VMware Indirect Display Driver は、オンプレミスの ESXi でホストされた仮想マシン (VM) からクラウドベースの仮想マシンまで、さまざまなシステム環境をサポートするハイパーバイザーに依存しないディスプレイ ドライバです。これは、Horizon Agent for Windows の一部として配布され、ハードウェア GPU とソフトウェア ラスタライザの両方で動作します。

前提条件

VMware Indirect Display Driver を使用する前に、次の操作を行う必要があります。

VMware Indirect Display Driver の機能

仮想マシンの基盤となるハードウェア GPU のレンダリングおよびエンコード機能を活用することで、VMware Indirect Display Driver はアプリケーションを高フレーム レートで最適にレンダリングできます。この機能は、マルチセッション プールや、設計やモデリング ソフトウェアなどのワークロードの大きい 3D アプリケーションを操作する場合にパフォーマンス上のメリットをもたらします。

VMware Indirect Display Driver は、Microsoft Windows Advance Rasterization Platform (WARP) などのソフトウェア ラスタライザもサポートします。

VMware Horizon Indirect Display Driver は、VMware Blast Extreme で優れたパフォーマンスを発揮するように最適化されているため、メモリ使用量が少なくなり、状況によっては CPU と GPU の使用率が低下します。

ディスプレイ ドライバの優先順位の構成

デフォルトでは、VMware Indirect Display Driver は、十分なシステム リソースが使用可能であれば、リモート セッションのフォールバック ディスプレイ ドライバとして機能します。Horizon の表示プロトコルは、次の優先順位に従ってディスプレイ ドライバを選択します。

  1. プロトコルは、最初にアクティブな GPU またはハイパーバイザー ディスプレイ ドライバを使用して、セッションのディスプレイ トポロジの設定を試みます。
  2. ハイパーバイザーまたは GPU ディスプレイ ドライバが要求されたディスプレイ トポロジをサポートしていないか、機能していない場合、プロトコルは VMware Indirect Display Driver を使用します。

Horizon Cloud on Azure など、ハイパーバイザーも GPU ディスプレイ ドライバも使用できない環境では、VMware Indirect Display Driver がプライマリ ディスプレイ ドライバとして機能します。

デフォルトの優先順位ルールを変更して、VMware Indirect Display Driver をリモート セッションで最初に使用されるプライマリ ディスプレイ ドライバにすることができます。HKLM\Software\Policies\VMware, Inc.\VMware Blast\Config で、次のレジストリ設定を構成します。

PixelProviderForceViddCapture REG_SZ : 1

ハイパーバイザー リモート コンソールへのアクセス

VMware Indirect Display Driver はハイパーバイザーと直接通信せず、VMware Remote Console アプリケーションなどのハイパーバイザー リモート コンソールの使用をサポートしていません。

ハイパーバイザー リモート コンソールへのアクセスが必要な場合は、ハイパーバイザー ディスプレイ ドライバをインストールし、VMware Indirect Display Driver を無効にすることができます。

または、リモート セッションの終了後に VMware Indirect Display Driver を一時的にオフにし、ハイパーバイザー リモート コンソールへのアクセスをリストアするようにレジストリ設定を構成することもできます。この構成により、VMware Indirect Display Driver をリモート セッション中にのみ使用し、それ以外の場合はハイパーバイザー リモート コンソールにアクセスできます。ディスプレイ トポロジの制御がハイパーバイザー ディスプレイ ドライバに渡されると、アプリケーション ウィンドウが再配置されることがあります。

HKLM\Software\Policies\VMware, Inc.\VMware Blast\Config で、次のレジストリ設定を構成します。

HypervisorConsoleForcedEnabled REG_SZ : 1

低遅延モードの有効化

VMware Indirect Display Driver を低遅延モードで使用できます。これにより、アプリケーションをより高いフレーム レートでレンダリングして、ユーザー入力の遅延を削減できます。フレーム レートが高いほど CPU および GPU リソースの消費が増加するため、低遅延モードはデフォルトで無効になっています。

低遅延モードで最適な結果を得るには、エージェント マシンがハードウェア アクセラレーション GPU を使用していることを確認します。実際のユーザー エクスペリエンスは、ネットワーク条件やクライアント ハードウェア機能などの要因によって異なる場合があります。

低遅延モードを有効にするには、HKLM\Software\Policies\VMware, Inc.\VMware Blast\Config で次のレジストリ設定を構成します。

PixelProviderLowLatencyEnabled REG_SZ : 1

VMware Indirect Display Driver の機能制限

VMware Indirect Display Driver には、次の機能の問題と制限があります。