VMware Integrated Printing により、クライアント コンピュータで使用可能なローカル プリンタまたはネットワーク プリンタを使用して、リモート デスクトップから印刷することができます。VMware Integrated Printing は、Windows、Mac、Linux、モバイル クライアント デバイスで機能します。また、ブラウザベースのクライアントとも連携します。

VMware Integrated Printing は、クライアント プリンタ リダイレクト、ロケーション ベースの印刷、パーシステント ディスクの設定をサポートします。

クライアント プリンタ リダイレクト

クライアント プリンタ リダイレクトにより、クライアント コンピュータで使用可能なローカル プリンタまたはネットワーク プリンタを使用して、リモート デスクトップから印刷することができます。Windows クライアントからリモート デスクトップにリダイレクトされるプリンタに対して、VMware Integrated Printing は、リモート デスクトップで次のプリンタ ドライバをサポートしています。
  • ネイティブのプリンタ ドライバ (NPD)。リモート デスクトップに、クライアント プリンタのドライバと同じプリンタ ドライバをインストールする必要があります。NPD は v3 プリンタのみをサポートします。
  • ユニバーサル プリンタ ドライバ (UPD)。これには、VMware ユニバーサル XPS ドライバと VMware ユニバーサル EMF ドライバの 2 つのオプションが含まれます。リモート デスクトップにドライバをインストールする必要はありません。

VMware Integrated Printing のデフォルトでは、クライアント側の印刷キューにセッション ユーザー名が表示されます。これにより、エンド ユーザーは印刷ジョブを監視し、印刷ジョブを開始したユーザーを確認できます。

デフォルトでは、Horizon Agent コンピュータにネイティブ ドライバをインストールすると、NPD が使用されます。それ以外の場合は UPD が使用されます。リモート デスクトップで使用するプリンタ ドライバの種類を選択するには、グループ ポリシーを設定します。

リモート デスクトップで使用されるプリンタ ドライバの種類を確認するには、[コントロール パネル] > [ハードウェアとサウンド] > [デバイスとプリンタ] の順に移動し、仮想プリンタを右クリックして、コンテキスト メニューから [プリンタ プロパティ] を選択します。[全般] タブで、[モデル] が VMware ユニバーサル EMF ドライバまたは VMware ユニバーサル XPS ドライバになっている場合は UPD が使用されます。それ以外の場合は NPD が使用されます。Linux クライアントがリダイレクトしたプリンタは、postscript ドライバを使用します。

Windows プリント サーバからのプリンタ リダイレクトの有効化

グループ ポリシー設定を有効にすると、Windows プリント サーバをクライアント側からエージェント側にリダイレクトできます。VMware Integrated Printing ポリシー設定にある [サーバ プリンタ リダイレクトを有効にする] グループ ポリシー設定を参照してください。

ロケーション ベースの印刷

ロケーション ベースの印刷機能は、物理的に近いクライアント システムにあるプリンタをリモート デスクトップにマッピングします。詳細については、ロケーションベースの印刷の設定を参照してください。

ネスト モード リダイレクト

ネスト モードでは、最初のレイヤーと 2 番目のレイヤーにインストールされているローカル プリンタを 3 番目のレイヤーのリモート デスクトップまたは公開アプリケーションにリダイレクトできます。3 番目のレイヤーのリダイレクト プリンタは、グループ ポリシー設定とネイティブ プリンタ ドライバのインストール状況に応じて UPD または NPD を使用します。

固定プリンタ名

リダイレクトされたプリンタの名前は、vdi というサフィックスの付いたセッション間で維持されます。別のセッションに接続するときに、プリンタのマッピングを手動でやり直す必要はありません。固定プリンタ名はシングル ユーザー マシンでのみサポートされ、VDI モードの Windows Server ではサポートされません。

通常の印刷設定

ユーザーがログアウトしたり、リモート デスクトップから切断した後も、リダイレクトされたクライアント プリンタ(NPD、UPD、ロケーション ベースの印刷を含む)のプリンタ設定が保持されます。たとえば、白黒モードを使用するようにユーザーがリダイレクトされたクライアント プリンタまたはロケーションベースのプリンタを設定したとします。ユーザーがログアウトしてリモート デスクトップに再度ログインした後、以前の印刷設定が使用されます。

