VMware Blast ADMX テンプレート ファイル (vdm_blast.admx) には、VMware Blast 表示プロトコルのポリシー設定が含まれています。ポリシーを適用すると、システムはレジストリ キー HKLM\Software\Policies\VMware, Inc.\VMware Blast\Config に設定を保存します。

これらの設定は、HTML Access とすべての Horizon Client に適用されます。

表 1. VMware Blast ポリシー設定
設定 説明
Audio playback オーディオ再生をリモート デスクトップに対して有効にするかどうかを指定します。この設定では、オーディオ再生を有効にします。
Blast Codec Quality Blast コーデック圧縮を使用している場合に、量子化パラメータ (QP) の最小値と最大値により、リモート ディスプレイの画質が制御されます。QP 値は [1-8] の範囲で、[20-88] の範囲の JPEG 品質値にマッピングされます。この量子化はテキスト以外の領域に適用され、テキスト圧縮には影響しません。

最大 QP は、低品質 JPEG の設定にマッピングされます。最大 QP を 0 に設定すると、低品質 JPEG の設定がオーバーライドされます。

最小 QP は、高品質 JPEG の構成にマッピングされます。最小 QP を 0 に設定すると、高品質 JPEG の設定がオーバーライドされます。

Blast Encoders Global Quality この設定は、すべての Blast エンコーダのリモート ディスプレイの画質レベルを制御します。
  • 選択したレベルは、すべてのコーデックにマッピングされます。選択された値に従って、H.264 の最大 QP 値、Blast コーデックの最大 QP 値、アダプティブ エンコーダの低品質 JPEG を更新します。
  • エンコーダのグローバル品質レベルは、1 ~ 5 の値で設定します。値が低いほど品質は低く、値が高いほど品質は高くなります。画面をスクロールするなど、画面領域が頻繁に変化する場合は、品質レベルが高いほど使用されるバンド幅が大きくなり、遅延が大きくなる可能性があります。デフォルト値は 1 (バランス) です。品質マッピングは、それぞれのエンコーダの QP 値でオーバーライドできます。
Blast Optimizer Blast ユーザーの単一構成。ユーザー エクスペリエンスまたはリソース効率を向上させるデフォルトから選択します。
  • 値 5(デフォルト):Blast のデフォルトの設定を使用します。
  • 5 より大きい値:encoderGlobalQualityLevel、バンド幅スロープ、エンコーダの maxFPS の Blast のデフォルト値を大きくすることで、ユーザー エクスペリエンスを向上させます。
  • 5 より小さい値:encoderGlobalQualityLevel、バンド幅スロープ、エンコーダの maxFPS の Blast のデフォルト値を小さくすることで、リソース効率を向上させます。
Cookie Cleanup Interval 非アクティブなセッションに関連付けられた Cookie をシステムが削除する頻度をミリ秒単位で決定します。デフォルトは 100 ミリ秒です。
Cursor warping この設定を有効にすると、カーソル ワープ機能が有効になります。この設定が有効で、マウスが絶対モードの場合、リモートエージェントは、突然のカーソルの移動を検出し、ローカルカーソルを移動してクライアントにそれを反映します。この設定を有効にしない場合、クライアントはリモート エージェントで発生する急激なカーソル移動を無視します。デフォルトでは、この設定は無効になっています。
DSCP Marking この設定が有効になっている、または設定していない場合、ネットワーク ホップごとの個々の設定に従って、送信の Blast ネットワーク トラフィックに DSCP (Differentiated Services Code Point) 値を設定できます。無効になっている場合、Blast ネットワーク トラフィックで DSCP 値は設定されません。

有効になっている場合、次のネットワーク接続に範囲 0 ~ 63 の数値を設定できます。

  • DSCP from Agent, TCP/IPv4
  • DSCP from Agent, TCP/IPv6
  • DSCP from Agent, UDP/IPv4
  • DSCP from Agent, UDP/IPv6
  • DSCP from BSG to Client, TCP/IPv4
  • DSCP from BSG to Client, TCP/IPv6
  • DSCP from BSG to Client, UDP/IPv4
  • DSCP from BSG to Client, UDP/IPv6
  • DSCP from BSG to Agent, TCP/IPv4
  • DSCP from BSG to Agent, TCP/IPv6
  • DSCP from BSG to Agent, UDP/IPv4
  • DSCP from BSG to Agent, UDP/IPv6
  • DSCP from Client, TCP/IPv4
  • DSCP from Client, TCP/IPv6
  • DSCP from Client, UDP/IPv4
  • DSCP from Client, UDP/IPv6
Encoder Image Cache Size (KB) エンコーダ イメージ キャッシュの最大サイズ。
  • キャッシュの最終サイズは、ここで設定した値か、クライアントに関連付けられた構成のいずれか小さいほうになります。
  • キャッシュの最終サイズが、Horizon Agent で使用可能な RAM の半分を超えることはありません。
H264 H.264 エンコードまたは JPEG/PNG エンコードを使用するかどうかを指定します。デフォルトでは、H.264 エンコードを使用します。
H264 High Color Accuracy 4:2:0 ではなく YUV 4:4:4 のカラースペースを使用することで、H.264 エンコード使用時のカラー精度が向上します。

