公開アプリケーションまたは公開デスクトップにユーザーがアクセスできるようにするプロセスの一部として、自動インスタント クローン ファームを作成します。自動ファームは、vCenter Server のインスタント クローン仮想マシンであるマルチセッション Linux ホストで構成されます。
前提条件
- Linux ファーム、公開デスクトップ、公開アプリケーションの考慮事項の内容を確認し、ファームでサポートするユースケースに適切なシステム環境が準備されている使用事例を確認します。
- Connection Server がインストールされていることを確認します。『Horizon 8 インストールとアップグレード』ドキュメントを参照してください。
- Horizon Console で vCenter Server の Connection Server 設定が構成されていることを確認します。『Horizon 8 の管理』ドキュメントを参照してください。
- リモート デスクトップとして使用している仮想マシンに対して使用されている ESXi 仮想スイッチに十分な数のポートがあることを確認します。大規模なデスクトップ プールを作成する場合、デフォルト値では不十分なことがあります。
- ゴールド イメージ ホスト マシンを準備したことを確認します。デスクトップ デプロイのための Linux 仮想マシンの準備を参照してください。ホスト マシンで Horizon Agent がインストールされている必要があります。
- 各ホスト マシンで次のいずれかの Linux オペレーティング システムが実行されていることを確認します。
- RHEL Workstation 7.9/8.x/9.x
- Ubuntu 18.04/20.04/22.04
- Debian 10.x/11.x
- --multiple-session パラメータが設定されているゴールド イメージ マシンに Horizon Agent がインストールされていることを確認します。例:
sudo ./install_viewagent.sh --multiple-session
- vCenter Server でゴールド イメージのホスト マシンのスナップショットを作成します。スナップショットを作成する前にホスト マシンをシャットダウンする必要があります。Connection Server は、クローン作成のベースライン構成としてスナップショットを使用します。
詳細については、VMware vSphere ドキュメントポータルにある『vSphere 単一ホスト管理:VMware Host Client』で「VMware Host Client のスナップショットの取得」を参照してください。
手順
- Horizon Console で、[インベントリ] > [ファーム] の順に選択します。[追加] をクリックします。
ファームの構成ウィザードが表示されます。ウィザードの途中で、ナビゲーション ペインのページ名をクリックすると、前のページに戻ることができます。
- ウィザードの [タイプ] ページで、[自動ファーム] を選択し、[次へ] をクリックします。
- ウィザードの [vCenter Server] ページで、[インスタント クローン] を選択し、[次へ] をクリックします。
- ウィザードの [ストレージの最適化] ページで、必要な設定を行います。
設定 説明 [VMware Virtual SAN を使用]/[VMware Virtual SAN を使用しない] 使用可能な場合は、VMware vSAN を使用するかどうかを指定します。vSAN は Software-Defined Storage 階層で、ESXi ホストのクラスタで使用可能なローカル物理ストレージ ディスクを仮想化します。 [レプリカおよび OS ディスク用に別のデータストアを使用する] (vSAN を使用しない場合にのみ使用可能)パフォーマンスなどの理由により、レプリカおよび OS ディスクを別のデータストアに配置できます。
このオプションを選択すると、1 つ以上のインスタントクローン データストアまたはレプリカ ディスク データストアを選択するオプションを選択できます。
[次へ] をクリックして、構成ウィザードの次のページに進みます。 - ウィザードの [ID および設定] ページで、必要な設定を行います。
設定 説明 [ID] ファームを識別する一意の名前。 [説明] このファームの説明。 [アクセス グループ] ファームに対するアクセス グループを選択するか、ファームをデフォルトのルート アクセス グループに残します。 [デフォルト表示プロトコル] [VMware Blast] を選択します。Linux デスクトップのユーザー セッションでサポートされる表示プロトコルは VMware Blast のみです。 [ユーザーによるプロトコル選択を許可] [はい] または [いいえ] を選択します。この設定は、公開デスクトップ プールにのみ適用されます。アプリケーション プールには適用されません。[はい] を選択すると、ユーザーは Horizon Client から公開デスクトップに接続するときに表示プロトコルを選択できます。デフォルトは [はい] です。 [3D レンダラー] デスクトップに 3D グラフィックス レンダリングを選択します。
NVIDIA GRID vGPU は、インスタント クローン ホストの自動ファームに対して提供される唯一の 3D レンダリング オプションです。
[事前起動セッションのタイムアウト(アプリケーションのみ)] 事前起動が設定されたアプリケーションが開かれたままにする時間を決定します。デフォルトは、[10 分後] です。
