[デスクトップ プールの追加]ウィザードを使用すると、Linux 仮想マシンにインスタント クローン フローティング デスクトップ プールを作成できます。インスタント クローン フローティング デスクトップ プールの作成後、Horizon 環境内でリモート デスクトップとして Linux 仮想マシンを使用できます。

Horizon Agent for Linux は、次のオペレーティング システムを実行している仮想マシンから作成されたインスタント クローン デスクトップ プールのみをサポートします。

  • Ubuntu 18.04/20.04
  • RHEL Workstation 7.2 以降、8.x
  • RHEL Server 7.8、7.9、8.3、および 8.4
  • CentOS 7.8、7.9、8.3、8.4
  • SLED/SLES 12.x、15.x
注: vGPU グラフィック機能は、次のオペレーティング システムを実行している Linux マシンから作成されたインスタント クローン デスクトップ プールのみでサポートされます。
  • Ubuntu 18.04/20.04
  • RHEL/CentOS 7.9、8.3、および 8.4

以下では、Linux ベースのインスタント クローン デスクトップ プールに必須の設定を行う場合のガイドラインを説明します。インスタント クローン デスクトップ プールの作成の詳細については、Horizon での仮想デスクトップのセットアップを参照してください。

前提条件

  • vCenter Server で仮想マシンを作成し、Linux オペレーティング システムをインストールする手順について理解しておきます。詳細については、仮想マシンを作成して、Linux をインストールするを参照してください。
  • PBISO 認証ソリューションまたは Samba Winbind オフライン参加で Active Directory を統合する手順について理解しておきます。詳細については、PBISO (PowerBroker Identity Services Open) 認証の設定またはSamba オフライン ドメイン参加の設定を参照してください。
    注: RHEL 8.x を実行している Linux 仮想マシンからインスタント クローン デスクトップ プールを作成するには、Samba Winbind オフライン参加を使用して Active Directory を統合します。PBISO 認証を使用する RHEL 8.x 仮想マシンでは、インスタント クローン デスクトップ プールはサポートされません。
  • Horizon Agent for Linux のインストール手順について理解しておきます。詳細については、Linux 仮想マシンへの Horizon Agent のインストールを参照してください。
  • VMware vSphere Web Client を使用して Linux 仮想マシンのパワーオフ状態のスナップショットを作成する手順について理解しておきます。VMware vSphere ドキュメントにある『vSphere 単一ホスト管理:VMware Host Client』で「VMware Host Client のスナップショットの取得」を参照してください。
  • vCenter Server が Horizon Connection Server に追加されていることを確認します。

手順

  1. 親 Linux 仮想マシン (VM) を作成し、インスタント クローン デスクトップ プールの作成をサポートするオペレーティング システムを新規にインストールします。この記事で、以前にサポートされていたオペレーティング システムのリストを参照してください。
    詳細については、 仮想マシンを作成して、Linux をインストールするを参照してください。
    重要: インスタント クローン デスクトップ プールの親仮想マシンには、新しくインストールされた Linux オペレーティング システムを搭載した仮想マシンを必ず使用してください。すでにクローン作成されたシステムを親仮想マシンとして使用しないでください。
  2. Ubuntu マシンの場合は、次のコマンドを使用して、Open VMware Tools (OVT) を手動でインストールします。
    # apt-get install open-vm-tools

    詳細については、リモート デスクトップ デプロイ用の Linux マシンの準備を参照してください。

  3. Linux ディストリビューションに必要な依存パッケージをすべてインストールします。
    詳細については、 Horizon Agent 用依存パッケージのインストールを参照してください。
  4. Linux 仮想マシンに Horizon Agent for Linux をインストールします。
    # sudo ./install_viewagent.sh -A yes
    詳細については、 Linux 仮想マシンへの Horizon Agent のインストールを参照してください。
  5. Linux 仮想マシンを Active Directory と統合します。
    • PBISO 認証ソリューションを使用するには、次の手順に従います。
      1. PBIS Open 8.5.6 以降を https://www.beyondtrust.com/products/powerbroker-identity-services-open/ からダウンロードして、Linux 仮想マシンにインストールします。
        # sudo ./pbis-open-8.5.6.2029.linux.x86_64.deb.sh
      2. Linux デスクトップと Active Directory の統合の PBISO (PowerBroker Identity Services Open) 認証セクションの情報を使用して Linux 仮想マシンを Active Directory と統合します。
    • Samba Winbind オフライン参加を使用するには、/etc/vmware/viewagent-custom.conf ファイルで次のオプションを構成します。YOURDOMAIN は、ドメインの NetBIOS 名に置き換えます。
      OfflineJoinDomain=samba
      
