Microsoft Teams のメディア最適化機能は、クライアント システムとリモート セッション間でシームレスな使用環境を実現するため、音声通話、ビデオ通話、デスクトップ共有の表示をリダイレクトします。これにより、仮想インフラストラクチャへの悪影響や、ネットワークの過負荷状態を回避します。Microsoft Teams のメディア処理は、仮想デスクトップではなくクライアント マシン上で行われます。リアルタイム オーディオビデオ (RTAV) には依存しません。

Microsoft Teams のメディア最適化機能

重要: 各機能で必要な Horizon Client、Horizon Agent、Teams クライアントのバージョンの詳細については、 VMware ナレッジベースの記事 KB86475を参照してください。

Microsoft Teams のメディア最適化は、次の機能を提供します。

  • 音声通話とビデオ通話の発着信
  • マルチパーティのオーディオ/ビデオ会議
  • 通話の転送、ミュート、再開
  • ダイアル パッドを使用した PSTN 通話
  • デスクトップ画面の共有
  • マルチ モニター画面の共有と画面共有でのスクリーン ピッカー
  • リモート デスクトップのボリューム コントロール
  • 現在のスピーカー識別
  • 1 対 1 のミーティングとチーム会議でのライブ キャプション*

    Linux、Mac、Windows クライアントでのみサポートされます。

  • カスタム Together モード シーン*

    Linux、Mac、Windows クライアントでのみサポートされます。

  • E911 とロケーション ベースのルーティング*

    Mac および Windows クライアントでのみサポートされます。

    Horizon Client で Dynamic E911 をサポートするには、クライアント アプリケーションで OS 位置情報サービスを有効にする必要があります。『VMware Horizon Client for Windows のインストールとセットアップ ガイド』と『VMware Horizon Client for Mac のインストールとセットアップ ガイド』の「Microsoft Teams での E911 サービスの構成」を参照してください。Static E911 では、位置情報サービスを有効にする必要はありません。

    この機能を使用するために、「Microsoft Teams で E911 を有効にする」グループ ポリシー設定を有効にする必要があります。VMware HTML5 機能のポリシー設定の「VMware WebRTC リダイレクト機能」を参照してください。

  • WebRTC 1.0*
注目: アスタリスク (*) の付いた機能は、Microsoft Teams のアップデートがリリースされた時点で使用可能になります。Microsoft が各機能を有効にする時期については、 Microsoft 365 のロードマップを確認してください。
また、Microsoft は次の機能をサポートしています。Microsoft Teams の次の機能に関する問題については、Microsoft にお問い合わせください。
  • ギャラリー ビュー (2x2)
  • ラージ ギャラリー (7x7)
  • Together モード
  • 通話キュー
  • ライブ Web セミナー(最適化)
  • 通話品質ダッシュボード
VDI でサポートされている他の Microsoft Teams の機能については、Microsoft のドキュメント 会議とライブ イベントを参照してください。
注: 仮想デスクトップで Microsoft Teams が最適化されていて、一般的な問題が発生したり、特定の機能が見つからない場合は、Microsoft Teams Web クライアントで同じ動作を確認します。仮想デスクトップでの Microsoft Teams のメディア最適化は、WebRTC テクノロジーを利用する Microsoft Teams Web クライアントに基づいています。Web クライアントでも同じ結果になった場合は、Microsoft にお問い合わせください。

Microsoft Teams のメディア最適化のシステム要件

Microsoft Teams のメディア最適化では、次の構成がサポートされます。
表 1. Microsoft Teams のメディア最適化のシステム要件
システム 要件
Microsoft サーバ Microsoft 365
Microsoft Teams Client(最適化)
  • Microsoft Teams Desktop Client x64
  • Microsoft Teams Desktop Client x86
インストール手順については、Microsoft のドキュメントを参照してください。
注: Microsoft Teams Web クライアントは、Teams Optimization Pack でサポートされていません。ブラウザ リダイレクトでは、Web ブラウザ メディア オフロードがサポートされています。サポートされるブラウザとクライアントについては、 ブラウザ リダイレクトの設定を参照してください。Microsoft Teams Web クライアントでサポートされるブラウザについては、Microsoft のドキュメントを参照してください。
仮想デスクトップのオペレーティング システム Horizon Agent でサポートされているオペレーティング システムの最小要件は vCPU 2 つです。
クライアント マシンのオペレーティング システム ハードウェアの最小要件:2.4 GHz デュアル コア。

Windows:Microsoft Teams のメディア最適化は、Horizon Client でサポートされている Windows オペレーティング システムと同じです。

Mac:Microsoft Teams のメディア最適化は、Horizon Client でサポートされている Mac オペレーティング システムと同じです。Horizon Client 2103 より前のバージョンでは、Mac クライアントで Microsoft Teams のメディア最適化は使用できません。

