NSX Advanced Load Balancer では、HTTP アプリケーションとのクライアントの相互作用を、クライアントの観点を含めて把握できます。そのナビゲーションのタイミング機能は、クライアント側から見た、要求されたサイトに対する URL クエリへの DNS 応答を受信するのにかかった時間、サイトのさまざまなオブジェクトのダウンロードにかかった時間、および DOM とページのレンダリングにかかった時間を確認します。

[仮想サービス] > [クライアント] ページには、[ナビゲーションのタイミング] データと、クライアント ブラウザ、場所、オペレーティング システムなどのその他のメトリックが表示されます。デフォルトでは、新しい仮想サービスを作成したときは、ナビゲーションのタイミングは表示されません。

注:

クライアント情報は、現時点では技術プレビュー機能であり、本番環境では推奨されません。

[ナビゲーションのタイミング] を有効にするには、仮想サービスを編集して [分析] タブに移動し、[タイプ] フィールドを [アクティブ] に設定します。[ナビゲーションのタイミング] は、HTTP アプリケーション プロファイルを使用する仮想サービスにのみ関連します。

データは、業界標準の JavaScript クエリを、クライアントに送り返される少数のサーバ応答に挿入することによって、SE で生成されます。クライアント ブラウザは、Web ページの読み込みエクスペリエンスに関する追加情報を透過的に返します。NSX Advanced Load Balancer では、この情報を使用して [ナビゲーションのタイミング] および [上位の URL のタイミング] メトリック フィールドに入力します。これは RUM (Real User Monitoring) とも呼ばれます。

ナビゲーションのタイミングの要件

ナビゲーションのタイミングでは、次の条件が満たされている必要があります。

  • 仮想サービスは HTTP または HTTPS(NSX Advanced Load Balancer が SSL 接続を終了)である必要があります。

  • 仮想サービスには、実際のブラウザからアクセスする必要があります。

  • ブラウザで Javascript を実行できる必要があります。(JavaScript を有効にする必要があります)。

  • データは、次のような「良好な」HTML 要求に対してのみキャプチャされます。

    • 応答コード 200 で終了する要求

    • 応答の content-type が text/html に設定されている

    • レスポンス本文にタグが含まれる

  • キャッシュ可能なページの場合、ブラウザがキャッシュ済みのページを再利用すると、NSX Advanced Load Balancer によってナビゲーションのタイミングを収集できません。

  • ほとんどの一般的なブラウザは基本的なナビゲーションのタイミングをサポートしていますが、一部の古いバージョンのブラウザやモバイル ブラウザではサポートされない場合があります。

サンプルの選択プロセス

サンプリングの選択プロセスは、次の手順の順序に従います。次のいずれかで no が返される場合、NSX Advanced Load Balancer はナビゲーションのタイミングを収集するための要求/応答をスキップします。

  • 200 OK かどうかを確認します。

  • これがメイン要求であり、サブ要求でないかどうかを確認します。

  • 最後の RUM JS が応答に挿入されてから 1 秒(デフォルト)以上経過しているかどうかを確認します。

    • デフォルトでは、1 秒あたり最大 1 つの要求がキャプチャされます。

    • このプロパティは、se_properties > se_bootup_properties > se_rum_sampling_nav_interval で CLI を使用して変更できます。

    • この値は「起動」プロパティであるため、SE を再起動する必要があります。

  • キャプチャされた要求の 1%(デフォルト)未満かどうかを確認します。

    • 100 件の要求を受信した場合、キャプチャできるエントリは 1 つのみです。

    • このプロパティは、se_properties > se_bootup_properties > se_rum_sampling_nav_percent で CLI を使用して変更できます。

    • この値は「起動」プロパティであるため、SE を再起動する必要があります。

  • 仮想サービスのクライアント情報は、Active に設定されます。

    • content-type が text/html に設定されているかどうかを確認します。

    • URL がクライアント情報の除外リストに含まれているかどうかを確認します。

    • IP アドレスまたはポートがクライアント情報の除外リストに含まれているかどうかを確認します。