      NetbiosDomain=YOURDOMAIN
      注: RHEL 8.x 仮想マシンと Active Directory との統合には、Samba Winbind を使用する必要があります。オプションを設定しないと、インスタント クローンのフローティング デスクトップ プールの作成に失敗します。
    • オフライン ドメイン参加を無効にする場合は、/etc/vmware/viewagent-custom.conf ファイルの OfflineJoinDomain オプションを none に設定する必要があります。オプションを設定しないと、インスタント クローンのフローティング デスクトップ プールの作成に失敗します。
  6. DHCP サーバが DNS サーバにブロードキャストしない場合には、Linux システムの DNS サーバを指定します。
    新しいインスタント クローン仮想マシンを作成すると、新しい仮想ネットワーク アダプタが追加されます。インスタント クローン仮想マシンに新しいネットワーク アダプタを追加すると、仮想マシン テンプレート内の DNS サーバなどのネットワーク アダプタのすべての設定が失われます。PBIS には有効な DNS サーバが必要で、 /etc/hosts で FQDN マッピングは使用できません。クローン作成された仮想マシンに新しいネットワーク アダプタを追加したときに DNS サーバ設定が失われないようにするには、Linux システムで DNS サーバを指定する必要があります。たとえば、Ubuntu 18.04 システムでは、 /etc/resolvconf/resolv.conf.d/head ファイルに次の行を追加して、DNS サーバを指定します。
    nameserver 10.10.10.10
    search mydomain.org
    注: 最適な結果を得るため、ネットワーク管理に WICD ではなく NetworkManager を使用します。WICD を使用すると、インスタント クローンが作成された SLED/SLES 15.x 仮想マシンで問題が発生する場合があります。
  7. (オプション)Linux ゴールド イメージの /etc/fstab ファイルに NFS マウントを追加する場合は、次のいずれかの方法を使用します。
    • 次のように、/etc/fstab に「soft」フラグを追加します。
      10.111.222.333:/share 	/home/nfsmount	nfs	rsize=8192,wsize=8192,timeo=14,soft,intr,tcp
    • /etc/fstab で「soft」フラグを使用しない場合は、Linux ゴールド イメージで /etc/fstab を設定できません。/etc/fstab ファイルを設定するパワーオフ スクリプトを作成して、ClonePrep ツールに指定できます。詳細については、Horizon の管理を参照してください。
  8. Linux 仮想マシンをシャットダウンし、VMware vSphere Client または VMware vSphere Web Client を使用してパワーオフ状態の Linux 仮想マシンのスナップショットを作成し、ゴールド イメージを作成します。
    詳細については、 VMware vSphere ドキュメントにある『 vSphere 単一ホスト管理:VMware Host Client』で「VMware Host Client のスナップショットの取得」を参照してください。
  9. Horizon Console で、自動デスクトップ プールを追加します。
    [インベントリ] > [デスクトップ] > [追加] の順に選択します。
  10. [自動化されたデスクトップ プール] を選択して、[次へ] をクリックします。
  11. [インスタント クローン] を選択して、vCenter Server インスタンスを選択し、[次へ] をクリックします。
  12. ウィザードの指示に従って、プールを作成します。
    1. プロンプトが表示されたら、[仮想マシンの名前付け] オプションを設定します。
      オプション 説明
      プロビジョニングを有効にする このオプションを選択します。
      エラー発生時にプロビジョニングを停止 このオプションを選択します。
      名前付けパターン すべてのデスクトップ仮想マシン名にプレフィックス(その後に一意の数字が続く)を使用するパターンを指定します。たとえば、LinuxVM-{n} と指定します。
      マシンの最大数 プール内のマシンの合計台数を指定します。
      スペアの(パワーオン状態の)マシンの数 ユーザーから利用可能な状態を保つデスクトップ仮想マシンの数を指定します。
      全マシンを事前にプロビジョニング このオプションを選択すると、Horizon Agent[マシンの最大数] に指定した数の仮想マシンをプロビジョニングします。
    2. プロンプトが表示されたら、ストレージ管理ポリシーに [VMware Virtual SAN を使用する] を選択します。
    3. プロンプトが表示されたら、ドメインの設定、Active Directory コンテナ、仮想マシンのクローン作成後に実行する必要があるカスタム スクリプトを指定します。
      重要: ClonePrep パワーオフまたは同期後スクリプトを使用する場合は、スクリプトが /var/userScript フォルダにあり、root ユーザーによって所有され、ファイル権限が 700 に設定されていることを確認します。

結果

Horizon Console で、[インベントリ] > [デスクトップ] の順に選択すると、プールに追加されているとおりにデスクトップ仮想マシンを表示できます。

プールの作成後、プールが存在しているときに vCenter Server インベントリからゴールド イメージを削除したり、取り除いたりしないでください。vCenter Server のインベントリからゴールド イメージの仮想マシンを誤って削除してしまった場合は、改めて追加し、現在のイメージを使用してプッシュ イメージを実行する必要があります。

次のタスク

プールにアクセスするための資格をユーザーに付与します。Horizon での仮想デスクトップのセットアップの「デスクトップ プールへの資格の追加」を参照してください。