VMware Identity Manager と互換性のない ThinApp パッケージを、VMware Identity Manager で配布および管理できる ThinApp パッケージに変換することができます。次の方法のいずれかを使用できます。ThinApp 4.7.2 の relink コマンドを使用する、ThinApp プロジェクトの Package.ini ファイルを編集して必要な VMware Identity Manager パラメータを追加してから、ThinApp プロジェクト ファイルからパッケージを再構築する、または ThinApp Setup Capture プログラムで適切な VMware Identity Manager 設定を選択した状態で、Windows アプリケーションを再キャプチャする。

このタスクについて

注:

VMware Identity Manager と互換性のある ThinApp パッケージは、VMware Identity Manager 展開環境でのみ使用できます。VMware Identity Manager Desktop アプリケーションをインストール済みの VMware Identity Manager ユーザーのみが、有効化されたこれらのパッケージを起動および実行できます。実行時に、ThinApp パッケージには具体的に指定された DLL がロードされます。この DLL により、ThinApp パッケージでは、VMware Identity Manager から付与されたユーザーの資格が検証されます。DLL は VMware Identity Manager Desktop アプリケーションと共にインストールされるため、VMware Identity Manager Desktop アプリケーションがインストールされている Windows システムでのみこの ThinApp パッケージを実行できます。

前提条件

選択した方法に必要なアイテムへのアクセス権があることを確認します。

  • relink コマンドを使用する場合は、変換対象の ThinApp パッケージの実行可能ファイル、および ThinApp 4.7.2 relink.exe アプリケーションがあることを確認します。

  • ThinApp プロジェクトの Package.ini ファイルを更新してパッケージを再構築する場合は、ThinApp 4.7.2 プログラムでパッケージを再構築するのに必要なプロジェクト ファイルがあることを確認します。

  • Windows アプリケーションを再キャプチャする場合は、ThinApp 4.7.2 Setup Capture プログラムとアプリケーション インストーラ、およびこのプログラムでアプリケーションを再キャプチャするのに必要なその他のアイテムがあることを確認します。詳細については、『ThinApp ユーザーズ ガイド』を参照してください。

VMware Identity Manager が使用する ThinApp ネットワーク共有へのアクセス権があり、サブフォルダを作成してそこにファイルをコピーできることを確認します。

手順

VMware Identity Manager でサポートされているバージョンの ThinApp プログラムを使用し、適用可能ないずれかの方法で互換性のある ThinApp パッケージを作成します。

オプション

説明

relink -h コマンドを使用します。

relink -h コマンドの使用が最も簡単な方法です。ThinApp 4.7.2 以降の relink.exe プログラムを使用する必要があります。この方法は、次に示す状況のいずれかに相当する場合に使用します。

  • ここではプロジェクト フォルダは作成されていないため、再構築による方法は使用できません。

  • Setup Capture を使用してアプリケーションを再キャプチャするのは、非常に時間がかかります。

  • Setup Capture による再キャプチャに必要なアプリケーション インストーラはありません。

注:

ThinApp ランタイムは、ThinApp パッケージに対して relink -h コマンドを実行するときに常に更新されます。

relink コマンドを ThinApp Program Files ディレクトリから実行し、このコマンドの構文についてのヘルプを表示できます。

互換性のあるパッケージを作成するために、次の基本構文のコマンドを使用します。

relink -h executable-folder/*.*

executable-folder は、更新する ThinApp パッケージの実行ファイルが含まれるフォルダです。

重要:

relink コマンドを使用するときは、このコマンドで VMware Identity Manager 環境内の ThinApp パッケージに使用されるネットワーク共有上のパッケージ実行ファイルのフォルダを直接参照することはできません。このコマンドは、ThinApp ランタイムを更新するときに古い実行ファイルを BAK ファイルに変換し、それらの BAK ファイルと新しいファイルをフォルダに書き込みます。ネットワーク共有は通常書き込みが許可されないため、relink で実行ファイルのフォルダのコピーを参照する必要があります。

relink コマンドの他の使用例は、http://kb.vmware.com/kb/2021928 にある VMware ナレッジ ベース記事にまとめられています。

必要なパラメータで Package.ini ファイルを手動で更新し、続いてパッケージを再構築します。

この方法は、再キャプチャ プロセス用のアプリケーション インストーラを所有していない場合、アプリケーションの再キャプチャに必要な事前設定の実行を回避する場合、または、relink コマンドが提供するよりも多くの機能を新しい ThinApp バージョンから組み込む場合に使用します。パッケージの再構築では、ファイル システムとレジストリに対して新バージョンの ThinApp で提供される変更が加えられます。このため、再構築では、管理者が設定する新しい Package.ini パラメータが新しい ThinApp バージョンによって提供される時点などにそれらの変更をピックアップします。

Package.ini ファイルの [Build Options] セクションに、次のパラメータを追加します。

;--- VMware Identity Manager Parameters ---
AppID=genid
NotificationDLLs=hzntapluginlugin.dll

hzntaplugin.dll は、ThinApp ランタイムで、VMware Identity Manager ユーザーが仮想アプリケーションの使用資格を持つかを検証するためにコールされる DLL です。

オプションで、HorizonOrgURL パラメータを含めて、これを VMware Identity Manager の完全修飾ドメイン名に設定できます。VMware Identity Manager インストールと構成を参照してください。

Setup Capture を使用して再キャプチャを実行し、必要な VMware Identity Manager 設定を選択します。

アプリケーションを再キャプチャすることが必要な場合には、他の方法を使用するのではなく、この方法を使用します。ThinApp Setup Capture を使用して互換性のあるパッケージを作成する場合は、キャプチャ プロセス時に、VMware Identity Manager でパッケージを管理するのに適切な設定をウィザードで選択します。キャプチャ プロセスの詳細については、『ThinApp ユーザーズ ガイド』を参照してください。

タスクの結果

VMware Identity Manager で配布および管理できる ThinApp パッケージには、EXE ファイルと DAT ファイルの一式が含まれます(DAT ファイルはオプション)。

次のタスク

ネットワーク共有に ThinApp パッケージを追加する手順については、VMware Identity Manager が管理する ThinApp パッケージのためのネットワーク共有の作成 を参照してください。