この設定は、非常に高い解像度や複数のモニターを使用する場合にパフォーマンスが低下する可能性があります。

H.264 Quality H.264 エンコードを使用するように構成されたリモート ディスプレイのイメージ品質を指定します。ロッシー圧縮でイメージをどれだけ制御するかを決定する量子化の最小値および最大値を指定できます。最高のイメージ品質には量子化の最小値を指定できます。最低のイメージ品質には量子化の最大値を指定できます。次の設定を指定できます。
  • [H264maxQP](使用可能な値の範囲:0 ~ 51、デフォルト:36)
  • [H264minQP](使用可能な値の範囲:0 ~ 51、デフォルト:10)

最高のイメージ品質のためには、使用可能な値の範囲の +5 または -5 以内の量子化パラメータ (QP) 値を設定します。これらのパラメータにより、破棄されるデータの量が決まります。値を小さくすると、イメージ品質が高くなります。

HEVC High Color Accuracy この設定を有効にすると、4:2:0 ではなく YUV 4:4:4 のカラースペースを使用して、HEVC エンコード使用時のカラー精度の向上を要求します。このポリシーを有効にするには、クライアントでハードウェア HEVC 4:4:4 がサポートされている必要があります。デフォルトでは、この設定は有効になっています。
HEVC デスクトップのリモート処理に HEVC エンコードを許可するには、この設定を有効にするか、構成しません。エンコードに H.264 または JPEG/PNG を使用するには、この設定を無効にします。
HTTP Service Access Point アプライアンスとデスクトップの間の安全な通信 (HTTPS) に使用されるポートを指定します。このポートを開くようにファイアウォールを構成する必要があります。デフォルトは 22443 です。
Image Quality リモート ディスプレイのイメージ品質を指定します。2 つの低品質設定、2 つの高品質設定、および 1 つの中品質設定を指定できます。低品質設定は、スクロール発生時など、頻繁に変化する画面の領域に適しています。高品質設定は、より静的な画面の領域に適していて、イメージ品質がより高くなります。次の設定を指定できます。
  • [Low JPEG Quality(低品質 JPEG)](使用可能な値の範囲:10 ~ 100、デフォルト:25)
  • [Mid JPEG Quality(中品質 JPEG)](使用可能な値の範囲:10 ~ 100、デフォルト:35)
  • [High JPEG Quality(高品質 JPEG)](使用可能な値の範囲:10 ~ 100、デフォルト:90)
Keyboard locale synchronization クライアントのキーボード ロケール リストやデフォルト キーボード ロケールを、リモート デスクトップまたはアプリケーションに同期させるかどうかを指定します。この設定を有効にすると、同期が発生します。この設定は Horizon Agent のみに適用されます。
Max Frame Rate 画面更新の最大レートを指定します。この設定を使用して、ユーザーが使用する平均バンド幅を管理します。デフォルトは 1 秒あたり 30 回の更新です。
Max Session Bandwidth VMware Blast セッションの最大バンド幅をキロビット/秒 (kbps) 単位で指定します。このバンド幅には、イメージ、オーディオ、仮想チャネル、USB、および VMware Blast 制御のすべてのトラフィックが含まれます。デフォルトは 1 Gbps です。
Max Session Bandwidth kbit/s Megapixel Slope VMware Blast セッション用に予約された最大バンド幅スロープをキロビット/秒 (kbps) 単位で指定します。最小値は 100 です。最大値は 100000 です。デフォルト値は 6200 です。
Min Session Bandwidth VMware Blast セッション用に予約された最小バンド幅をキロビット/秒 (kbps) 単位で指定します。デフォルトは 256 kbps です。
PNG この設定を有効にしない、あるいは構成しない場合、PNG エンコードをリモート セッションに利用できます。この設定を無効にすると、JPEG/PNG モードにおけるエンコードでは、JPEG エンコードのみが使用されます。H.264 エンコーダが有効な場合、このポリシーは適用されません。デフォルトでは、この設定は構成されていません。
Screen Blanking デスクトップにアクティブなセッションがある場合に、デスクトップ仮想マシンのコンソールに、ユーザーに表示される実際のデスクトップを表示するか、空の画面を表示するかを指定します。デフォルトでは、空の画面を表示します。
UDP Protocol UDP プロトコルまたは TCP プロトコルを使用するかどうかを指定します。デフォルトでは、UDP プロトコルが使用されます。ユーザーがレジストリ キーが存在する Horizon Agent マシンでセッションのログインとログアウトを実行したときに、この設定が有効になります。この設定は、常に TCP プロトコルが使用される HTML Access には適用されません。

VMware Blast ポリシー設定の適用

クライアントのセッション中に、次の VMware Blast ポリシーの変更があった場合、Horizon Client は変更を検出し、直ちに新しい設定を適用します。

  • H264
  • Audio Playback
  • Max Frame Rate
  • Image Quality

[セッションの最大バンド幅][セッションの最小バンド幅] の設定は、設定が存在する Horizon Agent マシンでユーザーがセッションに接続またはログインするときに有効になります。これらの設定に加えた変更は、すでに接続されているセッションでは完全に有効にならない場合があります。新しい設定は、現在のセッション内でエンコーダのバンド幅使用量を制限するために適用される場合がありますが、セッションが再接続するまで、ファイル転送などの仮想チャネル間では適用されません。

他のすべての VMware Blast ポリシーについては、マイクロソフト GPO 更新ルールが適用されます。GPO は、手動または Horizon Agent マシンの再起動により更新できます。詳細については、Microsoft ドキュメントを参照してください。