このガイドでは、NSX Advanced Load Balancer を使用したグローバル サーバ ロード バランシング(Global Server Load Balancing:GSLB)に関する情報を提供します。GSLB は、地理的に分散した複数の場所にまたがるアプリケーションのロード バランシングを提供すると同時に、一元化された構成、アプリケーションの監視、分析を提供します。

NSX Advanced Load Balancer の GSLB は、複数の場所(通常は複数のデータセンターやパブリック クラウド)に展開されるアプリケーションのインスタンス間でアプリケーションの負荷を分散します。NSX Advanced Load Balancer またはサードパーティ製のアプリケーション提供コントローラ (ADC) ソリューションを使用して、それぞれの場所でアプリケーションの負荷を管理します。

GSLB は通常、次のアプリケーション目標を達成するために実装されます。

  • 地理的に分散しているユーザー/クライアントに最適なアプリケーション環境を提供する

  • データセンターまたはネットワーク接続の喪失に対する回復力を提供する

  • 他のデータセンターへの無停止の移行または追加を実行する

GSLB の概要

GSLB には次の機能があります。

  1. クライアントの要求が送信される場所(データセンター/クラウド)を選択する

  2. 仮想サービスの健全性を監視し、最適な場所を選択(異常な場所を排除)する

  3. GSLB サイト間で構成と状態を同期し、特定の障害が発生した場合でも機能 1 と機能 2 を継続可能にする

クライアント(通常はブラウザ)が完全修飾ドメイン名 (FQDN) に対して DNS クエリを実行すると、GSLB は最適なアプリケーション インスタンスの IP アドレス (VIP) で応答します。最適なアドレスは、ロード バランシング アルゴリズム、アプリケーション インスタンスの健全性、およびクライアントの場所に基づいて変更できます。

GSLB の使用事例

NSX Advanced Load Balancer GSLB の使用事例をいくつか、以下に示します。

  • 地理的に分散したユーザーに最適なアプリケーション使用環境

    • アプリケーションは複数のデータセンターに展開されます。

    • GSLB は、ユーザー要求を最適な場所にリダイレクトできます。

  • データセンター全体でのアプリケーションの高可用性

    • アプリケーションは複数のデータセンターに展開されます。

    • データセンターで障害が発生した場合、残りのデータセンターで実行されているアプリケーション インスタンスでユーザー トラフィックを引き継ぐことができます。

  • ディザスタ リカバリ

    • アプリケーションは 2 つのデータセンターに展開されます。

    • 両方とも健全の場合、すべてのトラフィックはプライマリ DC に送信されます。

    • プライマリ DC に障害が発生した場合、グローバル DNS は、すべてのユーザー トラフィックを別の DC に送信します。

  • クラウド バーストが発生するハイブリッド クラウド(下に示す)

    • アプリケーションは、プライベート クラウドとパブリック クラウドにまたがって展開されます。

    • アプリケーションの要求負荷が異常に高い場合、 NSX Advanced Load Balancer GSLB がパブリック クラウド サイトにバーストして負荷を吸収します。

NSX Advanced Load Balancer GSLB の仕組み

例として、次の図を参照してください。

図 1. FQDN アドレス解決
  • NSX Advanced Load Balancer は 4 つの場所(GSLB サイト)で実行されています。そのうち 3 つはオンプレミス、もう 1 つは Amazon Web Services (AWS) です。各サイトには独自の NSX Advanced Load Balancer コントローラ クラスタがあります(単一のコントローラ アイコンで表しています)。

  • アプリケーション「A」には、4 つのすべての場所で実行されている仮想サービスがあります。これらの仮想サービスは VS-A1 ~ VS-A4 で示されています。

  • 4 つの場所の 3 つ(DC-1、DC-2、AWS)には、同期されるグローバル DNS サービス(DNS-1、DNS-2、および DNS4)があります。これらはすべて、サブドメイン A.acme.com に対して、同等の権限があります。

  • 4 番目のサイト (DC-3) はグローバル DNS サービスを実行しません。