viocli inventory-admin コマンドを使用して、コンピューティング ストレージ インベントリとブロック ストレージ インベントリを vSphere インベントリと比較し、実体のないオブジェクトを検出および削除し、テナント仮想データセンターを管理します。
実体のないオブジェクトは以下のように定義されます。
実体のない Nova インスタンスとは、vSphere に対応する仮想マシンが見当たらないインスタンスです。
実体のない仮想マシンとは、OpenStack データベースに対応するインスタンスが見当たらない仮想マシンです。
実体のないシャドウ仮想マシンとは、OpenStack データベースに対応する Cinder ボリュームが見当たらない仮想マシンです。
viocli inventory-admin コマンドは、内部インベントリから vCenter Server および OpenStack 認証情報を収集します。このコマンドを使用するには、OpenStack 管理者として認証される必要があります。このアカウントのドメインとユーザー名は、/root/cloudadmin.rc に OS_PROJECT_DOMAIN_NAME
、OS_USERNAME
、および OS_USER_DOMAIN_NAME
として設定されています。コマンドを実行するたびにパスワードを入力しなくてもすむように、OS_PASSWORD
環境変数としてこのアカウントのパスワードを設定しておくこともできます。
viocli inventory-admin コマンドは、異なるタスクを実行するさまざまなアクションをサポートしています。以下のパラメータは、すべてのアクションに適用されます。
パラメータ |
必須か任意か |
説明 |
---|---|---|
-d NAME または --deployment NAME |
任意 |
使用するデプロイの名前。 値を入力しない場合、デフォルトのデプロイが使用されます。 |
--json --pretty |
任意 |
出力を JSON 形式またはフォーマット済みテキストで表示します。 値を入力しない場合、コマンドを対話形式で実行したときは |
--all |
任意 |
実体のないオブジェクトのみではなく、すべてのオブジェクトを表示します。 |
--force |
任意 |
確認のプロンプトを表示せずにコマンドを実行します。 |
--no-grace-period |
任意 |
オブジェクトに実体がないかどうかを判断する場合、猶予期間を無視します。このパラメータが設定された場合にのみ、過去 30 分間に変更されたオブジェクトが結果に含まれます。 |
--verbose |
任意 |
詳細モードで出力を表示します。 |
viocli inventory-admin -h または viocli inventory-admin --help を実行して、コマンドのパラメータを表示できます。また、アクションに対して -h または --help オプションを使用して、そのアクションのパラメータを表示することもできます。たとえば、viocli inventory-admin show-instances -h
は、show-instances
アクションのパラメータを表示します。
viocli inventory-admin がサポートするアクションは以下のとおりです。
viocli inventory-admin show-instances [-d NAME] [--nova-state {ERROR | SHUTOFF} [--vc-state {poweredOn | poweredOff | suspended}]] [--json | --pretty] [--all] [--force] [--no-grace-period] [--verbose]
実体のない Nova インスタンスを一覧表示します。以下の追加のパラメータを使用すると、特定の状態の Nova インスタンスを一覧表示できます。
パラメータ |
必須か任意か |
説明 |
---|---|---|
--nova-state {ERROR | SHUTOFF} |
任意 |
--all パラメータに関係なく、実体のないインスタンスと実体があるインスタンスがすべて表示されます。 |
--vc-state {poweredOn | poweredOff | suspended} |
任意 |
vCenter Server で指定された状態(パワーオン、パワーオフ、またはサスペンド)にある Nova インスタンスを表示します。 このパラメータを使用する場合、--nova-state パラメータも指定する必要があります。 --all パラメータに関係なく、実体のないインスタンスと実体のあるインスタンスがすべて表示されます。 |
viocli inventory-admin show-instance-vms [-d NAME] [--json | --pretty] [--all] [--force] [--no-grace-period] [--verbose]
実体なしの vSphere 仮想マシンを一覧表示します。
viocli inventory-admin show-shadow-vms [-d NAME] [--json | --pretty] [--all] [--force] [--no-grace-period] [--verbose]
実体のないシャドウ仮想マシンを一覧表示します。
viocli inventory-admin clean-instances [-d NAME] [--json | --pretty] [--all] [--force] [--no-grace-period] [--verbose]
実体なしの vSphere 仮想マシンを削除します。
viocli inventory-admin clean-instance-vms [-d NAME] [--json | --pretty] [--all] [--force] [--no-grace-period] [--verbose]
実体のない vSphere 仮想マシンを削除します。
viocli inventory-admin clean-shadow-vms [-d NAME] [--json | --pretty] [--all] [--force] [--no-grace-period] [--verbose]
実体のないシャドウ仮想マシンを削除します。
viocli inventory-admin reset-instances-state [-d NAME] --nova-state {ERROR | SHUTOFF} --vc-state poweredOn [--json | --pretty] [--all] [--force] [--no-grace-period] [--verbose]
