NSX Advanced Load Balancer では、仮想サービスのスケーリングがサポートされています。これにより、ワークロードが複数のサービス エンジンに分散され、オンデマンドでキャパシティが増加するため、仮想サービスのスループット キャパシティが拡張され、高可用性レベルが向上します。
Microsoft Azure への NSX Advanced Load Balancer の展開では、Microsoft Azure Load Balancer を利用して、ECMP と同様のレイヤー 3 スケールアウト アーキテクチャを提供します。
NSX Advanced Load Balancer は、Azure 環境の特定の仮想サービスに対し、複数の仮想サービス IP アドレス (VIP) の構成をサポートします。この場合、すべての IP アドレスが仮想サービスの FQDN に登録され、トラフィックは DNS ベースのロード バランシングを使用して VIP 全体に分散されます。この機能を使用すると、SSL TPS が高く、スループットが高いアーキテクチャを最適化できます。Microsoft Azure 環境での仮想サービスのスケーリングの詳細については、『VMware NSX Advanced Load Balancer 構成ガイド』の「仮想サービスのスケーリング」セクションを参照してください。
使用事例
この機能を使用すると、受信トラフィックは同じ Azure Load Balancer (ALB) 内の 2 つ以上の VIP によって処理され、これらの VIP は負荷に応じて必要な SE にスケールアウトされます。これは、ALB に特定の数の SE を超えるスケールアウトの制限がある場合の環境で役立ちます。
仮想サービスに対するマルチ IP アドレスの構成
特定の仮想サービスの各仮想サービス IP アドレス (VIP) は、常に異なる SE のセットに配置されます。
両方の VIP が同じ Azure LB でホストされます。
次の図は、仮想サービスに複数の IP アドレスが構成されている場合のトラフィック フローを示しています。
上記の図の観測結果は次のとおりです。
VS1 は、ドメイン test.foo.com の仮想サービスです。
VS1 には、10.0.0.5 と 10.0.0.6 の 2 つの IP アドレスが構成されています。
この構成に基づいて、受信トラフィックはこれらの IP アドレスのいずれかに送信されます。
この機能を使用すると、VIP1 は SE1、SE2、および SE3 にスケールアウトされます。VIP2 は、SE4 および SE5 にスケールアウトされます。SE1、SE3、SE3 は、Azure クラウドの scale-set-A の一部です。SE4 と SE5 は scale-set-B の一部です。2 つの異なるスケール セットが構成されると、スケールアウトまたはスケールイン イベントが発生する間にリソースが最適化されます。
NSX Advanced Load Balancer CLI を使用した構成
NSX Advanced Load Balancer CLI は、Azure クラウドの仮想サービスに複数の VIP 機能を構成するために使用されます。NSX Advanced Load Balancer ユーザー インターフェイスを使用した構成は、まだサポートされません。NSX Advanced Load Balancer CLI にログインし、configure virtual service <virtual service name> コマンドを使用して、選択した仮想サービスに複数の VIP を構成します。
[admin:controller1]: > configure virtualservice vstest [admin:controller1]: virtualservice> services port 80 New object being created [admin:controller1]: virtualservice:services> save [admin:controller1]: virtualservice> vip New object being created [admin:controller1]: virtualservice:vip> vip [admin:controller1]: virtualservice:vip> vip_id 1 [admin:controller1]: virtualservice:vip> subnet_uuid dev-subnet [admin:controller1]: virtualservice:vip> auto_allocate_ip [admin:controller1]: virtualservice:vip> auto_allocate_ip_type v4_only [admin:controller1]: virtualservice:vip> where Tenant: admin Cloud: Default-Cloud +-----------------------+---------------+ | Field | Value | +-----------------------+---------------+ | vip_id | 1 | | subnet_uuid | dev-subnet | | auto_allocate_ip | True | | auto_allocate_ip_type | V4_ONLY | +-----------------------+---------------+ [admin:controller1]: virtualservice:vip> save [admin:controller1]: virtualservice> vip New object being created [admin:controller1]: virtualservice:vip> vip_id 2 [admin:controller1]: virtualservice:vip> subnet_uuid test-subnet [admin:controller1]: virtualservice:vip> auto_allocate_ip [admin:controller1]: virtualservice:vip> auto_allocate_ip_type v4_only [admin:controller1]: virtualservice:vip> save [admin:controller1]: virtualservice> save