通常の印刷設定を無効にするには、グループ ポリシーを設定します。

ユニバーサル プリンタ ドライバの印刷設定

VMware Integrated Printing では、Windows クライアントからリダイレクトされた UPD プリンタの次の印刷設定を行うことができます。
  • [方向]:用紙の向き(縦または横)を選択します。ホチキス止めとパンチの仕上がりオプションは、用紙の向きによって異なります。
  • [両面印刷]:両面印刷が可能なプリンタで両面印刷を選択します。
  • [1 シートに複数のページ]:ドキュメントの複数のページを 1 枚のページに印刷する場合は、1 ページに印刷するページ数を選択して、ページのレイアウトを選択します。
  • [給紙方法]:用紙トレイの名前を選択します。
  • [用紙サイズ]:用紙サイズを選択します。
    • 標準の用紙サイズ:A4、レター、リーガルなど、ほとんどのプリンタでサポートされている一般的な用紙サイズ。
    • ベンダー定義の用紙サイズ(非標準の用紙サイズ):プリンタ ベンダーによって定義された用紙サイズ。
    • ユーザー定義の用紙サイズ(カスタマイズされた用紙サイズ):システム管理者が定義する用紙サイズ。
  • [DPI]:プリンタの解像度を指定します。
  • [色]:カラー プリンタでカラー印刷にするのか、モノクロ印刷にするのかを指定します。
  • [印刷とプレビュー][直接印刷] または [印刷プレビュー] を選択します。
    • [直接印刷][設定ダイアログを開いたままにする] を選択すると、印刷前にクライアント プリンタの設定を開き、印刷設定を変更することができます。
    • [印刷プレビュー] の場合、[設定ダイアログを開いたままにする] オプションは使用できません。
  • [部数]:印刷部数を指定します。
  • [画像として印刷]:各ページを画像として印刷します。
  • [圧縮]:印刷する画像の圧縮方法を指定します。
  • [仕上がり]:指定したプリンタのホチキス止めとパンチのオプションを指定します。

UPD プリンタにデフォルトの設定を定義するには、グループ ポリシー設定の [UPD プリンタのデフォルト設定] を有効にします。VMware Integrated Printing ポリシー設定を参照してください。

デフォルトでは、UPD プリンタにメディア タイプを設定することはできません。UPD プリンタのメディア タイプを変更するには、[プリンタ プロパティのパーシステンスを無効にする] グループ ポリシー設定を有効にして、クライアント プリンタのメディア タイプの設定を変更します。[プリンタ プロパティのパーシステンスを無効にする] グループポリシー設定の詳細については、VMware Integrated Printing ポリシー設定を参照してください。

ネイティブのプリンタ ドライバの仕上がりオプション

リダイレクトされる次のネイティブ プリンタに特定のハードウェアが接続されている場合、仕上がりオプションを使用できます。

プリンタ 仕上がりオプション クライアント側のローカル プリンタの要件
FX ApeosPort-IV C5575 PCL 6 ホチキス止め、小冊子 仕上げ用のハードウェア デバイスがプリンタに接続されていることを確認します。

プリンタのプロパティで、双方向通信を有効にしてプリンタ情報を更新します。

プリンタの環境設定で仕上がりオプションを有効にします。

Ricoh MP C5003 ホチキス止め、パンチ 仕上がりオプションを有効にするには、デバイスの設定に従ってフィニッシャーを手動で追加します。これにより、プリンタの環境設定でオプションの設定が可能になります。

VMware Integrated Printing リダイレクトのインストール

VMware Integrated Printing は、Horizon Agent インストーラのデフォルトのセットアップ オプションです。この機能を仮想マシンまたは RDS ホストにインストールするには、『Horizon での Windows デスクトップとアプリケーション』ドキュメントを参照してください。

VMware Integrated Printing グループ ポリシーの設定

ロケーション ベースの印刷の無効化、印刷設定パーシステンスの無効化、リダイレクトされるクライアント プリンタのプリンタ ドライバの選択、デスクトップ以外のクライアントでの印刷の無効化など、VMware Integrated Printing をカスタマイズするには、VMware Integrated Printing ADMX テンプレート ファイル(printerRedirection.admx)でグループ ポリシーを設定します。VMware Integrated Printing ポリシー設定を参照してください。

プリンタ リダイレクトのイベント ログ記録の有効化

  1. Windows レジストリで Computer\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\VMware, Inc.\VMware VDM\PrintRedir に移動します。
  2. ウィンドウの左ペインを右クリックして、[DWORD(32 ビット)値]を選択します。
  3. 新しいレジストリ値に EnableEventLog という名前を付けます。
  4. EnableEventLog をダブルクリックして値を編集します。
  5. [値] データ フィールドに 1 と入力し、[OK] をクリックします。
  6. ログアウトして再びログインします。
  7. Computer\HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\EventLog\Application\printredir に移動して、EventMessageFile が作成されていることを確認します。
  8. Windows イベント ビューアで、[Windows ログ] > [アプリケーション] の順に選択し、ソースが printredir のイベントが作成されていることを確認します。

    printredir イベントはプリンタが正常にリダイレクトされたことを示します。このイベントを検索して、リダイレクトされたプリンタの数をメモします。たとえば、リダイレクトされたプリンタが 8 台ある場合、イベントに「8 台のプリンタが正常にリダイレクトされました」のようなメッセージが表示されます。

  9. Windows の [印刷の管理] で [カスタム フィルター] > [すべてのプリンター] の順に選択して、リダイレクトされたすべてのプリンタが一覧に表示されていることを確認します。