このトピックでは、書き込みアクセス権の vCenter クラウドや vCenter Server のアクセス権なしのサービス エンジンなど、さまざまな使用事例でサービス エンジンとコントローラ間の IPv6 通信を有効にするワークフローを説明します。

バージョン 22.1.3 では、NSX Advanced Load Balancer はコントローラの IPv6 構成と、コントローラとサービス エンジン間の接続をサポートします。このサポートにより、制御プレーンとデータ プレーン間の IPv6 通信のオプションが有効になります。

ワークフロー 1:IPv6 対応コントローラ

次のワークフローでは、IPv6 インターフェイスを使用してコントローラを構成し、制御プレーンへの IPv6 通信を有効にする手順について説明します。コントローラで IPv6 インターフェイスを使用し、この構成済みの IPv6 インターフェイスをサービス エンジンへの IPv6 接続に使用するには、このワークフローに従います。

  1. コントローラを作成します。詳細については、『VMware NSX Advanced Load Balancer インストール ガイド』の「VMware vCenter への NSX Advanced Load Balancer Controller の展開」トピックで「NSX Advanced Load Balancer Controller OVA の展開」セクションを参照してください。

  2. vCenter Server 構成からすべてのコントローラ ノードにネットワーク アダプタを追加します。

    注:
    1. NIC を追加する前にコントローラ ノードがパワーオフされていることを確認してから、再度パワーオンします。

    2. クラスタを設定している場合は、一度に 1 ノードずつ順番に行います。

  3. Controller クラスタ構成を使用して、コントローラ インターフェイスの IPv6 アドレスを構成します。詳細については、「セカンダリ インターフェイスの IPv6 アドレスの構成」を参照してください。

    注:
    1. NSX Advanced Load Balancer バージョン 22.1.3 以降では、クラスタ ノードのインターフェイス構成で IPv4 フィールドだけでなく IPv6 フィールドもサポートされます。

    2. セカンダリ インターフェイス(非 eth0)の IPv6 構成では、IP アドレス、モード、ゲートウェイの代わりに ip6、mode6、gateway6 を構成します。

  4. SE_SECURE_CHANNEL ラベルを eth0 から IPv6 インターフェイスに移動します。

  5. 3 つのノードでクラスタを形成します。

注:
  1. また、手順 3 と 4 の前に手順 5 を実行することもできます。つまり、クラスタを形成した後、リーダーから 3 つのすべてのノードで IPv6 インターフェイスの詳細を一度に構成します。

  2. SE_SECURE_CHANNEL ラベルの移動は、コントローラに接続されている SE がない場合にのみ可能です。

IPv6 用にクラスタを構成すると、クラスタの構成が次のように表示されます。

[admin:1234]: > show cluster
+-----------------+----------------------------------------------+
| Field           | Value                                        |
+-----------------+----------------------------------------------+
| uuid            | cluster-38d7ba17-e356-431c-8778-0c1cd94c2fd7 |
| name            | cluster-0-1                                  |
| nodes[1]        |                                              |
|   name          | 100.65.8.152                                 |
|   ip            | 100.65.8.152                                 |
|   vm_uuid       | 0000004bef8c                                 |
|   vm_mor        | vm-39057                                     |
|   vm_hostname   | node1.controller.local                       |
|   interfaces[1] |                                              |
|     if_name     | eth0                                         |
|     mac_address | 00:00:00:4b:ef:8c                            |
|     mode        | STATIC                                       |
|     ip          | 100.65.8.152/20                              |
|     gateway     | 100.65.15.254                                |
|     labels[1]   | MGMT                                         |
|     labels[2]   | HSM                                          |
|   interfaces[2] |                                              |
|     if_name     | eth1                                         |
|     mac_address | 00:00:00:43:fd:ac                            |
|     labels[1]   | SE_SECURE_CHANNEL                            |
|     mode6       | STATIC                                       |
|     ip6         | 2402:740:0:412::152/64                       |
+-----------------+----------------------------------------------+
[admin:1234]: >

ワークフロー 2:IPv6 管理を使用するアクセス権なしのサービス エンジン

IPv6 インターフェイスを使用してコントローラを展開し、IPv6 管理を使用するためにラベルを移動した後、IPv6 管理 IP アドレスを持つアクセス権なしのサービス エンジンを表示するには、次のワークフローに従う必要があります。