Linux:Microsoft Teams のメディア最適化は、Horizon Client でサポートされている Linux オペレーティング システムと同じです。Horizon Client 2106 より前のバージョンでは、Linux クライアントで Microsoft Teams のメディア最適化は使用できません。

Chromebook:Microsoft Teams のメディア最適化は、Horizon Client でサポートされている Chrome OS オペレーティング システムと同じです。Horizon Client 2111 より前のバージョンでは、Chromebook クライアントで Microsoft Teams のメディア最適化は使用できません。

Horizon Client for Chrome のインストールとセットアップ ガイド』の「Horizon Client for Chrome での Microsoft Teams のメディア最適化の構成」を参照してください。

HTML Access:Microsoft Teams のメディア最適化は、Chrome または Microsoft Edge ブラウザで実行される HTML Access Web client をサポートします。 HTML Access Web client 2111 より前のバージョンでは、Microsoft Teams のメディア最適化は使用できません。デフォルトでは、Microsoft Teams のメディア最適化は無効になっています。
  • この機能は、Microsoft によって WebRTC 1.0 サポートがロールアウトされるまで使用できません。この機能が Microsoft によっていつ有効になるかについては、Microsoft 365 のロードマップを確認してください。
  • Microsoft によって WebRTC 1.0 サポートがロールアウトされたら、[設定] > [Microsoft Teams でメディア最適化を有効にする] の順に選択して、Microsoft Teams のメディア最適化を有効にする必要があります。
Horizon HTML Access のインストールとセットアップ ガイド』の「HTML Access での Microsoft Teams のメディア最適化の構成」を参照してください。
展開

オンプレミスとクラウド:

  • VDI
  • 非パーシステント デスクトップ
  • RDS 公開デスクトップの展開
  • RDS 公開アプリケーションの展開(Horizon Client 2012 以前のバージョンまたは Horizon Client 5.5 ではサポートされません)

クラウド:Windows 10 Enterprise マルチセッションと Horizon Cloud Service on Azure のすべての展開タイプ。

表示プロトコル VMware Blast と PCoIP(RDP なし)
TCP ポート 9427
ネットワーク IPv4
マイクロフォンと Web カメラ Microsoft Teams との連携が認定されたデバイス
オーディオ コーデック 詳細については、https://developer.mozilla.org/en-US/docs/Web/Media/Formats/WebRTC_codecsを参照してください。
  • SILK
  • Opus
  • G.722
ビデオ コーデック 詳細については、https://developer.mozilla.org/en-US/docs/Web/Media/Formats/WebRTC_codecsを参照してください。
  • AVC/H.264
  • VP8
  • VP9
メディア機能パック Windows 10 N および KN バージョンの場合には、リモート デスクトップにインストールする必要があります。メディア機能は、Microsoft のダウンロード ページ(https://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=48231)からインストールできます。

Microsoft Teams でのメディア最適化のインストールと設定

デフォルトでは、インタラクティブなインストール ウィザードを使用すると、Microsoft Teams のメディア最適化機能が Horizon Client for Windows と一緒にインストールされます。詳細については、『VMware Horizon Client for Windows のインストールとセットアップ ガイド』を参照してください。

デフォルトでは、Microsoft Teams のメディア最適化機能は、Horizon Client for Mac、Horizon Client for Linux、Horizon Client for Chrome と一緒にインストールされます。

Microsoft Teams のメディア最適化機能を Horizon Client for Chrome または HTML Access Web client で使用するには、クライアント設定で [WebRTC リダイレクトの有効化] オプションを有効にする必要があります。これらのクライアントで画面共有機能を使用するには、クライアント設定で [Microsoft Teams 仮想化の画面共有を有効にする] オプションを有効にする必要があります。

Microsoft Teams をインストールする前に、Horizon Agent をインストールする必要があります。Horizon Agent をインストールする前に Microsoft Teams をインストールする場合は、%APPDATA%\Microsoft\Teams フォルダを削除して Microsoft Teams を再起動します。

機能を使用するには、Microsoft Teams のメディア最適化グループ ポリシー設定を有効にする必要があります。VMware HTML5 機能のポリシー設定の「VMware WebRTC リダイレクト機能」を参照してください。

インストール、セットアップ、展開の要件、パーシステント/非パーシステント デスクトップのガイドライン、リモート デスクトップで Microsoft Teams を使用する場合の制限については、Microsoft のドキュメントTeams for Virtualized Desktop Infrastructureを参照してください。

Microsoft は、Teams の推奨バージョンを定期的に更新しています。Horizon Client または Horizon Agent を更新せずに新しい機能を使用するには、Microsoft でアップデートを確認して最新の推奨バージョンをインストールします。

