VMware Horizon 8 の展開では、VMware HA クラスタを使用して物理サーバの障害に備えることができます。

vSphere および vCenter Server は、仮想マシン デスクトップをホストするサーバのクラスタを管理するための豊富な機能セットを備えています。仮想マシン デスクトップ プールはそれぞれ vCenter Server リソース プールに関連付ける必要があるため、クラスタの構成も重要です。したがって、プールあたりのデスクトップの最大数は、実行を予定するサーバおよび仮想マシンのクラスタあたりの数に関連します。

非常に大規模な VMware Horizon 8 環境では、クラスタ オブジェクトを 1 つのデータセンター オブジェクトにつき 1 つだけにすると、vCenter Server のパフォーマンスと応答性を向上させることができます。これはデフォルトの動作ではありません。デフォルトでは、vCenter Server によって、同じデータセンター オブジェクト内に新規クラスタが作成されます。

注: VMware Horizon 8 のサイズ制限と推奨事項の最新情報については、 VMware 構成の上限を参照してください。

詳細については、『Horizon 8 でのデスクトップとアプリケーション』ドキュメントのデスクトップ プールの作成に関する章を参照してください。ネットワークの要件は、サーバのタイプ、ネットワーク アダプタの数、および VMotion の構成方法に依存します。

高可用性の要件の特定

vSphere ではその効率性およびリソース管理により、サーバあたりの仮想マシン数を、業界をリードするレベルまで高めることができます。しかし、サーバあたりの仮想マシンの密度を高くするということは、サーバに障害が発生した場合に影響を受けるユーザーが多くなるということです。

高可用性の要件は、デスクトップ プールの目的に応じて大きく異なる場合があります。たとえば、非パーシステント デスクトッププールとパーシステント デスクトップ プールで目標復旧ポイント (RPO) 要件が異なる場合があります。非パーシステント プールの場合、ユーザーが使用しているデスクトップが使用できなくなったとき、ユーザーを別のデスクトップにログインさせることをおすすめします。

可用性の必要性が高い場合は、VMware HA の適切な構成が不可欠です。VMware HA を使用していて、サーバあたりのデスクトップ数を固定する予定の場合は、各サーバを軽減容量で稼動させます。サーバに障害が発生した場合、デスクトップが別のホスト上で再起動しても、サーバあたりのデスクトップ数の容量を超えません。

たとえば、各ホストが 128 のデスクトップを実行でき、1 台のサーバの障害に耐えることを目標とする 8 ホストのクラスタでは、そのクラスタ上で実行されるデスクトップの数を必ず 128 × (8 - 1) = 896 以内にします。VMware DRS (Distributed Resource Scheduler) を使用して、8 台のホストすべてにデスクトップを均等に分散させることもできます。どのホット スペア リソースもアイドルにしておくことなく、余ったサーバ容量を最大限に利用できます。また、DRS は障害の発生したサーバがサービスに復帰した後のクラスタの再調整にも役立ちます。

サーバの障害に応答して多数の仮想マシンが一斉に再起動するために発生する I/O 負荷をサポートするため、ストレージが適切に構成されていることも確認する必要があります。ストレージの IOPS は、デスクトップがサーバの障害から復旧する速さに最も大きく影響します。