エンドユーザーが Horizon Client の任意のアプリケーションを起動しない場合、アイドル状態のセッションがタイムアウトになるか、事前起動セッションがタイムアウトになると、アプリケーション セッションが切断されます。
タイムアウト後に事前起動セッションを終了するには、[切断されたセッションからのログオフ] オプションを [直後] に設定する必要があります。
[空のセッションのタイムアウト(アプリケーションのみ)] 空のアプリケーション セッションが開かれたままにする時間を決定します。アプリケーション セッションで実行されているアプリケーションがすべて閉じられた時点で、そのセッションは空の状態です。セッションが開かれている間、ユーザーはアプリケーションを速やかに開くことができます。空のアプリケーション セッションから切断またはログアウトすると、システム リソースを節約できます。タイムアウト値として、[なし] または [直後] を選択するか、分単位で数字を設定します。デフォルトは [1 分後] です。[直後] を選択すると、30 秒以内にセッションがログアウトまたは切断します。
[タイムアウトの発生時] [空のセッションのタイムアウト] 制限に達した時点で空のアプリケーション セッションを切断するか、それともログオフするかを決定します。[切断] または [ログオフ] を選択します。ログオフされたセッションはリソースを解放しますが、アプリケーションを開くのに比較的長い時間がかかります。デフォルトは [切断] です。 [切断されたセッションからログアウト] 切断されたセッションをログオフするタイミングを決定します。この設定は、デスクトップ セッションとアプリケーション セッションの両方に適用されます。[なし]、[直後]、または [...分後] を選択します。[直後] または [... 分後] の選択は慎重に行ってください。切断されたセッションがログオフされる時点でそのセッションは失われます。デフォルトは [なし] です。 [セッション共同作業を許可] このファームをベースにするデスクトップ プールのユーザーに、リモート デスクトップ セッションへの他のユーザーの招待を許可するには、[有効] を選択します。セッション オーナーと共同作業者は、VMware Blast プロトコルを使用する必要があります。 [RDS ホストあたりの最大セッション数] ホスト マシンでサポートできる最大セッション数を指定します。[無制限] または [次の値以下... ] を選択します。デフォルトは [無制限] です。 [次へ] をクリックして、構成ウィザードの次のページに進みます。 - ウィザードの [ロード バランシングの設定] ページで、必要な設定を行います。
設定 説明 [カスタム スクリプトを使用] この設定は、ロード バランシングにカスタム スクリプトを使用する場合に選択します。 [セッション数を含める] この設定は、ロード バランシングで Linux ホストのセッション数を考慮する場合に選択します。ロード バランシングのどの設定も選択せず、カスタム スクリプトの設定も選択しないと、Horizon 8 はデフォルトでセッション数を使用します。ロード バランシングでセッション数を考慮する必要がない場合は、この設定の選択を解除します。 [CPU 使用率のしきい値] CPU 使用率のしきい値 (%)。Horizon 8 は、設定された CPU しきい値を使用して、CPU ロード インデックス係数を計算します。0 から 100 の値を設定できます。推奨値は 90 です。デフォルトでは、この設定はロード バランシングで考慮されません。デフォルト値は 0 です。 [メモリ使用率のしきい値] メモリ使用率のしきい値 (%)。Horizon 8 は、設定されたメモリしきい値を使用して、メモリ ロード インデックス係数を計算します。0 から 100 の値を設定できます。推奨値は 90 です。デフォルトでは、この設定はロード バランシングで考慮されません。デフォルト値は 0 です。 [ディスク キュー長のしきい値] サンプリング間隔で選択されたディスクのキューに入った読み取り要求と書き込み要求の両方の平均数のしきい値。Horizon 8 は、設定されたしきい値を使用して、ディスク ロード インデックス係数を計算します。任意の正の整数を設定できます。デフォルトでは、この設定はロード バランシングで考慮されません。デフォルト値は 0 です。 [ディスクの読み取り遅延のしきい値] ディスクへのデータ書き込みの平均時間のしきい値(ミリ秒)。Horizon 8 は、設定されたしきい値を使用して、ディスク ロード インデックス係数を計算します。任意の正の整数を設定できます。デフォルトでは、この設定はロード バランシングで考慮されません。デフォルト値は 0 です。 [次へ] をクリックして、構成ウィザードの次のページに進みます。 - ウィザードの [プロビジョニングの設定] ページで、必要な設定を行います。