Microsoft Teams でのメディア最適化のインストールと構成の詳細については、TechZone の記事Microsoft Teams Optimization with VMware Horizonを参照してください。

注: UX の問題のため、Microsoft Teams のメディア最適化は Horizon Agent 7.12 以前および Horizon Client バージョンの 5.4.3、5.4.2、5.4.1、5.4、および 5.3 以前ではサポートされません。これらの UX の問題は、Horizon Agent および Horizon Client の最新リリースで修正されています。

すべてのクライアントでの Microsoft Teams のメディア最適化の制限

Microsoft Teams のメディア最適化には、サポートされているすべてのクライアント プラットフォームで次の制限があります。Microsoft の制限については、Microsoft にお問い合わせください。
制限 コメント
着信への応答と終了の HID ボタンはサポートされていません。 VMware の制限
アプリケーション ウィンドウ共有の送信はサポートされていません。 VMware の制限
仮想バックグラウンドはサポートされていません。 Microsoft と VMware の制限
デスクトップ画面共有の許可または制御はサポートされていません。 Microsoft の制限
チャット、電話、または会議のウィンドウをポップアウトします。 Microsoft の制限。Horizon Client バージョン 2106 リリースでは、チャット、電話、または会議のウィンドウ ポップアウトが Microsoft の VDI でサポートされません。
ユーザーがビデオ通話を保留している場合、カメラのライトは点灯したままになります(ただし、ビデオは送信されません)。 Microsoft の制限
ビデオ通話中に、リモート デスクトップ ユーザーがデスクトップ共有を開始すると、ユーザーのビデオが自動的にオフになります。デスクトップ共有を終了すると、リモート デスクトップ ユーザーはビデオ ボタンをクリックしてビデオを再度オンにすることができます。 Microsoft の制限
Microsoft Teams のビデオ通話ウィンドウを最小化すると、右下の小さな [Microsoft Teams] ウィンドウにアクティブなビデオが表示されません。 Microsoft の制限
RDSH マシンでフォールバック モードの Microsoft Teams は、リモート マシンのマイクとスピーカーにアクセスできません。 回避策については、ナレッジベースの記事https://kb.vmware.com/s/article/84205を参照してください。
通話テスト Microsoft の制限
VDI 参加者は、ブレークアウト ルームを作成できませんが、参加することは可能です。 Microsoft の制限
ライブ イベントは最適化されていませんが、参加者としてサポートされます。VDI ユーザーの場合、プロデューサ ロールとプレゼンター ロールはサポートされません。 Microsoft の制限。回避策として、ブラウザのコンテンツ リダイレクトでライブ イベント (Web) クライアントを使用します。詳細はhttps://kb.vmware.com/s/article/88274を確認してください。
直接ルーティングのメディア バイパスはサポートされていません。 Microsoft の制限
1080p ビデオはサポートされていません。 Microsoft の制限
Microsoft Teams でズームイン/ズームアウト機能はサポートされていません。 Microsoft の制限
会議は低解像度で開始します。その後、会議参加者のバンド幅やビデオ ウィンドウ サイズなどのネットワーク条件に応じて解像度が段階的に上がっていきます。 Microsoft の制限
Microsoft Teams のサービス品質 (QoS) はサポートされていません。 Microsoft と VMware の制限
[通話テスト] ボタンが使用できない Microsoft の制限
3x3 ビデオ ギャラリーはサポートされていません。 Microsoft の制限
画面共有時に Horizon Client が全画面表示になっていると、共有ツールバーが Horizon Client ツールバーの下に隠れることがあります。 Microsoft Teams 共有ツールバーにアクセスするには、次のいずれかを実行します。
  • Horizon Client ツールバーを非表示にします。
  • Horizon Client の全画面表示を終了します(ウィンドウ モードで Horizon Client を使用します)。
  • Horizon Client のフローティング ツールバーを別の場所にドラッグします。
画面共有中は、システム オーディオ/コンピュータ サウンドの共有はできません。 Microsoft の制限
VDI での Microsoft Teams のその他の制限事項については、Microsoft のドキュメント 会議とライブ イベントを参照してください。

特定のクライアントでの Microsoft Teams のメディア最適化の制限

Microsoft Teams のメディア最適化には、特定のクライアント プラットフォームで次の制限があります。
制限 コメント
最適化モードで Microsoft Teams がアプリケーションとして公開されている場合、Mac クライアントまたは Linux クライアントで画面共有はサポートされません。 VMware の制限
Linux クライアントでは、リモート デスクトップからのボリューム制御はサポートされていません。通話中にボリュームを変更するには、Linux クライアントのボリュームを変更します。 VMware の制限
Linux クライアントおよび Mac クライアントのメディア最適化では、プロキシ構成がサポートされません。 VMware の制限
HTML Access Web client でのメディア最適化のサポートは、Microsoft ソフトウェアの WebRTC 1.0 アップデートのリリースに依存します。HTML Access のメディア最適化を有効にしても、WebRTC 1.0 のアップデートが適用されていないと、Teams の音声通話とビデオ通話が失敗します。詳細については、HTML Access での Microsoft Teams のメディア最適化の構成を参照してください。 Microsoft の制限

