスクトップ ソースを使用して、デスクトップのアップグレードされたプールを作成します。インスタント クローン デスクトップ プールのアップグレードを参照してください。
  11. クラウド ポッド アーキテクチャの機能を使用する場合は、クラウド ポッド アーキテクチャ 環境のアップグレードを参照してください。

一部のコマンドは複数のステージを同時にアップグレードできるので、各ステージでの元に戻すことができない変更についてよく理解してから、本稼動環境をアップグレードすることをお勧めします。

Extended Service Branch の展開

VMware では、年に 1 回、Extended Service Branch (ESB) として 1 つの VMware Horizon リリースを指定します。ESB は、製品の既存の最新リリース (CR) への並行リリース ブランチです。ESB を導入することで、重要なバグ修正やセキュリティ修正を含むサービスパック (SP) のアップデートが定期的に提供されます。もっとも重要な点は、SP のアップデートには新機能が含まれていない点です。これにより、ユーザーは安定した Horizon プラットフォーム上で重要な展開環境を維持することができます。

ESB の詳細と、ESB で指定されている Horizon のバージョンについては、https://kb.vmware.com/s/article/52845にある「FAQ: Horizon, App Volumes, DEM Extended Service Branches (ESB)」を参照してください。