分散論理ルーター上に OSPF を設定すると、分散論理ルータ間での仮想マシンの接続や、分散論理ルーターから Edge Services Gateway (ESG) への仮想マシンの接続が可能になります。
OSPF ルーティング ポリシーでは、コストの等しいルート間でトラフィックのロード バランシングを動的に処理できます。
OSPF ネットワークは、トラフィック フローを最適化し、ルーティング テーブルのサイズを制限するため、ルーティング エリアに分割されます。エリアは、同じエリア ID を持つ OSPF ネットワーク、ルーター、およびリンクの論理コレクションです。エリアはエリア ID で識別されます。
前提条件
ルーター ID を分散論理ルーター上で設定されている OSPFの説明に従って設定する必要があります。
ルーター ID を有効にすると、テキスト ボックスにはデフォルトで、分散論理ルーターのアップリンク インターフェイスが入力されます。
手順
例: 分散論理ルーター上で設定されている OSPF
次に示す、OSPF を使用する単純な NSX シナリオでは、分散論理ルーター と Edge Services Gateway (ESG) が OSPF のネイバー関係になっています。

[グローバル構成] ページに、次のような設定が表示されます。
- [ゲートウェイ IP アドレス (Gateway IP)]:192.168.10.1。分散論理ルーターのデフォルト ゲートウェイは ESG の内部インターフェイスの IP アドレス (192.168.10.1) です。
- [ルーター ID (Router ID)]:192.168.10.2。ルーター ID は、分散論理ルーターのアップリンク インターフェイスです。つまり、ESG に接する IP アドレスです。
[OSPF 構成] ページに、次のような設定が表示されます。
- [転送アドレス (Forwarding Address)]:192.168.10.2
- [プロトコル アドレス (Protocol Address)]:192.168.10.3。プロトコル アドレスには、同じサブネット内にあり、他の場所では使用されない、任意の IP アドレスを指定できます。この例では、192.168.10.3 が指定されています。
- [エリア定義 (Area Definition)]:
- エリア ID:0
- タイプ:通常
- 認証:なし
アップリンク インターフェイス(ESG に接するインターフェイス)が次のようにエリアにマッピングされます。
- インターフェイス: To-ESG
- エリア ID:0
- Hello 間隔(秒):10
- Dear 間隔(秒):40
- 優先順位:128
- コスト:1
次のタスク
ルート再配分とファイアウォールの設定により、正しいルートがアドバタイズされることを確認します。
この例では、分散論理ルーターの接続ルート(172.16.10.0/24 と 172.16.20.0/24)が OSPF にアドバタイズされます。再配分されるルートを確認するには、左側のナビゲーション パネルで
[ルート再配分 (Route Redistribution)] をクリックし、次の設定を確認します。
- [ルート再配分ステータス (Route Redistribution Status)] に、OSPF が有効になっていることが表示されます。
- [ルート再配分テーブル (Route Redistribution Table)] に次の情報が表示されます。
- ラーナー:OSPF
- 開始値:接続中
- プリフィックス:すべて
- アクション:許可
分散論理ルーターを作成したときに SSH を有効にした場合は、分散論理ルーターのプロトコル アドレスへの SSH を許可するファイアウオール フィルタの設定も必要になります。たとえば、次の設定でファイアウォール フィルタ ルールを作成できます。
- 名前:ssh
- タイプ:ユーザー
- 送信元:任意
- 宛先:192.168.10.3 のプロトコル アドレス
- サービス:SSH