Chrome クライアントと HTML Access Web client では、画面共有に次の制限があります。

  • ウィンドウを最小化すると、画面共有ウィンドウの内容が黒くなります。
  • ネイティブ クライアント ウィンドウが画面共有ウィンドウの前面に移動すると、マウス カーソルが消えます。
  • ユーザーがクライアント オペレーティング システムをロックしてからロックを解除すると、画面共有コンテンツが表示されなくなります。
VMware の制限
Chrome クライアントと HTML Access Web client では、画面共有に次の制限があります。
  • ユーザーが画面全体または一部を共有している場合、共有領域が想定どおりに赤い枠線で囲まれません。
  • クライアントで使用されている特定のブラウザ タブ以外の [画面を共有] ダイアログでオプションを選択すると、誤ってローカル デスクトップを共有してしまう可能性があります。
Google の制限
HTML Access Web client でブラウザ ページを更新すると、メディア最適化が使用できなくなります。ページの更新後にメディア最適化を使用するには、リモート デスクトップで Microsoft Teams を再起動します。 VMware の制限
メディア最適化は、Chrome クライアントと HTML Access Web client のマルチモニタ構成をサポートしていません。 VMware の制限
Microsoft Teams がアプリケーションとして公開されている場合、Chrome クライアントと HTML Access Web client でメディア最適化はサポートされません。 VMware の制限
Horizon Client 2106 以降を実行している Windows 11 クライアント マシンで、全画面表示モードを使用せずに Microsoft Teams を使用してリモート デスクトップを共有すると、デスクトップのタイトル バーと境界がちらつきます。デスクトップを共有する前に、表示モードを [全画面表示 - すべてのモニター] に変更します。 Microsoft の制限
VDI クライアントまたはエージェント GPO ポリシーを使用して、E911 機能でサポートされる場所の共有を有効または無効にすると、VDI デスクトップで Teams が再起動されるまで、VDI の Teams の通話ページにはキャッシュ内の E911 の位置情報ステータスが引き続き表示されます。 VMware の制限
ネイティブと VDI の両方の Teams で、E911 機能によって表示される場所が Google Maps に表示されている情報と一致しない場合があります。 Microsoft の制限
Microsoft の問題により、ネイティブまたは VDI の Teams からログアウトしてから再度ログインすると、E911 機能によってクライアント デバイスの緊急対応の場所が表示されるまでに最大 2 分の遅延が発生する可能性があります。 Microsoft の制限

セッションのペアリング モード

ユーザーは、Microsoft Teams が最適化モードで実行されているのか、フォールバック モードで実行されているのかを確認できます。また、最適化なしで仮想デスクトップのネイティブ環境で実行されているのかを確認できます。Microsoft Teams のインターフェイスの右上にあるユーザー アイコンをクリックし、 [バージョン情報] > [バージョン] の順に移動すると、ユーザー アイコンのバナーに Microsoft Teams のバージョンとペアリング モードが表示されます。
  • 最適化:バナーに [VMware Media Optimized] が表示されている場合、Microsoft Teams は最適化モードで実行されています。このモードでは、[Microsoft Teams でメディア最適化を有効にする] GPO が有効になっています。Microsoft Teams は仮想デスクトップで実行され、音声とビデオはクライアント マシンにオフロードされています。
  • フォールバック:バナーに [VMware メディアが接続されていない] が表示されている場合、Microsoft Teams はフォールバック モードで実行されています。このモードでは、[Microsoft Teams でメディア最適化を有効にする] GPO が有効になっています。Microsoft Teams は最適化モードでの起動を試みますが、使用されている Horizon Client が Microsoft Teams の最適化に対応していません。RTAV が使用されます。Microsoft Teams からのオーディオとビデオはクライアント マシンにオフロードされません。フォールバック モードには、最適化モードと同じ制約があります。フォールバック モードで通話を行うと、次のような警告が表示されます。

    [お使いのデバイスは VMware の最適化をサポートしていません。オーディオとビデオの品質が低下する場合があります。IT 管理者にご相談ください。]

  • 最適化なし:バナーのメッセージに [VMware] という文字がない場合、[Microsoft Teams でメディア最適化を有効にする] GPO が有効になっていません。RTAV が使用されます。Microsoft Teams からのオーディオとビデオはクライアント マシンにオフロードされません。