このセクションでは、Microsoft Azure クラウドのマルチ Azure Load Balancer 機能について説明します。

Microsoft Azure への NSX Advanced Load Balancer の展開では、Azure Load Balancer (ALB) を利用して、ECMP と同様のレイヤー 3 スケールアウト アーキテクチャを提供します。

デフォルトで、コントローラは SE グループごとに 2 つの Azure Load Balancer(内部と外部それぞれ 1 つずつ)を作成します。これにより、サービス エンジンでサポートされる仮想サービス IP (VIP) やポートの数が制限されます。それぞれの仮想 IP とポートで 1 つのルールを使用します。

注:

現在、NIC ごとのルールの数は 300 に制限されています。この数は、ロード バランサの制限値に従って定期的に更新されます。

この機能は、基本 ALB でのみサポートされます。

1 つの NSX Advanced Load Balancer SE グループ内でマルチ Azure Load Balancer をサポートします。たとえば、あるインスタンスで、1 つの SE グループに 150 の仮想サービスを作成し、それぞれのサービスで 2 つのフロントエンド ポート(ポート 80 および 443)が必要であるとします。その場合、300 のルールが必要になりますが、それが許容される限界数です。そのため、同じ SE グループに新しい仮想サービスを構成することができません。一方、マルチ ロード バランサ機能が使用可能であれば、より多くの仮想サービスを SE グループに作成することができます。コントローラが複数の Azure Load Balancer を作成し、可用性セット全体にサービス エンジンを分散します。

この機能のメリットは次のとおりです。

  • この機能は、基本ロード バランサとともに追加コストなしで提供されます。

  • 新しいロード バランサが必要に応じて自動的に作成され、ユーザーの介入なしにシームレスにスケールアウトされます。

  • SE グループに対してのみ、マルチ Azure Load Balancer が構成されます。残りの仮想サービスの構成を変更する必要はありません。

マルチ Azure Load Balancer の有効化

Azure クラウドでマルチ Azure Load Balancer を有効にするには、次の手順を実行します。

  1. Azure クラウドのサービス エンジン グループを構成します。

  2. クラウドのサービス エンジン グループで enable_multi_lb オプションを設定します(オプション)。

  3. マルチ ロード バランサ ルールの次のノブを設定して、使用するルールの数を制限します。

    1. Azure Load Balancer ごとの最大ルール数

    2. Azure Load Balancer ごとの最大パブリック VIP 数

[admin:10-X-X-X]: > configure serviceenginegroup Default-Group

[admin:10-X-X-X]: serviceenginegroup> enable_multi_lb

[admin:10-X-X-X]: serviceenginegroup> max_rules_per_lb 150

[admin:10-X-X-X]: serviceenginegroup> max_public_ips_per_lb 30

マルチ Azure Load Balancer への移行

仮想サービスを削除せずに、Azure クラウド内のマルチ ロード バランサに移行することができます。

既存の SE グループを仮想サービスとともに移行するには、次の手順を順番どおりに実行します。

  1. 対象のサービス エンジン グループにあるすべての仮想サービスを無効にします。

  2. サービス エンジン グループからすべてのサービス エンジンを削除します。

  3. 上記のセクションの説明に従って、マルチ ロード バランサを有効にしてノブを構成します。

  4. すべての仮想サービスを有効にします。