上記のワークフローで説明したように、コントローラでセカンダリ インターフェイスを構成します。次の手順を使用して、コントローラ IP アドレスの vCenter Server プロパティ (AVI_CTRL) でその IP アドレスを使用して、SE がコントローラに接続できるようにします。

  1. アクセス権なしモードで SE.OVA とサービス エンジン展開をダウンロードします。

  2. [OVA テンプレートの展開] ウィザードで、管理 IP アドレスとゲートウェイの入力を求められたら、次のフィールドを構成します。

    1. avi.mgmt-ip-v6.SE:管理インターフェイスの IPv6 アドレス

    2. avi.mgmt-mask-v6.SE:管理インターフェイスの IPv6 サブネット マスク

    3. default-gw-v6.SE:サービス エンジンのデフォルト IPv6 ゲートウェイ

      注:

      NSX Advanced Load Balancer バージョン 22.1.3 以降では、上記のフィールドをサービス エンジンの OVA プロパティで使用できます。

これらの OVF プロパティを空白のままにすると、サービス エンジンはネットワークのルーター広報に基づいて IPv6 アドレスを取得しようとします。

注:

管理 IP アドレスの場合、サービス エンジンはデュアル スタックになることもあります。

ワークフロー 3:IPv6 管理を使用する書き込みアクセス権のサービス エンジン

IPv6 インターフェイスを使用してコントローラを展開し、IPv6 管理を使用するために SE_SECURE_CHANNEL ラベルを移動した後、タイプが vCenter の書き込みアクセス権のクラウドを作成する必要があります。サービス エンジン展開は、コントローラによって自動的に処理されます。書き込みアクセス権のクラウドの仮想サービスを作成すると、サービス エンジンの作成がトリガされます。

注:
  • コントローラのセカンダリ インターフェイスに IPv6 通信用のラベルが有効になっている IPv6 アドレスがある場合、書き込みアクセス権のサービス エンジンは IPv6 アドレスと IPv4 アドレスの両方を取得しようとします。

  • コントローラは、サービス エンジンの作成時に IP アドレスを提供します。コントローラ IP アドレスを選択するには、サービス エンジンでコントローラ IP アドレスの次の優先順位を考慮する必要があります。

    • SE_SECURE_CHANNEL ラベルが付いたセカンダリ インターフェイスの IP アドレス

    • コントローラのパブリック IP アドレス

    • クラスタの仮想 IP アドレス

    • リーダーの管理 IP アドレス

注意事項

サービス エンジンの管理ネットワークの IPv6 IP アドレス管理は、書き込みアクセス権の vCenter クラウドではサポートされていません。サービス エンジンの IPv6 アドレスは、DHCP を通じて割り当てる必要があります。サービス エンジンの管理ネットワークのネットワーク構成で、フィールド ip6_autoconfig_enabledTrue に設定する必要があります。サンプル構成を次に示します。

[admin:1234]: > show network vxw-dvs-34-virtualwire-258-sid-2140257-wdc-02-vc14-avi-internal-mgmt
+----------------------------+----------------------------------------------------------------------+
| Field                      | Value                                                                |
+----------------------------+----------------------------------------------------------------------+
| uuid                       | dvportgroup-62624-cloud-7091e138-82c8-48b9-931c-7183dc5346a6         |
| name                       | vxw-dvs-34-virtualwire-258-sid-2140257-wdc-02-vc14-avi-internal-mgmt |
| vcenter_dvs                | True                                                                 |
| vimgrnw_ref                | vxw-dvs-34-virtualwire-258-sid-2140257-wdc-02-vc14-avi-internal-mgmt |
| dhcp_enabled               | True                                                                 |
| exclude_discovered_subnets | False                                                                |
| vrf_context_ref            | global                                                               |
| synced_from_se             | True                                                                 |
| ip6_autocfg_enabled        | True                                                                 |
| tenant_ref                 | admin                                                                |
| cloud_ref                  | Default-Cloud                                                        |
+----------------------------+----------------------------------------------------------------------+
注:

ネットワーク構成の ip6_autoconfig_enabled フィールドは、クラウド構成の ip6_autoconfig_enabled フィールドを上書きします。