設定 説明 [プロビジョニングを有効にする] このウィザードの完了後にプロビジョニングを有効にするには、このチェックボックスを選択します。デフォルトでは、このボックスは選択されています。 [エラー発生時にプロビジョニングを停止] プロビジョニング エラーが発生した場合にプロビジョニングを停止するには、このチェックボックスを選択します。デフォルトでは、このボックスは選択されています。 [名前付けパターン] プリフィックスまたは名前の形式を指定します。Horizon 8 により、1 から始まる自動生成番号が追加または挿入され、マシン名が形成されます。末尾に番号を追加する場合は、プリフィックスを選択するだけです。それ以外の場合、文字列の任意の場所で [{n}] を指定すると、[{n}] が番号に置き換わります。また、[{n:fixed=<number of digits>}] を指定することもできます。[fixed=<number of digits>] はその番号に使用される桁数を示します。たとえば、[vm-{n:fixed=3}-sales] を指定すると、マシン名は vm-001-sales、vm-002-sales などのようになります。 注: 各マシン名(自動生成番号を含む)には、15 文字の制限があります。[マシンの最大数] プロビジョニングするマシンの数。 [インスタント クローンのメンテナンス中に動作可能なマシン(プロビジョニング済み)の最小数] この設定により、Connection Server がファームの仮想マシンのメンテナンス操作を行っている間、接続要求を受け入れることができる仮想マシンの数を指定の数に維持できます。この設定は、即時メンテナンスをスケジュールする場合には適用されません。 [次へ] をクリックして、構成ウィザードの次のページに進みます。 - ウィザードの [vCenter 設定] ページで、必要な設定を行います。
設定 説明 [vCenter の親仮想マシン] [参照] をクリックして、オペレーティング システムに [Linux] を選択し、リストからゴールド イメージ仮想マシンを選択します。 [スナップショット] [参照] をクリックして、ファームの基本イメージとして使用するゴールド イメージ仮想マシンのスナップショットを選択します。
vCenter Server からスナップショットとゴールド イメージ仮想マシンを削除しないようにしてください。ただし、ファーム内のインスタント クローンがデフォルト イメージを使用せず、このデフォルト イメージから今後インスタント クローンを作成することがない場合は削除しても構いません。システムでは、ファーム ポリシーに従ってファーム内に新しいインスタント クローンをプロビジョニングするために、ゴールド イメージ仮想マシンとスナップショットが必要です。ゴールド イメージ仮想マシンとスナップショットは、Connection Server のメンテナンス操作も必要です。
[仮想マシンのフォルダの場所] [参照] をクリックして、ファームが配置される vCenter Server 内のフォルダを選択します。 [クラスタ] [参照] をクリックして、デスクトップ仮想マシンが実行される ESXi ホストまたはクラスタを選択します。
クラスタの上限については、VMware ナレッジベース (KB) の記事、サイズ制限と推奨を参照してください。
[リソース プール] [参照] をクリックして、ファームが配置される vCenter Server リソース プールを選択します。 [データストア] [参照] をクリックして、ファームを格納するデータストアを 1 つ以上選択します。
[インスタント クローンのデータストアを選択] 画面に、ファームのストレージ要件を見積もるためのガイドラインの概要が表形式で表示されます。これらのガイドラインは、インスタント クローンを格納するための十分な大きさがあるデータストアを特定するのに役立ちます。[ストレージ オーバーコミット] の値は常時 [境界なし] に設定され、構成できません。
注: vSAN を使用する場合、データストアは 1 つだけです。[レプリカ ディスク データストア] インスタントクローンを格納するレプリカ ディスク データストアを 1 つ以上選択します。この設定は、ファームの構成ウィザードの [ストレージの最適化] ページで、[レプリカおよび OS ディスク用に別のデータストアを使用する] を選択した場合に表示されます。
[レプリカ ディスクのデータストアを選択します] 画面に、ファームのストレージ要件を見積もるためのガイドラインの概要が表形式で表示されます。これらのガイドラインは、インスタントクローンを格納するための十分な大きさがあるレプリカ ディスク データストアを特定するのに役立ちます。
[ネットワーク] [参照] をクリックして、インスタント クローン ファームに使用するネットワークを選択します。複数の vLAN ネットワークを選択して、大規模なインスタント クローン ファームを作成できます。この設定では、vSphere Client で構成されている現在のゴールド イメージのネットワーク タイプを使用し、親仮想マシンのネットワーク タイプ(DVS、NSX-t、標準)に基づいてネットワークを表示します。親仮想マシンと同じネットワークを使用することも、使用可能なオプションのリストからネットワークを選択することもできます。ネットワークは、選択したクラスタで使用可能な親仮想マシンのネットワーク タイプに基づいてフィルタリングされます。
[ネットワークの選択] 画面には、親仮想マシンのネットワーク タイプに基づいて、選択されたクラスタに使用可能なネットワークのリストが表示されます。複数のネットワークを使用するには、[現在の親仮想マシン イメージのネットワークを使用します] の選択を解除し、インスタント クローン ファームで使用するネットワークを選択する必要があります。特定のネットワーク タイプを表示または非表示にするには、[フィルタ] ボックスを使用します。
この画面には、互換性のない次のネットワークのエラー メッセージが表示されます。
- [vmcNetworks]。このネットワークは、VMC の内部ネットワークに属しています
