Designate は、ドメイン名の登録、OpenStack クラウド用のゾーンおよびレコード セットの管理など、DNS as a Service(サービスとしての DNS)を提供する OpenStack のコンポーネントです。

VMware Integrated OpenStack をデプロイした後、Designate を有効にして DNS 機能を提供可能にできます。Designate を有効または無効にすると、一時的に他の OpenStack サービスに影響を与える可能性があります。

Designate の詳細については、https://docs.openstack.org/designate/trainにある OpenStack Designate ドキュメントを参照してください。

前提条件

VMware Integrated OpenStack は、Designate 用の Infoblox、Bind9、PowerDNS、および Microsoft DNS バックエンド サーバをサポートしています。DNS サーバのタイプごとの前提条件は、次のとおりです。

Infoblox:

  1. DNS サーバが VMware Integrated OpenStack API アクセス ネットワークと通信できることを確認します。
  2. Infoblox サーバで、Designate が使用するユーザーを作成します。
  3. Designate ゾーンを処理するネーム サーバ グループを 1 つ作成します。
    1. Designate の mDNS サーバを外部プライマリとして設定します。
    2. ロード バランサ ノードの eth1 インターフェイス上のすべての IP アドレスを外部プライマリとして設定します。
    3. グリッド メンバーをグリッドのセカンダリとして追加し、このメンバーの Lead Secondary オプションを選択します。
    4. 必要に応じて、グリッドのセカンダリをさらに追加します。

Bind9:

  1. DNS サーバが VMware Integrated OpenStack API アクセス ネットワークと通信できることを確認します。
  2. rndc addzone および rndc delzone の機能を有効にして、セカンダリ ノードからの NOTIFY メッセージの受信を許可します。テキスト エディタで named.conf.options または named.conf を開いて、options セクションに次の行を追加します。
    allow-new-zones yes;
    allow-notify{any;};
  3. Bind9 サーバを再起動します。

PowerDNS:

  1. DNS サーバが VMware Integrated OpenStack API アクセス ネットワークと通信できることを確認します。
  2. pdns.conf ファイル内の API を有効にします。
  3. pdns.conf ファイルで、trusted-notification-proxy パラメータを追加し、その値として、各コントローラ ノードの eth1 インターフェイスの IP アドレスをカンマ区切りで設定します。
    trusted-notification-proxy=controller1-eth1-ip,...

Microsoft DNS:

  1. DNS サーバが VMware Integrated OpenStack API アクセス ネットワークと通信できることを確認します。
  2. Microsoft DNS サーバで、ポート 5358 で TCP および UDP 経由の通信を許可する受信ルールを追加します。
  3. Python 2.7、Microsoft Visual C++ Compiler for Python 2.7、および pip パッケージ インストーラをインストールします。
  4. Designate バージョン 8.0.0 をインストールします。
    pip install designate==8.0.0
  5. designate.conf という名前のファイルに次の情報を書き込みます。
    [service:agent]
    backend_driver = msdns
    masters = mgmt-server-ip:53
  6. 管理者としてコマンド プロンプトを開き、designate.conf ファイルを使用して Designate エージェントを開始します。
    designate-agent --config-file path/designate.conf

    Designate の使用中は、Designate エージェントを開いたままにしておく必要があります。

手順

  1. Integrated OpenStack Manager Web インターフェイスに admin ユーザーとしてログインします。
  2. [OpenStack デプロイ] で、デプロイの名前をクリックし、[管理] タブを開きます。
  3. [設定] タブで、[Designate の設定] を選択し、[有効] をクリックします。
  4. バックエンドを選択し、必要なパラメータを入力します。
    • Infoblox バックエンド
      オプション 説明

      [DNS サーバ]

      Infoblox サーバの IP アドレスを入力します。

      [DNS ポート]

      Infoblox サーバ上の DNS サービスのポートを入力します。デフォルト値は 53 です。

      [WAPI URL]

      Infoblox WAPI URL を入力します。デフォルトは、https://<infoblox-server>/wapi/v<wapi-version-major.minor>/ です。

      例:https://infoblox-server-example/wapi/v3.4/

      注: URL はスラッシュ (/) で終了している必要があります。

      [ユーザー名]

      Designate が Infoblox API へのアクセスに使用するユーザー名を入力します。

      [パスワード]

      Infoblox ユーザー名に対応するパスワードを入力します。

      [パスワードの確認]

      Infoblox ユーザー名に対応するパスワードを確認入力します。

      [NS グループ]

      Designate ゾーンを処理するネーム サーバ グループを指定します。

    • Bind9 バックエンド
      オプション 説明

      [DNS サーバ]

      Bind9 サーバの IP アドレスを入力します。

      [DNS ポート]

      Bind9 サーバ上の DNS サービスのポートを入力します。デフォルト値は 53 です。

      [RNDC ホスト]

      リモート名デーモン制御 (RNDC) サーバの IP アドレスを入力します。デフォルト値は、Bind9 サーバの IP アドレスです。

      [RNDC ポート]

      RNDC サービスのポート番号を入力します。デフォルト値は 953 です。

      [RNDC キー]

      /etc/bind/rndc.key ファイルのコンテンツを入力します。

    • PowerDNS バックエンド
      オプション 説明

      [DNS サーバ]

      PowerDNS サーバの IP アドレスを入力します。

      [DNS ポート]

      PowerDNS サーバ上の DNS サービスのポートを入力します。デフォルト値は 53 です。

      [API エンドポイント]

      PowerDNS API エンドポイントの URL を入力します。デフォルト値は、http://{powerdns-server}:8081 です。

      [API キー]

      /etc/powerdns/pdns.conf ファイルの api-key の値を入力します。

    • Microsoft DNS バックエンド
      オプション 説明

      [DNS サーバ]

      Microsoft DNS サーバの IP アドレスを入力します。

      [DNS ポート]

      Microsoft DNS サーバ上の DNS サービスのポートを入力します。デフォルト値は 53 です。

      [エージェント サーバ]

      Designate エージェントが実行されているホストの IP アドレスを入力します。

      [エージェント ポート]

      Designate エージェント サービスのために使用するポートを入力します。デフォルト値は 5358 です。

  5. [検証] をクリックします。検証が完了したら、[OK] をクリックします。

結果

テナントで VMware Integrated OpenStack ダッシュボードを使用して DNS ゾーンを作成できるようになりました。手順については、『VMware Integrated OpenStack 管理者ガイド』の「DNS ゾーンの作成」を参照してください。