vCenter Server でパワーオンされている ERROR
または SHUTOFF
状態のインスタンスをリセットします。
パラメータ |
必須か任意か |
説明 |
---|---|---|
--nova-state {ERROR | SHUTOFF} --vc-state poweredOn |
必須 |
vCenter Server でパワーオンされている |
viocli inventory-admin show-hypervisors [-d NAME] [--json | --pretty] [--all] [--force] [--no-grace-period] [--verbose]
ハイパーバイザーおよび詳細情報を一覧表示します。
viocli inventory-admin show-availability-zones [-d NAME] [--json | --pretty] [--all] [--force] [--no-grace-period] [--verbose]
アベイラビリティ ゾーンと、配置されているホストを一覧表示します。
viocli inventory-admin sync-availability-zones [-d NAME] [--filename ZONE-MAP] [--json | --pretty] [--all] [--force] [--no-grace-period] [--verbose]
指定したマップを使用して、環境内のアベイラビリティ ゾーンを同期します。以下の追加のパラメータがサポートされています。
パラメータ |
必須か任意か |
説明 |
---|---|---|
--filename ZONE-MAP |
任意 |
アベイラビリティ ゾーン マップを含むファイルへのパス。ファイルは JSON 形式にする必要があります。 |
viocli inventory-admin create-tenant-vdc [-d NAME] --compute COMPUTE-NODE --name VDC-NAME --project-id ID [--cpu-reserve CPU-MIN] [--cpu-limit CPU-MAX] [--mem-reserve MEMORY-MIN] [--mem-limit MEMORY-MAX] [--json | --pretty] [--all] [--force] [--no-grace-period] [--verbose]
指定した設定を使用して、テナント仮想データセンター (VDC) を作成します。以下の追加のパラメータがサポートされています。
パラメータ |
必須か任意か |
説明 |
---|---|---|
--compute COMPUTE-NODE |
必須 |
VDC を作成するコンピューティング ノード。 |
--name VDC-NAME |
必須 |
テナント VDC の名前。 |
--project-id ID |
必須 |
タスクのプロジェクト ID。 |
--cpu-reserve CPU-MIN |
任意 |
VDC で予約する CPU サイクル (MHz)。 値を入力しない場合、デフォルトで |
--cpu-limit CPU-MAX |
任意 |
VDC での CPU 使用率の上限 (MHz)。 値を入力しない場合、CPU 使用率は制限されません。 |
--mem-reserve MEMORY-MIN |
任意 |
VDC で予約するメモリ (MB)。 値を入力しない場合、デフォルトで |
--mem-limit MEMORY-MAX |
任意 |
VDC でのメモリ使用量の上限 (MB)。 値を入力しない場合、メモリ使用量は制限されません。 |
viocli inventory-admin list-tenant-vdcs [-d NAME] [--json | --pretty] [--all] [--force] [--no-grace-period] [--verbose]
テナント VDC を一覧表示します。
viocli inventory-admin show-tenant-vdc [-d NAME] --id ID [--json | --pretty] [--all] [--force] [--no-grace-period] [--verbose]
指定したテナント VDC についての詳細情報を表示します。以下の追加のパラメータがサポートされています。
パラメータ |
必須か任意か |
説明 |
---|---|---|
--id ID |
必須 |
テナント VDC の ID。 |
viocli inventory-admin delete-tenant-vdc [-d NAME] --id ID [--json | --pretty] [--all] [--force] [--no-grace-period] [--verbose]
指定したテナント VDC を削除します。以下の追加のパラメータがサポートされています。
パラメータ |
必須か任意か |
説明 |
---|---|---|
--id ID |
必須 |
テナント VDC の ID。 |
--compute COMPUTE-NODE |
任意 |
VDC を削除するコンピューティング ノード。 値を入力しない場合、すべてのコンピューティング ノードから VDC が削除されます。 |
viocli inventory-admin update-tenant-vdc [-d NAME] --compute COMPUTE-NODE --name VDC-NAME --project-id ID [--cpu-reserve CPU-MIN] [--cpu-limit CPU-MAX] [--mem-reserve MEMORY-MIN] [--mem-limit MEMORY-MAX] [--json | --pretty] [--all] [--force] [--no-grace-period] [--verbose]
指定したテナント VDC の構成を更新します。以下の追加のパラメータがサポートされています。
パラメータ |
必須か任意か |
説明 |
---|---|---|
--compute COMPUTE-NODE |
必須 |
VDC が実行されているコンピューティング ノード。 |
--id VDC-ID |
必須 |
テナント VDC の ID。 |
--cpu-reserve CPU-MIN |
任意 |
VDC で予約する CPU サイクル (MHz)。 |
--cpu-limit CPU-MAX |
任意 |
VDC での CPU 使用率の上限 (MHz)。
|
--mem-reserve MEMORY-MIN |
任意 |
VDC で予約するメモリ (MB)。 |
--mem-limit MEMORY-MAX |
任意 |
VDC でのメモリ使用量の上限 (MB)。
|