- [dvsUplinkPort]。仮想スイッチのアップリンク ポートの命名基準を満たしていないため、ネットワークを使用できません。
- [notConfiguredOnAllHosts]。クラスタ内のすべてのホストで構成されていないため、ネットワークを使用できません。
画面では、選択項目として標準ネットワーク タイプは表示されません。したがって、親仮想マシンのネットワーク タイプが標準の場合、[現在の親仮想マシン イメージのネットワークを使用します] を選択する必要があります。
この画面には、使用可能なポートとポート割り当てのリストが表示されます。割り当てには、静的(事前割り当て)と短期割り当てがあります。インスタント クローンは、固定ポート グループ タイプのみをサポートします。短期ポート グループ タイプは淡色表示になり、非互換と表示されます。
選択したすべての NSX-t ネットワーク セグメントが同じサイズ(/24 ネットワークなど)でなければなりません。サイズの異なるセグメントがあると、プロビジョニング エラーが発生する可能性があります。
[次へ] をクリックして、構成ウィザードの次のページに進みます。 - ウィザードの [ゲストのカスタマイズ] ページで、必要な設定を行います。
設定 説明 [ドメイン] Active Directory ドメインおよびユーザー名を選択します。
Connection Server には、ファームを構成できる特定のユーザー権限が必要です。ドメインおよびユーザー アカウントは、インスタントクローン マシンをカスタマイズするために ClonePrep によって使用されます。
このユーザーは、vCenter Server のための Connection Server 設定を構成するときに指定します。Connection Server 設定を構成する場合は、複数のドメインとユーザーを指定できます。このファームの構成ウィザードでは、リストから 1 つのドメインとユーザーを選択する必要があります。
[Active Directory コンテナ] Active Directory コンテナの相対識別名を指定します。
例:CN=Computers
[参照] をクリックして、コンテナの Active Directory ツリーを検索します。また、コンテナ名はカット、コピー、またはペーストできます。
[既存のコンピュータ アカウントの再利用を許可] このオプションは、新しいインスタント クローンの仮想マシン名が既存のコンピュータ アカウント名に一致するときに、Active Directory にある既存のコンピュータ アカウントを使用する場合に選択します。
インスタント クローンの作成時に、既存の Active Directory コンピュータ アカウント名がインスタント クローン仮想マシン名に一致すると、Horizon 8 は既存のコンピュータ アカウントを使用します。一致しない場合は、新しいコンピュータ アカウントが作成されます。
既存のコンピュータ アカウントが、Active Directory コンテナの設定で指定する Active Directory コンテナに配置されている必要があります。
このオプションの選択を解除した場合、Horizon 8 がインスタント クローンを作成するときに、新しい Active Directory コンピュータ アカウントが作成されます。このオプションはデフォルトで選択されていません。
[イメージ発行のコンピュータ アカウント] インスタント クローンを公開するには、クローンと同じ Active Directory ドメインに追加のコンピュータ アカウントが必要です。自動生成のコンピュータ アカウントではなく、事前に作成したコンピュータ アカウントを使用する場合は、追加のコンピュータ アカウントを作成して、その名前をここに指定する必要があります。その後は、コンピュータ オブジェクトの作成/削除権限をプロビジョニング アカウントに委任する必要はありません。 [ClonePrep を使用] 仮想マシンをカスタマイズするための ClonePrep カスタマイズ仕様を指定します。
- [パワーオフ スクリプト名]。インスタントクローン マシンがパワーオフになる前に ClonePrep が実行するカスタマイズ スクリプトの名前。ゴールド イメージ仮想マシン上のスクリプトのパスを指定します。
- [パワーオフ スクリプト パラメータ]。インスタントクローン マシンをパワーオフする前に、ClonePrep がこれらのマシンでカスタマイズ スクリプトを実行するために使用できるパラメータを提供します。たとえば、p1 を使用します。
- [同期後スクリプト名]。インスタントクローン マシンが作成された後、またはイメージがこれらのマシンにプッシュされた後に、インスタントクローン マシンで ClonePrep が実行するカスタマイズ スクリプトの名前。ゴールド イメージ仮想マシン上のスクリプトのパスを指定します。
- [同期後スクリプト パラメータ]。インスタントクローン マシンが作成された後、またはイメージがこれらのマシンにプッシュされた後に、インスタントクローン マシンで ClonePrep が実行するスクリプトのパラメータを提供します。たとえば、p2 を使用します。
[次へ] をクリックして、構成ウィザードの次のページに進みます。 - ウィザードの [設定内容の確認] ページで設定を確認し、[送信] をクリックして自動インスタント クローン ファームを作成します。
次のタスク
公開アプリケーション プールまたは公開デスクトップ プールを作成します。次のいずれかのトピックを参照してください。